中川清徳のブログ

2017年6月の記事一覧

2017年
6月30日

 【労基法】使用者と経営者は同じ?

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 【労基法】使用者と経営者は同じ?
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   中川さんの話を聞いていると混乱します。
中川:え?
   何がですか?
社長:経営者といったり事業主と言ったり使用者と言ったりして
   いますよね。
   で、経営者は自分のことだと分かるのですが   
   使用者という場合は経営者だけを指していないような
   気がします。
   気がするだけですが。
中川:ドキ!
   このメルマガはわかりやすさを重視しているので
   用語を厳密に使い分けていません。
   たとえば、残業手当と言っていますが、厳密には
   早出や休日出勤も含めての場合がありますので
      残業手当という言い方は間違いです。
   法律用語としては割増賃金となるのですが、
   残業代の方が分かり易いと思っているからです。
社長:そうですか。
   それはそれでありがたいのですが、法的な使い分けを教えて
   ください。
中川:まず、事業主から説明します。
社長:事業主は私のことでしょう?
中川:個人事業であれば事業主個人となり
   会社の場合は法人そのものです。
社長:へえ、当社は会社組織ですから社長自身ではなく
   会社そのものと言うことですか。
中川:そういうことです。
社長:では、私は会社から使われる労働者ということですか?
中川:そこがややこしいことですが、社長は経営者ですから
   労働者ではありません。
   法律では事業主ではないのです。
   しかし、経営者として従業員を指揮命令していますので
   結果として事業主であるとも言えます。
社長:なんだか難しいことになりましたね。
   使用者はまた違うのですか?
中川:そうです。  
   使用者は労働者を使用する人のことです。
社長:そもそも労働者とは何ですか?
中川:賃金をもらって働く人のことです。
社長:であれば当社は部長も課長も賃金をもらっているのだから
   労働者ということですね?
中川:そうです。
社長:では、使用者とは賃金をもらっていない社長の
   私と言うことになるのですね?
中川:そこがややこしいのです。
   部長は労働者ですが部下にたいして指示命令をしてます。
   つまり使用者なのです。
社長:あのう、言っていることがよく分かりません。
中川:そうでしょうね。
   説明している中川がクラクラしています。
   ややこしい理由は使用者は相対的な関係に
   あるからです。
社長:相対的な関係にあるといいますと?
中川:労基法の使用者は事業主の他に事業主のための行為を
   する人も含まれます。
   つまり、部長や課長は部下を指揮命令しています。
   これは事業主のための行為ですから使用者となるのです。
社長:では、主任や係長も使用者ですか?
中川:部長とか主任とかの名称で決めるものではありません。
   実際に経営に関する権限と責任を負って指揮命令したり
   業務を遂行する人のことです。
   一般的には主任や係長は権限と責任はないとした
   ものです。
   でも、仕事によっては日常の行為で使用者とされる場合も
   あります。
社長:要するにどういう人が使用者なのですか?(イライラ)
中川:仕事で権限と責任を持っていればその行為については
   使用者となります。
   たとえば、社会保険労務士は従業員ではありませんが
   労基法に基づく申請をすると使用者ということになり 
   その部分については使用者責任が問われます。
社長:結論は
   事業主とは会社そのもの。
   使用者とは責任と権限を持って行ったものというとですね?
   肩書きは無関係。
中川:ピンポーン!
社長:ああ疲れた。
   聞かなきゃ良かった。
   

(中川コメント)
使用者とは事業主だけではありません。
会社のために権限と責任を持って行うものはその行為に対しては
使用者となります。
したがって、工場長、部長、課長など比較的地位の高い人から
現場のリーダー、現場責任者など比較的地位の低い人まで
使用者となることがあります。
このメルマガは事業主、使用者の使い分けを厳密にしていません。
ご容赦ください。
特別に使い分けをする場合はその旨を明示します。
2017年
6月29日
カテゴリー

 【労働時間】残業60時間超過は50%の割増

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 【労働時間】残業60時間超過は50%の割増
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弊社のメルマガ読者からご質問を頂戴しました。

残業60時間以上のルール、知りませんでした。
不勉強を恥じますが、質問です。
このルールに則り就業規則を改訂運用している企業はどれくらい
ありますか? 

