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経営者、部長が「あの人はすごい」と、言われるピカイチ情報 平成17年3月号より

パソコンの操作が未熟で残業時間が多いということはないでしょうか?

 製造現場は、グループで機械を運転しながら仕事をすることが多いので、労働時間の長さが生産量に比例します。現場でも段取りの悪い社員と段取りの良い社員では能率やできばえに差はあるが、おおむね、労働時間の長さと生産量が比例すると考えてよいでしょう。

 問題はホワイトカラー(営業、総務、経理、主任、係長など)の生産性です。ホワイトカラーは労働時間の長さと生産量が必ずしも比例しません。たとえば、パソコンの操作です。いまやホワイトカラーにとって、パソコンは必需品ですが、パソコンの操作に慣れているかどうかで驚くほど生産性に差が出てくるものです。

ホワイトカラーの残業が多い原因はパソコンの操作が未熟なために発生している可能性も高いのです。
 今月は、パソコンの仕事にスポットライトを当てながらホワイトカラーの生産性の問題点とその解決策を考えていきましょう。

パソコンに向かっていると仕事をしているように見えるのが問題

パソコンに向かっていると仕事をしているように見えるのが問題です。勤務中にインターネットで遊んでいても、ゲームをしていても遠目には仕事をしていることと区別がつきません。最近は私用メールを仕事中に受発信することが当たり前のように行われていますが、傍目には仕事を熱心にしているように映ります。メールがない時代は、プライベートな連絡方法として電話が使われていました。「私用電話禁止」なんて言葉もありましたが、今は懐かしい言葉となりました。電話は声が聞こえるだけに、私用電話は小さな声でかけたものです。だから、余計に私用電話とわかるというほほえましい(?)職場風景もありました。

 パソコンは便利な道具ですが、ほとんど音が出ませんから、傍目には仕事をしているのか私用でパソコンを使っているのか判然としない特徴があります。

 仕事中に会社のパソコンで私用メールやゲームをすることは禁止しなければなりませんが、もっと問題にしなければならないのは、パソコンスキルのレベルです。

パソコンスキルのレベルが低いとこんなことになります

 ある社員は清書の道具としてパソコンを使っています。報告データを手書きで作成し、電卓で集計し、集計が完了したとろで、おもむろに慣れない手つきでパソコンに入力をします。その社員は、手書きでは見栄えが悪く、また、いまどきパソコンが使えないと思われたくないために、手書きでかけた時間の何倍もかけてパソコンで報告書を作成しているのです。これが残業になったり、本来の仕事が滞ってしまうようでは一体、何のためのパソコンなのでしょうか?

 また、ある社員は「っ」(ちいさな「っ」の文字)の文字をキーボードでどうしたらよいか分からないので、キーボードをあちらこちらいじりながら「ああでもない、こうでもない。」と延々と時間をかけています。隣の人に聞けば済むことなのですが、プライドが邪魔をするようです。それで延々と残業されたのでは会社はたまったものではありません。A4の用紙、一枚作成するのにいくらのコストがかかったかを調べると恐ろしいことになっているかもしれません。

 二人の例は、パソコン初心者にありがちな事例ですが、ある程度、パソコンが使いこなせるようになった社員でも、パソコンの便利な機能を使っていない場合が多いものです。パソコンの機能をすべてマスターする必要はありませんが、ちょっとしたことを知っておくと、仕事の能率が何倍にもなります。

たとえば、日常で頻繁に使う用語があります。
「お世話になります。」
「ありがとうございます。」
「よろしくお願い申し上げます。」
「こんにちは、中川清徳です。」
「(有)中川式賃金研究所の中川清徳です。」
「(有)中川式賃金研究所 代表取締役 中川清徳」
「茨城県鹿嶋市宮中4680−184」
などです。

 今、挙げた7つの文字を私は10秒足らずで入力しました。このように頻繁に使う文字を「単語登録」をしているので、短時間に正確に入力できるのです。このようなに便利な機能を使うと格段に能率が上がります。

 パソコンを使いこなせないことが原因でかかっているコストは目に見えにくいために見逃されやすいものです。パソコンのスキルアップは電気代の節約、裏紙の利用などのコスト削減よりはるかに効果があります。

パソコンのスキルアップはキャベツ切りと同じ

 パソコンスキルのレベルが一定のレベル以下の場合は、残業時間打ち切りにすることを提案します。パソコンの操作は初心者にとっては難しいものです。操作ができても、キーボードによる入力がまた大変。人差し指1本で「ポツ・・・・ポツ・・・・ポツ・・・」と打っていては、紙一枚作成するのにどのくらい時間がかかるやら・・・・。

