【昇給】マイナス昇給は可能か?

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年2月16日号   VOL.1051
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風邪は人にうっすと治る?

(続きは編集後記で)

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 【昇給】マイナス昇給は可能か?
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中川:こんにちは。

社長:そろそろ昇給を決めなければなりません。

中川:毎年、頭が痛いですね。

社長:そうです。
   今年は昇給どころか給料を下げたいくらいです。

中川:そのような会社が多いでしょうね。

社長:で、相談ですがマイナス昇給はできますか?

中川:できる場合もあります。

社長:どんな場合にマイナス昇給はできるのですか?

中川:たとえば、一定の年齢になったら年齢給を下げることが賃金制度で
   決まっていればマイナス昇給が可能です。

社長:当社はマイナス昇給ができますか?

中川:賃金規程は拝見します。

   (拝見)

   うーん、マイナス昇給の制度がありませんね。

社長:そうですか。
   でも、なんとかマイナス昇給ができないものでしょうか?

中川:マイナス昇給は全員にたいしてですか?

社長:いいえ、一部の給料が高すぎる人です。
   経営が苦しい場合は社員にも協力をしてもらわないと。

中川:もう一度、賃金規程を拝見します。

   (拝見)

   やはりできませんね。

社長:どうしてマイナス昇給ができないのですか?

中川:賃金規程に次のように書いてあります。

   「昇給は、勤務成績その他が良好な社員について、毎年
   4月1日をもって行う。ただし、会社の業績の著しい
   低下その他ヤムを得ない事由があるときは行わないことがある」
   とあります。

   だからマイナス昇給はできません。

社長:でも、会社業績が悪い場合は昇給しないとあります。
   やはり、悪い場合はマイナス昇給もOkでしょう!

中川:あのう、お言葉を返すようですが、マイナス昇給をするとは
   書いてありませんよ。
   昇給しないことがあるということです。

社長:あちゃ!
   賃金規程がまずいですね。

中川:そうです。

社長:うーん。
   でもどうしてもマイナス昇給をしたいのです。
   何とかなりませんか?

中川:個別に同意をもらうことです。

社長:それならOKですか?

中川:あとでもめないように同意書に署名捺印をもらっておきましょう。

社長:それも大変ですね。わかりました。
   同意を得るとともに、賃金規程の修正をします。

中川:それがいいですね。
   修正するばあいは従業員の意見を聞かなければなりません。
   
社長:わかりました。

(中川コメント)

大企業の賃金制度をマネし、定期昇給はあってもマイナス昇給はないので
支払原資が少ない中小企業は耐えられなくなります。
賃金規程は次のように修正することをお勧めします。

   「昇給は、勤務成績その他が良好な社員について、毎年
   4月1日をもって行う。ただし、会社の業績や経済情勢、その他ヤム
   を得ない事由があるときは行わないか減給をすることがある」

※減給することがあると明記するのがポイントです。
 会社が倒産したら元も子もなくなります。従業員への説明と理解を得るように
 がんばってください。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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風邪は人にうっすと治る?

 風邪のウイルスが体内に入って、発病するまで潜伏期間というのがあり、
風邪の場合、おおよそ2~3日で、その間は症状が出ません。
 たとえば、風邪の症状のあるAさんが、症状のないBさんに接触し、風邪
を、うつしたとしても、Bさんに風邪の症状が出るまでに、2~3日かかるわ
けです。その間に、Aさんは、通常、自然治癒力によって風邪が治り、Aさん
が治った頃に、Bさんに症状が出始めるのです。
 こうしたことから、「うっすと治る」という迷信が広まったと考えられ、
Bさんに、うつしたおかげで、Aさんが治ったというわけでは決してありま
せん。

(あの「健康法」のウソ・ホント 森田豊著より)

では、また明日お会いしましょう!!

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