【残業】36協定を超える残業がある場合は?

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年3月6日号   VOL.1072
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時計の針はなぜ右回りなのか

(続きは編集後記で)

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 【残業】36協定を超える残業がある場合は?
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   残業時間で気になっていることがあります。

中川:はい、何でしょう?

社長:36(サブロク)協定を毎年提出しています。

中川:ご立派です。

社長:気になるのが残業時間です。
   残業時間は45時間を上限としています。
   しかし、実際はそれを超えることがあります。
   労働基準監督署に指摘されないかとヒヤヒヤしています。

中川:指摘される可能性がありますね。
   それを予防するには36協定を工夫すれば避けることができます。

社長:へえ、そんな方法があるのですか。
   教えてください。

中川:特別な事情がある場合は延長できます。
   それを36協定の特別条項といいます。

社長:特別条項とはなんですか?

中川:臨時的に残業が多くなる時には36協定の上限を超えて
   残業させることがあると書くのです。
   そうすると、45時間を超えても違法とはなりません。

社長:それはありがたいですね。
   では、特別条項で、たとえば100時間と書いてもOkですか?

中川:100時間としても違法ではありませんが、過重労働問題が
   生じますので安易に長時間にすべきではありません。

社長:そうですね。
   特別条項はどうやって書くのですか?

中川:36協定書の欄外に「特別条項」を記入します。

社長:それでいいのですか。
   なんだ。

中川:ただし、あくまでも例外的な措置なので、制約条件が
   あります。

社長:話がうますぎると思いました。
   制約条件は何ですか?

中川:45時間を超える回数は6回までです。

社長:6回までの意味が分かりません。

中川:一年は12ヶ月です。6回は6ヶ月を意味します。
   つまり、一年のうち36協定を超えて残業させることができるのは
   長くても6ヶ月分だけです。

社長:逆に言います6ヶ月は残業を45時間以内としなければならない
   ということですね?

中川:ピンポーン!
   それから45時間を超えて残業させる特別な事情を明記しなければ
   なりません。

社長:特別な事情は忙しいからに決まっています。
   ヒマだったら残業はしませんから。

中川:それではあいまいです。
   単に忙しい場合と書いたのでは労働基準監督署で受け付けてもら
   えない可能性があります。

社長:どんな場合に特別な事情となるのですか?

中川:1.予算、決算業務
   2.納期の逼迫(ひっぱく)
   3.大規模なクレーム対応
   4.突発的な機械、設備のトラブル対応
   5.クリスマス商戦対応
   など、いろいろあります。

社長:なるほど。
   当社でもそれならあります。
   で、具体的にはどのように書くのですか?

中川:たとえば
   「一定期間についての延長時間は1ヶ月間45時間とする。
   ただし、通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、特に納期が
   ひっ迫したときは、労使の協議を経て、1ヶ月間60時間までこれ
   を延長することができる。この場合、延長時間を更に延長する回
   数は年6回までとする。」
   というように書きます。

社長:早速検討します。

(中川コメント)

36協定を労働基準監督署に提出しなければ残業をさせられません。
36協定書は毎年労働基準監督署に提出しなければなりません。
36協定で定めた残業時間を超える事情が起こる可能性があれば特別条項を
明記しましょう。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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時計の針はなぜ右回りなのか

 時計の針はふつう右回りである。左同りの時計もないではないが、それ
は特殊な時計で、ほとんどの時計は右回りである。では、どうして右回り
なのか。
 現在の時計(機械時計)は日時計がもとになったと思われる。北半球では
太陽は東から昇って南側を通り、西に沈む。いっぽう日時計の影(針)は
西→北→東というように右回りに移動する。南半球では太陽は東から昇り、
北側を通って西に沈むので、日時計の影(針)は西→南→東と左回りに移動
する。
 日時計がもとになっているのであれば、南半球では日時計の影(針)は左
回りに移動するから、左回りの時計があってもよさそうである。ところが
機械時計をつくったイタリア、オランダ、スイス、ドイツ、イギリスなど
の国々は、ともに北半球に位置している。北半球では日時計の影(針)は右
回りである。そこで、時計(機械時計)の針は右回りになったようである。

(話のネタ・雑学の本 幻冬舎文庫より)

では、また明日お会いしましょう!!

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