[労働時間]　出張中はどこまでが労働時間や休日労働となるのか

●　オーナー会社のための「役員・幹部の賃金の決め方」セミナー
　　受講料　28,000円

[東京]　https://nakagawa-consul.com/seminar/045.html
[日時]　4月22日(水)　13時30分～16時30分

[Web]　 https://nakagawa-consul.com/seminar/045_web.html
[日時]　4月20日(月)　13時30分～16時30分
Webセミナーはご希望により日程調整が可能です。

☆★☆――――――――――――――――――――――――――――――
社長、上司が「あの人はすごい！」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

発行者：　中川清徳 　2020年3月10日号              VOL.4428
―――――――――――――――――――――――――――――――――

ピカピカ運動

（続きは編集後記で）

―――――――――――――――――――――――――――――――――
[労働時間]　出張中はどこまでが労働時間や休日労働となるのか
―――――――――――――――――――――――――――――――――　　　

１．労働時間の定義

労働基準法（以下、労基法）上の労働時間とは、労働者が使用者の
指揮命令下に置かれている時間をいい、労働時間に該当するか否かは、
労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することが
できるか否かにより客観的に定められる（三菱重工業長崎造船所事件
最高裁一小平12.3. 9判決）。

事業所内で所定労働時間帯に業務に従事している時間が労働時間に
該当することは当然であるが、前掲判例によれば、所定労働時間外の
業務の準備行為等であっても、当該行為を事業所内で行うことを
義務づけられ、または余儀なくされたときは、特段の事情のない限り
指揮命令下に置かれたものと評価でき、社会通念上必要と認められる
範囲で労働時間とされる。

このように、ある時間が労働時間に該当するか否かは、当該時間が
客観的に使用者の指揮命令下に置かれているかどうかによって
判断される。

２．出張中の移動時間の労働時間該当性

それでは、出張の場合、出張先への移動時間は労働時間に当たるの
だろうか。これは、移動時間中の行動の拘束性や、使用者の
支配管理がどの程度及んでいるかといった事情から、当該時間に
ついて使用者の指揮命令下に置かれていると評価できるかを
個別具体的に検討して判断することとなる。

ただし、出張時の移動時間の取り扱いに関しては、休日労働に関しての
ものではあるが、通達によって「出張中の休日はその日に旅行する等の
場合であっても、旅行中における物品の監視等別段の指示がある
場合の外は休日労働として取扱わなくても差支えない」と一定の
方向性が示されており参考になる。

これに従えば、出張中の移動時間は、労働時間との関係でも、
休日労働との関係でも、原則として労働時間として取り扱う必要は
ない。出張先での打ち合わせや商談等、出張先での用務に現実に
従事した時間のみを労働時間とすれば足りる。

３．例外的に移動時聞が労働時間となる場合

以上のとおり、移動時間は原則として労働時間に該当しないが、
例外的に使用者の指揮命令が及んでいると評価できる場合は、
労働時間や休日労働として取り扱わなければならない。
そのような場合としては、例えば次のようなものが考えられる。

まず、前掲通達でも示されているように、
(1)移動中の物品の監視等を指示されている場合には、物品を
　出張先まで運搬すること自体が業務というべきであり、
　移動時間中は労働から解放されているといえないため、
　労働時間として取り扱うべきである。
(2)移動時間中に打ち合わせ等の業務を行った場合も、その打ち合わせ
　等の時間は、社内で行った場合と同様労働時間に当たることは
　言うまでもない。
(3)移動時間中に出張先用務のための資料作成を行わざるを得なかった
　場合も、資料作成について黙示の業務命令があったと評価できる
　から、この資料作成に要した時間は労働時間というべきであろう。
 

(中川コメント）

出張のための移動時間は労働時間ではありません。
通勤と同じ扱いなので、賃金を払う必要はありません。

─────────────────────────────────
●　パワハラ・セクハラ撲滅セミナー　受講料　24,000円（税別）
[Web] 　https://nakagawa-consul.com/seminar/088_web.html
　　　　3月17日(火)　13時30分～16時30分　
     　　Webセミナーはご希望により日程調整が可能です。
　　　　 メールでご相談ください。

◆─────────────────────────────────◆
　　　　編集後記 　　　　　
◆─────────────────────────────────◆

ピカピカ運動

目標値と関連してこんな事を聞く事があります。
"ピカピカ5S"などと称して、工場内の床面をワックスなどをかけて
ピカピカに光らせるような運動を会社を挙げて実施しているという
例です。このような5S運動はしっかりとお金が掛かります。
私はこういう事は金余りによる一種のバブルであって、現在のような
低成長の時代に、一体何の付加価値があるのかと思います。
はたしてこれによって見えるようになるムダがあるのでしょうか。

私はいつも冗談で、ピカピカにして社員が転倒して怪我でもすれば
むしろ安全上の問題になるでしょう、と言っているのです。

5Sという言葉だけが、目的や目標値を置き去りにして一人歩きしている
ケースがどこの職場にも多いように見受けられるのです。
何故こんな事になってしまうのかと言えば、ほとんどの場合、
その会社として5Sを行うための目的が何であるかを社内の誰にも示さず、
"5Sを重点的に行う事"などと言って実施しているからなのです。

要するに、言いたい事は、5Sの目的はムダ取りをやりやすくする事に
あるのだ、という事を念頭に置いて取り組まなければ駄目だという
事なのです。

したがって、結論は"儲かる5Sをやれ" という事です。
"5Sをやれば儲かるようになる"　"5Sの悪い職場は宝の山"であると
いう事です。

５ゲン主義　５Ｓ管理の実践　古畑友三著　日科技連

――――
―――――――――――――――――――――――――――――
[著書紹介]「小説やらまいか　豊田佐吉傳」　北路透（きたみちとおる）著
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4800912148/ref=ppx_yo_dt_b_asin_title_o00_s00?ie=UTF8&psc=1

◆─────────────────────────────────◆
　　　　ご注意 　　　　　
◆─────────────────────────────────◆
このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合があります。
むつかし法律条文をわかりやすく説明するために正確な表現を
犠牲にしています。正確な情報を記載しょうとすれば、お役所の文書と
同じになります。結局わかりにくい記事になり、役に立ちません。
正確な情報を期待される方には、その期待にお応えできません。
このメルマガを解除してください。
このメルマガ記事による損害賠償には一切応じられないことを申し添えます。

◆─────────────────────────────────◆
メールマガジン社長、上司が「あの人はすごい！」といわれるピカイチ情報

☆発行責任者　有限会社中川式賃金研究所　所長　中川清徳
☆公式サイト　http://nakagawa-consul.com
☆問い合わせ　info@nakagawa-consul.com
☆バックナンバー　http://archive.mag2.com/0000283000/index.html
☆登録・解除　http://www.mag2.com/m/0000283000.html　　　　 
◆─────────────────────────────────◆