新ルール適用後の生命保険の活用方法と社内規程整備のポイント
☆★☆―――――――――――――――――――――――――――――――
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る
作者: 中川清徳 2020年12月28日
◆─────────────────────────────────◆
◆日本講演新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」
水谷もりひと
(続きは編集後記で)
◆─────────────────────────────────◆
[双方向Webセミナー]全国どこでもあなたの席がセミナー会場に!
[題名] 新ルール適用後の生命保険の活用方法と社内規程整備のポイント
[講師] 濱田勝則(社会保険労務士・プルデンシャル生命)
[日時] 2月19 日(金)13時30分~16時30分
[料金] 20,000円(税別)
[申込] https://nakagawa-consul.com/seminar/080_web.html
ご希望により日程変更が可能です。
メールでご相談ください。
◆─────────────────────────────────◆
生命保険の契約者変更は、利益相反取引です
(濱田勝則のメルマガアーカイブより)
~法人契約の契約者を取締役へ変更する行為に伴うリスク~
大変お世話になっております。プルデンシャル生命保険の濱田勝則です。
今回のメルマガでは、「生命保険の契約者変更は、利益相反取引です」を
ご案内致します。保険会社の営業マンや税理士から「法人契約の生命保険を
個人契約へ変更するプランを勧められた」、「解約返戻金が少ないうちに
会社から生命保険契約を買い取る方法がある」など、これらの当否に関す
るご質問を受ける機会が少なくありません。これらの生命保険の活用手法
は、俗に名義変更プランとも言われているようです。
今回は、生命保険の法人契約を当該法人の取締役へ契約者変更することに
伴うリス クについて解説致します。
皆様のお役に立てば幸甚です。
■「生命保険の契約者変更」
濱田勝則が講師を務めるセミナーのご参加者等から、保険会社の営業マン
や税理士から「法人契約の生命保険を個人契約へ変更するプランを勧めら
れた」、「解約返戻金が少ないうちに会社から生命保険契約を買い取る方
法がある」など聞いたが、本当に大丈夫なのか?というようなご質問を受
ける機会が少なくありません。
将来、法人契約の生命保険の契約者を、当該法人の取締役へ変更すること
を前提として契約する生命保険の活用手法は、俗に名義変更プランなどと
も呼ばれているようです。
■「税法と会社法上の2つのリスク」
多くの場合に、将来法人から取締役へ名義変更することを前提に生命保険
を契約する行為のメリットは、解約返戻金額が少ないうちに、取締役が同
額で会社から生命保険契約を買い取り(名義変更する)、取締役名義と
なった後に解約返戻金額が増えた時点で解約し、取締役個人の所得にする
ものと説明されているようです。
法人契約の生命保険の価値は、解約返戻金額であると前提しているわけで
す。
しかし、法人契約の生命保険の価値を解約返戻金相当額であると明確に
規定している法令や通達は存在しません。
一方、会社法(会社法第356条・365条)では、取締役の行為の規制とし
て、取締役が会社から財産を譲り受けるような取引を行う場合には、会社
の承認を必要とする事を規定しています。
こうした取引は、利益相反取引と呼ばれています。 法人名義の生命保険
を取締役に変更する行為は、会社法で規制する利益相反取引に該当するわ
けです。
会社の承認がない名義変更は、法違反となり、当該変更は無効とされます。
■「リスク1 法人を契約者とする生命保険契約の評価は、解約返戻金額
か?」
法人契約の生命保険の価値を解約返戻金相当額であると明確に規定してい
る法令や通達が存在しない事については前述したとおりです。
名義変更時点での解約返戻金額を当該契約の評価額とし、その価額で法人
から買い取る(名義変更する)という評価に関する考え方は、一見合理的
であるようにも思います。
しかし、一般的に名義変更時点までに当該契約に対して法人が支出してき
た保険料額は、解約返戻金額を上回ることが多く、また保険商品によって
は契約から一定期間は解約返戻金額が意図的に低く抑えられているものも
あります。
このように法人が支出してきた保険料と解約返戻金額が大きく異なる場合
は、当該契約の評価を解約返戻金額と考えて良いものでしょうか?
当メルマガでは、この点についての当否に及びませんが、こうした場合の
評価は、「法人が保険料を支払う過程で資産として計上されてきた金額と
すべき」と指摘する専門家もいるようです。
保険料の経理処理方法や契約の評価方法などは、幾多の変遷を重ね、課税
当局といわゆる「いたちごっこ」のような歴史を繰り返しています。こう
した名義変更時の評価方法に係る新たな法令や通達が発出されることによ
り、「当初の思惑」通りにいかなくなってしまった・・・なんてトラブル
にならないことを祈るばかりです。
■「多額の雑損失が生じる場合もある」
法人契約に関する解約返戻金や保険料の経理処理方法は、法令や通達に従
うことになりますが、その方法は商品や契約期間等によって異なり、複雑
といえます。
法人向け商品の中には、契約から一定期間(「低解約返戻金期間」等と呼
ばれています)は、解約返戻金額が意図的に低く抑えられているものもあ
ります。こうした契約を低解約返戻金期間に名義変更すると、その時点ま
でに法人が支出してきた保険料額と解約返戻金額との乖離幅が大きくなり、
名義変更時に会社側に多額の雑損失が生じる場合があります。
税務調査等があった際には、こうした一連の名義変更の際に生じた多額の
雑損失などを、課税当局にどのように合理的に説明すればよいのでしょう
か?
