【今月の経営格言】三浦知良(プロサッカー選手)

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 【今月の経営格言】三浦知良(プロサッカー選手) 
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◆今月の経営格言
 『出場が10試合以下になったら、ゴールができなかった  
   から、という理由では引退しないと思います。毎日の  
   練習がきちんとできていたら、引退はしません』
   三浦知良(プロサッカー選手) 
   出所:「Sports Graphic Number(922)」
          (文藝春秋)
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冒頭の言葉は、
「情熱を持ち続けることが、自らを高めることにつながる」
 
ということを表しています。
2017年2月、50歳の誕生日にシーズン開幕戦を迎え、最年長出場
記録を更新。その後の3月には、自身の持つJリーグ最年長得点
記録を塗り替えたカズ。
カズの場合、ゴールを決めたことはもちろんですが、サッカー
という激しい運動量を求められるスポーツで、50歳になっても
プロとしてピッチに立ち続けていることが大きな尊敬を集めて
います。
しかし、本人は「50歳で現役」ということに対して、大きな
気負いはないようです。
カズが大切にしているのは、50歳という年齢やこれまでの実績
などではありません。カズの意識にあるのは、現在の自分が毎日
情熱を持ってサッカーに取り組めているか、試合に出るための
十分なトレーニングができているかという点です。
カズは日本のサッカー界をリードしてきたスター選手であり、
多くのサポーターに愛されています。
とはいえ、無条件に試合に出られるわけではなく、他の選手と
ポジションを争う立場です。特に、若い選手に交じって試合に
出るためには、入念な準備が必要です。地道に、きついトレー
ニングを継続しなければなりません。
また、カズの場合、自分を節制し、試合に出られさえすれば
よいと考えているわけではありません。それは、次の言葉に
表れています。
「40半ばくらいまでは自分が良いプレーできればいいと思って
  いたけど、最近はまた点を取らなくちゃいけないと変わって
  きている。点は関係ないと思う時期があったんです。自分が
  試合に出て、一生懸命やって良いプレーできればいいって。
  でもここ2~3年は、やっぱり出てゴールしたいっていう気持ち
  が強い」
カズがサッカーを始めたのは小学生の頃であり、人生の大半を
サッカーとともに過ごしてきました。キャリアを積む中で、トレ
ーニング方法、求められる役割、サッカーとの向き合い方など、
さまざまな変化があったものの、一貫して変わらない点があり
ます。それはサッカーに対する飽くなき情熱です。
小さなものも含めて、物事に変化はつきものであり、それに応じ
て取り組み方や向き合い方といったものも変えていく必要があり
ます。このように考えれば、物事を究める道に、終わりはないと
いう見方ができるでしょう。
とはいえ、カズのように長年一つの対象について、飽きや慢心も
なく情熱を注ぎ続け、ひたむきに取り組むというのは当たり前に
できることではなく、貴重なことです。
経営者は自社のビジネスに誇りを持ち、意欲や情熱を持って仕事
に取り組んでいます。しかし、経営者といえども、ビジネスを始
めた当初に比べて、強い意欲や情熱が感じられないなど、変化の
時期を迎えることがあるのではないでしょうか。
強い意欲や情熱が薄れている理由としては、自分の中に飽きや
慢心が生まれているのかもしれません。また、現在では、ビジ
ネス構造、働き方など、社会全体で従来型のやり方を大きく変え
るべき時期を迎えています。経営者が情報をキャッチし、考える
べきことは日々増え続けており、多忙な中でじっくりと自らの仕
事に対する意欲や、情熱に向き合う機会をつくることが難しいの
かもしれません。
仕事に対する意欲や情熱は、自らを支える大切な要素です。飽き
や慢心が大きくなれば、支えがぐらつくことになり、悪い意味で
自社のビジネスに影響することになります。重責を担うからこそ、
経営者は自らの仕事に対する意欲や情熱の変化について、誰より
も敏感になるべきです。
そして、仮に意欲や情熱が変化しているのなら、新規事業など
新しいことに挑戦する時期が来ているのかもしれません。意欲や
情熱が変化することは、決して悪いことだけではありません。ま
ずは、真摯に自らと向き合い、これまでの道を進み続ける意欲が
あるのか、新たな道に進むべきなのかを考えてみることが重要
なのです。
【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿
で記載している内容は作成および更新時点で明らかになっている
情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性や妥当性を
担保するものではありません。また、本文中では内容に即した
肩書を使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思わ
れるもののみを記載し、全てを網羅したものではありません。
【経歴】
みうらかずよし(1967~)。静岡県生まれ。15歳で高校を中退して
単身ブラジルに渡る。1986 年、『サントスFC』と最初のプロ契約。
帰国後も日本サッカー界をけん引する中心選手として活躍を続け、
現在、Jリーグ最年長選手として『横浜FC』に所属。
【参考文献】
「Sports Graphic Number(922)」
 (文藝春秋、2017年2月)
「Sports Graphic Number PLUS 20Anniversary」
 (文藝春秋、2000年7月)
「BOA SORTE KAZU | 三浦知良オフィシャルサイト」
 (三浦知良オフィシャルサイト)
(中川コメント)
 本日の記事は弊社が有料会員となっている「中小企業福祉事業団」の
ビジネスリポートの記事を転載しました。