[賃金] 月80時間分の固定残業制を無効と判断

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人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳  2020年12月2日号 VOL.4694
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「利益」「収入」「収益」・・・何が違う?
(続きは編集後記で)
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[賃金] 月80時間分の固定残業制を無効と判断
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基本給23万円のうち8 万8000円を、80時間分の時間外勤務に
対する割増賃金とする固定残業代の定めの有効性が裁判と
なった。
毎月の給与明細には当月の時間外労働時間数を明記していた。
しかし、過労死認定基準である月80時間分の時間外労働を想定した
固定残業代の定めは、実際上も月80時間程度の時間外労働が常態
化していたことからすると、公序良俗違反として無効と判断された。
(中川コメント)
本日の記事は、イクヌーザ事件(東京高裁平成30. 10. 4)を参考に
しました。
法改正より、労基法上、時間外労働の上限が原則月45時間・年360
時間となったこと、特別条項の有無にかかわらず、1年を通じ常に
時間外労働と休日労働の合計は、月100時間未満、2~6か月
平均80時間以内にしなければならなくなったからだど推測します。
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[題名] 半日版 就業規則の作り方 セミナー
[配布] レジメ89ページ 資料120ページ
[講師] 中川清徳(中川式賃金研究所 所長)
[料金] 24,000円(税別) 人数不問
[日時] 12月11日(金) 13時30分~16時30分(3時間)   
 1月14日(木) 13時30分~16時30分(3時間)     
[申込] https://nakagawa-consul.com/seminar/005_web.html
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編集後記      
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「利益」「収入」「収益」・・・何が違う?
「利益」と「収入」と「収益」の違いとは何だろうか。
まるで国語の問題のようだが、この3者は似て非なるものだ。
まず、利益を式で表すと「利益=収益ー費用」になる。
収益とは売上高のことで、費用は仕入れや給料などの経費のことだ。
たとえば、1000万円を売り上げるのにかかった経費が600万円
だったとしたら、利益は400円になる。
つまり、利益は「儲け」とイコールと考えていい。
一方で、収入とは他者から得たお金のことで、会社から支払われた
給与などは収入にあたる。ただし、これは必要経費や所得控除を
差し引く前の額なので、収益と同じと考えてもいい。
では、収入と収益がなぜ区別されているのというと、それは収入が
実際にお金のやり取りがあった場合のことをいうのに対して、
収益は必ずしもその場でお金のやり取りがあるわけではないからだ。
たとえば、商売では納品しても現金払いされることは少ない。
実際の支払いは翌月以降になることが多いのだが、それでも納品
した時点で収益として帳簿に計上されるのだ。
そのため、帳簿上では黒字を出しているのに実際には現金がなくて
運転資金のやり繰りができず、いわゆる黒字倒産することも
ありえるのである。
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