【労働時間】部長が短時間勤務を申請してきたが給料はどうするのか

◆────────────────────────────────◆
 【労働時間】部長が短時間勤務を申請してきたが給料はどうするのか
◆────────────────────────────────◆
中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   Aさんについて相談です。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:Aさんは総務部長です。
   出産後、職場復帰をしています。
中川:そうですか。
社長:先日、育児短時間勤務としたいと申し出がありました。
中川:子育ては大変ですね。
社長:部長でも育児短時間勤務を与えなければならないのですか?
中川:管理監督者には与える必要はありません。
社長:では、ダメだと言います。
中川:あのう、なぜ管理監督者には育児短時間勤務の申し出に応じなくて
   よいか分かりますか?
社長:なぜですか?
中川:労働基準法での管理監督者は残業代や休日出勤などの賃金を
   払う必要がありません。
   逆に、早退や遅刻をしても給料は減額しません。
   つまり、管理監督者は自分で自由に労働時間を決めることができる
   のです。
   だから、育児短時間勤務をしなくても、必要に応じて出退勤を
   すればいいからです。
社長:そんなむちゃな。
中川:法律はそうなっています。
   ところで、いままで部長が遅刻や早退をした場合、賃金を控除して
   いましたか?
社長:それは当然です。
中川:社長が遅刻早退をした場合は役員報酬はカッとしていますか?
社長:そんなことはしていません。
   私は社長です。
   出退勤は関係ありません。
   社長としての仕事をちゃんとすれば、いいのです。
中川:そうですね。
   労働基準法でいう管理監督者とは経営者と同じような仕事なので
   残業代を払わなくても良いのです。
   休日出勤をしても払わなくても良いのです。
   それは社長と同じですよね?
社長:そうです。
中川:御社の総務部長は遅刻早退をしたら賃金カットになるのです。
   つまり、労働基準法でいう管理監督者ではありません。
   したがって、部長にも育児短時間勤務を与える必要があります。
社長:あのう、部長ですよ!
   部長は管理監督者でしょうよ。
中川:それは誤解です。
   労働基準法での管理監督者とは経営者と一体になって仕事をする
   人のことです。
   部長だからといって、即、管理監督者とはなりません。
社長:そうですか。
   分かりました。
(中川コメント)
労働基準法でいう管理監督者は産前産後休業は取得できますが、
育児休業、育児短時間勤務などは対象外となります。
管理監督者はそもそも出退勤は自由だからです。
多くの会社が部長は労働基準法の管理監督者として残業などを
支給していません。
その前提条件として、勤務時間が自由であることです。
勤務時間が自由であるということは、遅刻早退、欠勤しても
賃金カットはないことです。
そういう観点から管理監督者として扱うかどうかが決まります。