(中川コメント)
どのくらいあるかは知りません。
このルールが適用されるのは中小企業以外です。
国で定めている中小企業の定義は次のとおりです。
業種    資本金の額  または常時使用する労働者数
小売業   5,000万円以下 または50人以下
サービス業 5,000万円以下 または100人以下
卸売業   1億円以下または100人以下
その他   3億円以下または300人以下

2017年
6月28日
カテゴリー

 【労働時間】企業名公表

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 【労働時間】企業名公表
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   残業が多いと企業名を公表されるというニュースを見ました。
   どういうことですか?
中川:違法な長時間残業を行った企業名を初めて厚労省が発表しました。
   今後も発表するそうです。
社長:どんな会社ですか?
中川:詳しくは下記で確認してくdさい。
   https://matome.naver.jp/odai/2146370358696429201
社長:大手企業ですね。
中川:そうですね。
   従業員が700人の規模です。
社長:大手企業がねらわれたのですか?
中川:そうです。
   大手企業は社会的な影響も大きいです。
   それで企業名を公表し、一罰百戒をしようということです。
社長:では、中小企業である弊社は関係ありませんね。
中川:あのう、社長は違法をしたいのですか?
社長:もちろん、違法はしたくありません。
   しかし、しょうがないことがあるでしょう。
中川:しょうがなかったら違法してもいいのですか?
社長:そうとは言いませんが、現実は法律を守っていられないことも
   あるといいたいのです。
中川:違法状態で働いている従業員はどんな気持ちでしょうね?
社長:うーん。
   ...。
中川:陰では「うちはブラック企業だ。いいところがあったら辞めよう」
   なんて話し合っているかもしれませんよ。
社長:ブラック企業とは人聞きが悪い。
中川:しかし、ネットでは長時間残業会社はブラックだという情報が
   あふれていますよ。
社長:この企業名の公表は今後も続くのですか?
中川:続けるぞと厚労省はHPで叫んでいます。
社長:720時間の枠を本気で設けようとしていますね。
中川:働き方改革の目玉です。
   長時間残業削減は厚労省は今後も本気で取り組むでしょう。
社長:分かりました。

(中川コメント)
現在の企業名公表は、大手企業を対象にしているようです。
企業名を公表された会社は、長時間労働についての会社の改善取組を
HPで数次にわたり掲載しています。
長時間残業対策は緊急に取組を始めましょう。
弊社が開催している下記のセミナーが参考になります。

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 ■長時間残業対策セミナー
   【東京】  6/19(月) 7/11(火) 9/12(火)
  13時30分~16時30分 場所:東京都 銀座 
        受講料 24,000円(税別)  
    http://nakagawa-consul.com/seminar/087.html
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 ■「残業720時間」ショック!対応セミナー 2万円(税別) 二人目半額
    【東京】  7/12(水)/7/26(水)/8/2(水)
         13時30分~16時30分 場所:東京都 銀座
    http://nakagawa-consul.com/seminar/090.html
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2017年
6月27日

