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2017年
6月27日

 【人事異動】転勤を拒否するので困っている

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 【人事異動】転勤を拒否するので困っている
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   A君のことで相談です。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:A君に転勤を内示したところ拒否されました。
   それで困っています。
中川:転勤はどのようなものですか?
社長:当社は県内に3箇所営業所があります。
   で、ときどき人事異動で転勤させています。
中川:どうして転勤をさせるのですか?
社長:はあ?
   それは必要があるからですよ。あたりまえでしょう。
中川:どのような必要があるのですか?
社長:本人の成長と組織のマンネリ化を防ぐためです。
   当然だと思いますが。
中川:で、A君が転勤を拒否する理由はなんですか?
社長:家を引っ越ししなければならないからです。
   生活環境が変わるのでいやだというのです。
   食事や洗濯など家事をしなければならないから。
中川:通勤はできないのですか?
社長:片道1時間30分ですからできないことはありません。
   しかし、会社は社宅を提供します。
   できれば引越をしてもらいたいです。
中川:A君は通勤であれば転勤はOKといっているのですか?
社長:通勤時間が長くなるからいやだというのです。
   朝が苦手なので遅刻をする可能性が高いというのです。
中川:で、社長のお考えは?
社長:そんなわがままを言われたら他の社員へのしめしがつきません。
   そもそも業務命令違反です。
中川:採用の時に転勤はないと説明をしていませんか?
社長:それはありえません。
   当社は転勤が当たりまえですから。
中川:そうですか。
   では、就業規則を拝見します。
   たしかに、転勤や出向をさせることがあると明記されていますね。
社長:でしょう。
   だから何が何でも転勤をしてもらわないと。
中川:そうですね。
   規則だからと言うのではなくA君の将来のためにという
   説得がいいでしょうね。
社長:そうですね。
   それにしても朝が弱いからとは情けない理由ですね。
中川:人はいろいろですから、そういう従業員もいるでしょう。
   社長の感覚からしたら信じがたいでしょうが。
   経営者は頑張るタイプだから経営者になっているのです。
   しかし、頑張りたくないタイプもいるのです。
社長:つまり、社長目線で見るなと言うことですか?
中川:いいえ、それはとても大切なことです。
   しかし、社長の価値基準とは違う人もいるのです。
   たとえば出世をしたくないとか。
社長:ところで、仮にA君があくまでも拒否したらどうしたら
   いいですか?
中川:その場合は懲戒処分にすることです。
社長:懲戒処分はどの程度がいいですか?
中川:それは会社の事情や個別の事情がありますので
   絶対的なものはありません。
   懲戒には
   訓戒
   減給
    出勤停止
   諭旨解雇
   懲戒解雇
   などがあります。
   業務命令違反は重大なことです。
   転勤を拒否する理由が弱いので減給か出勤停止など
   でしょうか。
社長:なるほど。
   もう一度A君と話し合います。
中川:懲戒処分を盾に脅迫しないことです。
   社長にその目で見られたら、それだけでも脅迫に
   なりますので。
社長:それは余計なことです(怒)

(中川コメント)
就業規則に転勤が明記されていれば従業員は転勤を拒否できません。
しかし、不当な動機や目的あるいは親の介護があるなど
正当な理由がある場合は転勤をさせるべきではありません。

2017年
6月24日

 【代替休暇】振替休日、代休との違い

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 【代替休暇】振替休日、代休との違い
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   代替休暇と振休、代休の違いが分かりません。
中川:振休と代休の違いは分かりますか?
社長:振り替え休日は事前に休日を入れ替えることです。
   代休は休日出勤をした代わりに休みを与えることです。
中川:ピンポーン!
   すばらしい!
社長:まあ、これはなんとか。
中川:で、賃金はどうなりますか?
社長:ドキ!
   一緒でしょう。
中川:残念です。
   賃金は異なります。
社長:どう異なるのですか?
中川:簡単に言えば
   振休は割増賃金の支払いは不要
   代休は割増賃金の35%を払う必要があります。
社長:ああ、そうでしたね。
   忘れていました。
   会社としてはできるだけ振休にした方がいいですね。
中川:そうです。
社長:で、代替休日とは何ですか?
中川:これは1ヶ月の労働時間が60時間を超えた場合はその超えた分
   を50%割増で払わなければいけません。
   平成22年4月に施行された労基法です。
社長:それは割増賃金の話でしょう。
   代替休暇はどこに行きましたか?
中川:あのう。
   そこからスタートしないと話が分かりません。
   で、60時間を超えた時間数が一定の時間以上であれば
   割増賃金を払う代わりに代替休暇を与えると言うことです。
社長:ふーん。
   言っていることが分かりません。
中川:たとえば月92時間残業をしたとします。
   その場合、50%の割増賃金の対象となるのは
   32時間(92時間-60時間)となります。
   それに25%を乗じると8時間となります。
社長:ふんふん。
中川:で、その8時間は50%の割増賃金を払っても良いし
   代わりに一日休ませることもできます。
   休ませた場合は8時間の25%割増は払う必要がないと
   いうことです。
   それが代替休暇です。
社長:どうして25%なのですか?
   60時間を超えたら50%割増なのでしょう?
中川:そもそも8時間を超えたら従来から25%割増は
   払わなければなりません。
   だから基本部分はちゃんと払わなければならないからです。
社長:なるほど。
   ところで、当社は中小企業なので当分は60時間を超えた場合でも
   50%の割増賃金は払う必要がないと聞いています。
   だから当社では代替休暇は無縁ですね。
中川:そのとおりです。
   でも、将来は中小企業も60時間を超えたら割増賃金を50%払えと
   いう法律ができることが予想できます。
   中小企業は当面は適用されませんが。
社長:なるほど。