 板前の修業は、キャベツ切りで包丁捌きを覚えます。キャベツ切りは、今は機械があり、一瞬にして出来上がります。そのような職場で、修行中の社員が仕事中に、包丁捌きの練習を兼ねてキャベツ切りをされたのでは、料理が間に合いません。このような場合、仕事が終わってから、自主研修としてキャベツ切りをしてもらうことです。自主研修ですから残業手当はありません。自主研修ですから、本人がいやだといえば強制できませんが「あなたの腕が上がらないのであなたが損をするよ。材料や設備は会社が無償提供するくらいの配慮はするから、がんばってほしい。」と伝えます。それでも、自主研修に参加しない社員は将来性がないでしょうからそれなりの処遇をしていくことになります。

 パソコンの操作も一緒です。ブラインドタッチでパソコン操作ができる社員にとっては1時間もかからないような仕事が、初心者にとっては残業しても間に合わないこともあります。そのような初心者にはパソコンの基本的なスキルは時間外に身につけるように要求しましょう。パソコンの基本スキルは板前の修業のキャベツ切りと同じなのです。

 昔は「読み書きそろばん」と言われていましたが、今は「読み書きパソコン」になりました。そろばんの練習を時間中にされたのではたまりません。同じことがパソコンでも言えます。パソコンはできて当たり前の時代になったのです。

パソコンのスキルアップの環境を整え、見所のある社員を発掘しましょう

 では、どうしたらパソコンのスキルアップができるでしょうか?パソコン操作ができない社員を「がんばれ!」と励ましただけでは効果は期待できません。社員ががんばれるような環境を整えることが経営者の役目です。

 パソコンのスキルアップは基本的に時間外でやってもらいましょう。パソコンを持っていない社員は、会社のパソコンを使って練習することを許可します。会社のパソコンは情報管理の面から社外持ち出し禁止としましょう。会社でパソコンのスキルアップをする社員は後で、残業問題でもめないために許可制にし、また。タイムカードを打ってから練習するよう指示しましょう。施設の管理の問題もありますので、夜10時までと時間制限をしたほうが良いでしょう。

 パソコンのスキルアップのための通信教育やパソコン教室がありますので、そのような講座を探して社員に推薦することをしましょう。通信教育は挫折することが多いので、励みになる仕組みを作るともっと良いでしょう。たとえば、通信教育を開始したら会社に申請してもらい、受講料の半額を会社が負担し、通信教育が完了したら、残りの半額を会社がさらに負担するような制度を作ります。本人のやる気があれば無料で通信教育を受けることができるのです。

 このような制度を作る目的は、社員のパソコンスキルをアップさせることですが、もうひとつの目的があります。通信教育を完了するような社員はかなり意志の強い社員です。言い訳を言わず、目標を達成するために工夫する将来性のある社員と断定しても良いでしょう。経営者は通信教育を通じて秘かに社員の人物評価をしておくのです。

 次に「パソコン上達部長」を任命することをお勧めします。「パソコン上達部長」はパソコンを使っている社員のそばに行き、パソコンの操作を見て、困っていることやもっと能率の良い仕事を教えるのです。人に聞けないで一人で悶々と悩んでいる社員をこれで救済します。また、より効率的な操作は教えてもらわないと気づかないことが多いのです。効率的な操作ができるとそれだけで仕事が楽しくなるものです。
「パソコン上達部長」は一人でも二人でも構いませんが、できたら総務の社員が良いでしょう。「パソコン上達部長」は普段は仕事をしながら、たとえば毎週月曜日と木曜日の午後1時から3時までは各職場のパソコンの操作をしている社員の側で指導をするのです。パソコンにはワードやエクセルをはじめいろいろなソフトがありますので、「ワード上達部長」「エクセル上達部長」などと任命して役割を分担するのも良いでしょう。

 「パソコン上達部長」は総務の社員が良いと申し上げた理由は、各社員と話す機会が増え、現場の生の情報が入り易くなります。総務の社員は社長に近い存在と思われ、現場の社員は総務の社員には現場の本当の姿を隠したり、本音を言わない傾向にあります。その垣根をパソコンの指導を通じてとりはらう役割を持たせるのです。まさに、一石二鳥です。

 それから、定期的にちょっとしたパソコンのテクニックを回覧することをしましょう。先ほどの単語登録の方法などです。

【今月号のまとめ】
1.パソコンのスキルアップは時間外にしてもらう。
2.総務担当者を「パソコン上達部長」に任命し、社内のスキルアップとコミュニケーションを図る。
3.スキルアップの自己啓発には補助金でバックアップする。
4.ちょっとしたコツを定期的に社内回覧しましょう。

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本文で説明した「単語登録」をするマニュアルの雛形はワードで作成しています。雛形を使って自社用に作成したいという方は3月31日までに「単語登録文書」が欲しいと書いてメール(info@nakagawa-consul.com)ください。
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