【遅刻】15分単位で労働時間を管理している場合は切り上げできるか？

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

発行者：　中川清徳 　2018年6月7日号 VOL.3894
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ブロードウエイ・ミュージカルを、TV中継できない理由

（続きは編集後記で）

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　【遅刻】15分単位で労働時間を管理している場合は切り上げできるか？
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結論：少しでも遅刻した場合に切り上げることは許されない

１．労働時間把握の単位

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下において労務を提供する
時間であり、使用者には、労働時間の適正把握義務がある（労基法108条）。

4.6通達においても、「使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者
の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること」とされて
いる。

ただし、4.6通達においては、労働時間の把握の時間単位は示されていない
が、労働時間は実労働時間数を把握するべきものと解される。

厳密に言えば１分１秒まで把握すべきだが、実際に秒単位まで把握すること
は極めて困難であるし、タイムカードでも分単位までしか記録できない
ことが通常である。

２．労働時間切り上げの問題点

表題のケースのように、実務では15分単位での労働時間管理が行われて
いることが見られるが、この管理にはやはり問題がある。
労働時間は、みなし労働時間制（事業場外みなし労働時間制や裁量労働制）
が採用されていない限り、実労働時間数を把握する必要があり、把握した
労働時間数に対応する賃金を計算して、全額を支払うことが求められる（労
基法24条1項「全額払いの原則」）。

したがって、少しでも遅刻した場合、例えば5分の遅刻を切り上げて
「15分の遅刻」と扱い、実際に勤務している10分について賃金を支払わない
という取り扱いは、全額払いの原則に反して違法となる。
通達（昭63.3.14基発150・婦発47) でも、「5分の遅刻を30分の遅刻として
賃金カットをするというような処理は、労働の提供のなかった限度を
超えるカット(25分についてのカット）について、賃金の全額払の原則に
反し、違法である」とされている。

もっとも、同通達では「このような取扱いを就業規則に定める減給の制裁
として、労基法第91条の制限内で行う場合には、全額払の原則には反し
ないものである」とされている。

（中川コメント）

5分遅刻をした場合は30分カットとか1時間カットとかすることは許され
ません。会社としては遅刻に対する懲罰の目的があるのですが、
それとこれは別です。

遅刻を5分したら5分分の賃金カットはOKです。
それとは別に就業規則違反として懲戒処分をします。
混同しないようにご注意ください。

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　　　　編集後記 　　　　　
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ブロードウエイ・ミュージカルを、TV中継できない理由

米国でテレビを見ていても、ブロードウエイで上演中のミュージカルを
見ることはできない。
テレビで放映されることは、まずありえないからだ。

アメリカ人は、テレビで見てしまうと、「いい作品だったけれど、テレビ
で見たから今度は別のステージを見に行こう」という考え方をする。
そのため、テレビ中継すると、客足がてきめんに落ちるのだ。

テレビ中継が宣伝にならないお国柄なのである。

一方、日本では新劇、新派や歌舞伎の舞台が、
テレビでよく中継されている。
日本人はテレビで見た舞台に感動すると、今度は本物を見たくなるからで
ある。
だから、テレビ中継がマイナスになることはない。

ちなみに、ブロードウエイ発の舞台は、日本国内での上演でも、テレビ
中継できないことが多い。
森繁久弥主演の『屋根の上のバイオリン弾き』は1000回以上も公演された
が、ついにテレビ中継はされなかった。
それが、日本で上演するときの契約条件のひとつだったのである。

（雑学全書　光文社刊より）

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