(中川コメント)
振替休日とはあらかじめ休日を振り替えること。
代休は休日に労働させた代わりとして休みを与えること。
代替休暇とは月60時間を超える時間外労働に対する
25%を超える支払に代えて与える休暇のこと。
なお、中小企業は当分60時間を超えた時間外に対して
50%の割増賃金の支払いは適用されません。
代替休暇はいまのところ大企業の話です。
2017年
6月20日

 【残業】三六(さぶろく)協定とは

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 【残業】三六(さぶろく)協定とは
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1.三六(サブ口ク)協定の意義
  法定時間外労働や法定休日労働は本来、労基法違反です(労基法
  32条、35条) 。
  しかし、時間外・休日労働に関する労使の合意文書(同協定は書面
  による必要がある)があり、残業時聞が協定事項の範囲内である限
  り、36協定は労基法違反とはなりません(免罰的効果) 。
  ただし残業時間が協定の上限時間を超過した場合、労基法違反と
  なります。
  管理職は職場の上限時間等を把握し、上限時間を超える場合は速やか
  に再協定を締結するようにしましょう。
  なお、従業員に時間外・休日労働を命じるには36協定だけでは足りず、
  労働協約、就業規則等の労働契約上の根拠が必要となります
  (昭63.1. 1 基発1。後掲18.も参照) 。

2.三六(サブロク)協定の協定事項と締結の当事者
  協定事項は、
  (1)時間外または休日労働をさせる必要のある具体的事由
  (2)業務の種類
  (3)対象労働者数
  (4)時間外労働の上限時間(「1日」「1日を超え3カ月以内の期間」
   「1年間」でそれぞれ設定する)、または労働させることができる
    休日
  (5)有効期間(労基則16条) 。
  また、36協定は事業場単位で締結します。
  本社、営業所、工場等それぞれの勤務地の勤務実態に即して定めを
  する必要があるからです。
  
  三六協定の締結当事者は、会社側代表者と従業員の代表です。
  会社側代表者は、支店長、事業部長、工場長等、協定を締結する
  事業場の長がなるのが原則です。
  従業員の代表には、その事業場で働く「従業員」の過半数で組織する
  労働組合(以下、過半数組合)がなります。
  過半数組合がない場合は過半数を代表する者を別途選出して締結します。
  どちらの場合も、「従業員」には労働時間規制の対象外となる管理職、
  残業することを予定されていないパートタイマー・アルバイト、
  休職者も含めます(昭46. 1.18 45基収6206、昭63.3.14
  基発150・婦発47、平11.3.31 基発168)。

(中川コメント)
三六協定は労働基準法第36条を根拠としています。
正式名称は時間外・休日労働に関する協定届」といい、労働基準監督署に
提出する書面のことです。
法定時聞を超える時間外労働・休日労働をさせる場合は、従業員代表と
その旨を協定し、行政官庁に届け出なければなりません。
.36協定を締結することで、協定事項の範囲内で従業員を働かせても
労基法違反とはならず、刑事責任が問われません。
三六協定は期限があります。
原則として一年間です。
ということで、三六協定は毎年労働基準監督署に届け出なければ
なりません。
労働基準監督署に届け出ると、従業員代表の選出の方法を聞かれることが
あります。
あなたの会社は、従業員代表は選挙等で選出していますか?

