[労働安全衛生法] 社員が守らない場合は本人責任でよいか

[セミナーのご案内]
「オーナー経営者を守るための「役員報酬・退職金の見直し方」
[東京] 6月03日(水)13時30分~16時   受講料2万円(税別)
https://nakagawa-consul.com/seminar/078.html
☆★☆―――――――――――――――――――――――――
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳  2020年3月26日号          VOL.4444
――――――――――――――――――――――――――――
人生に連戦連勝はない
(続きは編集後記で)
――――――――――――――――――――――――――――
労働安全衛生法] 社員が守らない場合は本人責任でよいか
――――――――――――――――――――――――――――
中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   当社は高所作業があります。
   それで命綱をつけて作業をしなければなりません。
中川:そうですね。
社長:Aさんが命綱をつけないので困っています。
中川:だったら作業をさせなければいいではないですか。
社長:そういわれてもAさんは腕のいい職人なのです。
   Aさんがいなければ困ります。
中川:だったら命綱をつけるように命じればいいでしょう?
社長:社長の私が現場を見回っているときは命綱をつけるの
   です。
   しかし、私がいないとほとんど命綱をつけなていない
   ようです。
中川:どうしてつけないのですかね?
社長:作業がやりにくいからです。
   分からないでもないのですが、もし墜落したら重大な
   労災になりかねません。
中川:何が何でもつけさせなければなりませんね。
社長:Aさんは墜落したら自己責任だからと言っているよう
   です。
   念書を会社に出してもいいと言っているようです。
   会社に一切迷惑をかけないからと。
   それで聞きたいのですが、本人が念書を出したら
   自己責任だから会社は責任がないと言えますか?
中川:会社責任があります。
社長:でも、本人は会社に迷惑をかけないという念書をだす
   のです。
   本人が覚悟のうえですから、それ以上会社に責任を
   追及されるのはおかしいと思います。
中川:労働安全衛生法は労働基準法から派生した法律です。
   だから労基法と同じなのです。
社長:といいますと?
中川:労基法は契約の自由は労基法の範囲内です。
   つまり、本人が会社と契約をするのが自由であっても
   労基法は守らなければなりません。
社長:はあ...。
中川:たとえば、残業代なしで1日10時間働いてもOKですと
   本人が申し出ているし、それで雇用契約を結んだとして
   も、労基法では8時間を超えたら残業代を払わなければ
   なりません。
   つまり、本人がいくらOKとしても、違法となります。
社長:命綱をつけることが労働安全衛生法に書いてあるから
   本人が「命綱をつけないで墜落をしたら会社に責任を
   及ぼさない」といってもダメだということですね?
中川:そうです。
社長:うーん。
   Aさんに命綱をつけさせるにはどうしたらいいですか?
中川:繰り返し注意することです。
   場合によっては懲戒処分をするくらい強い姿勢で臨みま
   しょう。
社長:うーん、上司はAさんが強面(こわもて)するので注意
   しづらいのです。
中川:では、他に方法がありますか?
社長:うーん。
   私が強く指導します。
中川:それがいいですね。
   社長の前では命綱をつけているのですから、社長の
   指導には従うでしょう。
社長:でも、ずーとAさんを監視しているわけにはいきません。
中川:であれば、上司とAさんに当日の仕事内容を報告させる
   ときに、命綱をつけたかどうかも加えたらどうですか?
社長:なるほど。
   それなら効果があるかも。
(中川コメント)
 労働安全衛生法は労働者への安全配慮義務を求めています。
労働者に故意や過失があったとしても会社責任は免れません。
命綱をつけないのは自己責任であると放置すると会社は責任を
とらされます。
――――――――――――――――――――――――――――
● 社員と、もめごとを起こさない就業規則の作り方セミナー  
  38,000円(税別)
 
[Web] https://nakagawa-consul.com/seminar/005_web.html
    5月26日(火)10時~16時30分
      Webは、日程が合わない場合は上記ページ末より
    調整ができます
――――――――――――――――――――――――――――
    編集後記      
――――――――――――――――――――――――――――
人生に連戦連勝はない
昔の武士の言葉に、「勝つことばかり知って負けることを
知らないと、悪いことが起こる」というものがある。
どんな戦いにおいても、それに臨む者が勝利を期待するのは
当然だが、万が一期待したような勝利を得られない場合にどう
するかということをあらかじめ覚悟して決めておくことが
大切だ。
どんな国の歴史においても、また、どんな勇将の人生において
も、連戦連勝するなどということは決してなかったのだから。
(新渡戸稲造の言葉 三輪裕範翻訳  ディスカヴァー刊より)
――――――――――――――――――――――――――――――
DVD版セミナー  「介護と仕事を両立させる介護離職を防止する実践セミナー」  
 価格 1.5万円(税別)
 → https://nakagawa-consul.com/cd-dvd/dvd-20.html
◆────────────────────────────◆
    ご注意      
◆────────────────────────────◆
このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合があります。
むつかし法律条文をわかりやすく説明するために正確な表現を
犠牲にしています。正確な情報を記載しょうとすれば、
お役所の文書と同じになります。結局わかりにくい記事になり、
役に立ちません。
正確な情報を期待される方には、その期待にお応えできません。
このメルマガを解除してください。
このメルマガ記事による損害賠償には一切応じられないことを
申し添えます。
◆────────────────────────────◆
メールマガジン
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
☆発行責任者 有限会社中川式賃金研究所 所長 中川清徳
☆公式サイト http://nakagawa-consul.com
☆問い合わせ info@nakagawa-consul.com
☆バックナンバー http://archive.mag2.com/0000283000/index.html
☆登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000283000.html     
◆────────────────────────────◆