 【人事異動】転勤を拒否するので困っている

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 【人事異動】転勤を拒否するので困っている
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   A君のことで相談です。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:A君に転勤を内示したところ拒否されました。
   それで困っています。
中川:転勤はどのようなものですか?
社長:当社は県内に3箇所営業所があります。
   で、ときどき人事異動で転勤させています。
中川:どうして転勤をさせるのですか?
社長:はあ?
   それは必要があるからですよ。あたりまえでしょう。
中川:どのような必要があるのですか?
社長:本人の成長と組織のマンネリ化を防ぐためです。
   当然だと思いますが。
中川:で、A君が転勤を拒否する理由はなんですか?
社長:家を引っ越ししなければならないからです。
   生活環境が変わるのでいやだというのです。
   食事や洗濯など家事をしなければならないから。
中川:通勤はできないのですか?
社長:片道1時間30分ですからできないことはありません。
   しかし、会社は社宅を提供します。
   できれば引越をしてもらいたいです。
中川:A君は通勤であれば転勤はOKといっているのですか?
社長:通勤時間が長くなるからいやだというのです。
   朝が苦手なので遅刻をする可能性が高いというのです。
中川:で、社長のお考えは?
社長:そんなわがままを言われたら他の社員へのしめしがつきません。
   そもそも業務命令違反です。
中川:採用の時に転勤はないと説明をしていませんか?
社長:それはありえません。
   当社は転勤が当たりまえですから。
中川:そうですか。
   では、就業規則を拝見します。
   たしかに、転勤や出向をさせることがあると明記されていますね。
社長:でしょう。
   だから何が何でも転勤をしてもらわないと。
中川:そうですね。
   規則だからと言うのではなくA君の将来のためにという
   説得がいいでしょうね。
社長:そうですね。
   それにしても朝が弱いからとは情けない理由ですね。
中川:人はいろいろですから、そういう従業員もいるでしょう。
   社長の感覚からしたら信じがたいでしょうが。
   経営者は頑張るタイプだから経営者になっているのです。
   しかし、頑張りたくないタイプもいるのです。
社長:つまり、社長目線で見るなと言うことですか?
中川:いいえ、それはとても大切なことです。
   しかし、社長の価値基準とは違う人もいるのです。
   たとえば出世をしたくないとか。
社長:ところで、仮にA君があくまでも拒否したらどうしたら
   いいですか?
中川:その場合は懲戒処分にすることです。
社長:懲戒処分はどの程度がいいですか?
中川:それは会社の事情や個別の事情がありますので
   絶対的なものはありません。
   懲戒には
   訓戒
   減給
    出勤停止
   諭旨解雇
   懲戒解雇
   などがあります。
   業務命令違反は重大なことです。
   転勤を拒否する理由が弱いので減給か出勤停止など
   でしょうか。
社長:なるほど。
   もう一度A君と話し合います。
中川:懲戒処分を盾に脅迫しないことです。
   社長にその目で見られたら、それだけでも脅迫に
   なりますので。
社長:それは余計なことです(怒)

(中川コメント)
就業規則に転勤が明記されていれば従業員は転勤を拒否できません。
しかし、不当な動機や目的あるいは親の介護があるなど
正当な理由がある場合は転勤をさせるべきではありません。

2017年
6月26日
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【育児休業】育児休業が終わったら退職するという

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【育児休業】育児休業が終わったら退職するという
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   パートのA子さんのことで相談です。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:A子さんは出産予定です。
中川:それはおめでとうございます。
社長:で、A子さんが育児休業をとるというのです。
   で、育児休業が終了したら会社を退職するというのです。
   そんなのありですか?
中川:A子さんは期間を定めた雇用契約ですか?
社長:そうです。
   当社ではパートは有期契約をしています。
中川:勤続何年ですか?
社長:勤続年数が関係するのですか?
中川:はい、期間の定めのある従業員は
   1年以上雇用されていることが条件です。
社長:A子さんは継続して5年ですから勤続年数は1年以上です。
中川:それでは育児休業をとる資格があります。
社長:ところで育児休業はどのくらいの期間ですか?
中川:子が1歳に達するまでです。
社長:要は出産してから1年間と言うことですね。
中川:正確に言いますと産後休暇が8週間ありますので
   育児休業は1年ではありません。
社長:ふーん。
   A子さんは子が1歳になったときに会社を退職するのですね。
   だったら産後休暇が終了したときに辞めてもらいたいですね。
   給料は払わないとしても社会保険料が発生しますので。
中川:そうですね。
   本人からの保険料徴収が実務的に難しくなります。
   知らん顔をされ結局会社が本人分の負担することが
   あります。
社長:で、A子さんに産後休暇が終了したら辞めてもらうと
   したら法律違反ですか?
中川:いいえ、法律違反ではありません。
社長:ほんとうですか?
   法律は従業員に都合のよいことばかり決めています。
   本当に大丈夫ですか?
中川:A子さんは育児休業が終了したら会社を退職すると
   言っていますね。
   つまり、育児休業後働く意思がないのです。
   そのような人は育児休業は対象外です。
社長:そうですか。
   分かりました。

(中川コメント)
育児休業を取得できるのは1歳未満の子を養育する男女です。
つまり男性もOKです。
期間を定めて雇用される従業員の場合は1歳の誕生日以降も
働くことが条件です。
働く意思がない場合は育児休業を与える義務はありません。