2017年
6月20日

 【無期転換】申込みを拒否できるか

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 【無期転換】申込みを拒否できるか
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   無期転換の実施が迫りました。
中川:そうですね。
   平成30年4月以降から有期契約の従業員は無期転換にしてもらえる
   権利が発生しますね。
社長:弊社は、パートさんが全員、有期契約です。
   弊社は業務の波があります。
   有期契約でないと困ります。
中川:有期契約のパートの該当者を全員、自動的に無期契約に転換する
   必要はありません。
   該当するパートさんが希望すれば無期転換にします。
   パートさんが何も言わなければ有期契約のままで良いです。
社長:たとえば、パートのAさんは平成30年3月31日に5年が経過します。
   では、Aさんが翌日の4月1日に無期転換への希望がなければ
   そのままでいいのですね。
中川:そうです。
社長:ワンチャンスであれば、無期転換を申し込む可能性は低いですね。
中川:あのう、ワンチャンスとかなんですか?
社長:Aさんは平成30年4月1日に無期転換の権利が発生するのでしょう?
   その日に申込みがなければ、権利を放棄したことになります。
中川:ああ、そういう意味のワンチャンスですか。
   それは誤解しています。
   Aさんは平成30年4月1日以降はいつでも無期転換を申し込む
   権利が発生します。
社長:え!
   それは困ります。
中川:でも、法律がそうなっています。
社長:では、パート就業規則には無期転換権は発生しないと
   書いたらどうですかね。
中川:そのような就業規則は無効です。
社長:じゃあ、雇用契約書に書いたらどうですか?
中川:それもダメです。
   何をしようと自動的に権利が発生します。
社長:次回の幹部会議で、無期転換への対応を議題にします。

(中川コメント)
無期転換権は絶対的なもので、事業主が拒否することはできません。
労働契約法では次の条文があります。
(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条  同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約
 (契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の
 契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が
 五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働
 契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から
 労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、
 使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該
 申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、
 現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)
 と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の
 定めがある部分を除く。)とする。
 2  当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が
 満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の
 契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない
 期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働
 省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を
 除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白
 期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約
 期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の
 間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を
 通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合に
 あっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た
 期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、
 当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に
 算入しない。
あなたの会社は、無期転換への対応ができていますか?

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突然の申込を受けても慌てないために、「無期転換制度への備え方」セミナー
平成30年4月1日になってからでは遅い
    【東京】 平成29年7月28日(金)13時30分~16時
    【東京】 平成29年11月16日(木)13時30分~16時
        http://nakagawa-consul.com/seminar/086.html
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2017年
6月19日

 【労災】歓送迎会参加後の帰社は労災

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 【労災】歓送迎会参加後の帰社は労災
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外国人研修生の歓送迎会を会社が行いました。
Aさんは当日、急ぎの仕事を抱えていましたが、
部長から参加しないとまずいと言われました。
また、部長か歓送迎会が終わった後、一緒に資料作成をすると
言われました。
Aさんは、資料作成を中断し、歓送迎会が終わる頃に顔を出しました。

歓送迎会が終わった後、Aさんは外国研修生数名を社有車で送りました。
(Aさんは飲酒していません)
その後、帰社のため会社に向かっている途中で、対向車と衝突する
事故があり、Aさんは死亡しました。
これについて、労働基準監督署は歓送迎会は私的な行為であるから
労災ではないと判断しました。
その判断に不服なAさんの奥さんは裁判を起こしました。
しかし、一審、二審とも私的な行為中の事故だから、
労災ではないという判決でした。
さらに上告したことろ、
1.Aさんは歓送迎会が終了後の帰社して資料作成をするため、
  帰社しなければならなかったことから、
  一連の行動は要請したものである
2.本件の歓送迎会が親会社との関連強化のためである
3.研修生をアパートに送ったことは、部長に代わって送った
  ものである
という理由で、
最高裁は労災であると判決しました。

(中川コメント)
本日の記事は、国・行橋労基署長(テイクロ九州)事件
最二小判 平28.7.8判決
の概要を記載したものです。
プライベートな行為とみなされる歓送迎会での、自動車による
死亡事故だったので、判決は意外であるということで話題になりました。
本件は、日常的にありうる行為です。
業務との関連性がある場合は、労災となりえます。
その場合は、会社として業務命令として書面等で証拠を残すと
良いでしょう。
たとえば、社内運動会を開催したとします。
運動会中の負傷は労災になりません。
しかし、次の通達があります。
運動競技会出場に関する行政解釈(昭32・6・3基発第465号)。
労災と認定されるためには次の2点を満たす必要がある。
1.出場が、事業の運営に社会通念上必要と認められること
 (たとえば、宣伝等営業政策のうえに効果があると一般的に認められる
 場合等)
2.事業主の積極的特命によってなされたこと
 (出張として、旅費、日当等が支払われ、当日が通常の出勤として
 取り扱われていること)