同族会社の行為計算否認(法人税法132条)の認否に及ぶ可能性を危惧し
ます。
■「名義変更に関する監視体制の強化」
一定の保険金や満期保険金、解約返戻金が支払われると生命保険会社から
税務署へ「支払調書」が発行されます。
平成27年度の税制改正にて、平成30年1月1日以後の支払調書には、契約者
に関する情報(保険金等の支払時の契約者の払込保険料等)が記載される
ことになりました。
名義変更そのものを規制するものではありませんが、課税当局の監視体制
が強化されているものといってよいでしょう。
■「リスク2 取締役の利益相反取引規制(会社法第356・365条)」
名義変更時の税務上のリスクについては前述したとおりですが、名義変更
には、会社法上の規制と関連リスクがあることを忘れてはいけません。
法人契約の生命保険の契約者を取締役へ変更する行為は、利益相反取引と
して会社法の規制を受けることになります。
会社の重要な資産を取締役に譲渡することは、会社に損害を及ぼし、株主
や債権者といったステークホルダーの利益を損ねる恐れがあるので、会社
法はこうした取引を利益相反取引として規制しています。
相当な保険料を支出した法人契約の生命保険を取締役に譲渡(名義変更)
することは、会社に損害を及ぼし、株主や債権者の利益を損ねる可能性が
ありますね。
■「名義変更は、株主総会又は取締役会の承認が必要」
こうした名義変更(利益相反取引)を行う際は、取締役会設置会社におい
ては当該取締役会の、取締役会非設置会社においては株主総会の承認が
必要です。
また、名義変更により生命保険契約を譲り受ける取締役は、特別利害関係
人に該当し、取締役会において議決権を行使することはできず、また株主
総会において議決権を行使したとしても決議取消の訴えの事由になる場合
があるので注意が必要です。
そして、取締役会または株主総会の承認の無い名義変更は無効です。
■「会社に対する損害賠償」
名義変更について取締役会の承認後には、取引行為を行った取締役は遅滞
無く、その取引につき重要な事実を取締役会に報告をしなければなりません。
この報告は、名義変更(利益相反取引)を承認どおりに行ったかを早期に
確認し、仮に会社に損害が生じた場合に責任追及の適切な事後措置をとる
ことを可能にするために義務付けられているものです。
また、利益相反取引規制では、会社に対する損害賠償として、株主総会ま
たは取締役会の承認の有無を問わず、会社に損害が発生したときは、当該
取引を行った取締役のほか、取引を決定、承認決議に賛成または意義をと
どめなかった取締役は、任務を懈怠したものとする推定規定があります。
任務懈怠がなったことを主張・立証しなければ責任を免れることはできま
せん。
■「取締役会や株主総会の議事録」
ご存知のとおり、取締役会や株主総会の議事については、原則、議事録を
作成することが必要です。当然、これまで述べてきた名義変更(利益相反
取引)についても決議成立を記録として残す必要があります。
原則、取締役会議事録には、決議に参加した取締役等の署名または、記名
押印が必要であり、民事訴訟においては証拠(証書)となるものです。
また、裁判で取締役の業務執行の責任追及がなされる場合は、裁判官の事
実認定や帰責事由の認定等に際しての心象形成に影響を及ぼします。
税務上の観点からも、後日の税務調査等があった場合に備えて、適正手続
の過程を記録として残しておく事は大切かもしれませんね。
しかし、名義変更の理由を合理的になんと説明すれば良いのでしょうか
ね・・・?
濱田勝則が講師を務める「新ルール適用後の生命保険の活用方法と社内規
程整備のポイント」セミナーでは、今回特集した記事を詳しくご説明して
いますので、よろしければどうぞご参加下さい。
[双方向Webセミナー]全国どこでもあなたの席がセミナー会場に!
[題名] 新ルール適用後の生命保険の活用方法と社内規程整備のポイント
[講師] 濱田勝則(社会保険労務士・プルデンシャル生命)
[日時] 2月19 日(金)13時30分~16時30分
[料金] 20,000円(税別)
[申込] https://nakagawa-consul.com/seminar/080_web.html
ご希望により日程変更が可能です。
メールでご相談ください。
※このご案内に記載の情報は法律上又は税務上の助言ではありません。
このご案内をもって専門家の助言に代えることはできません。
※このご案内は、2019年10月現在の税制・法令に基づいています。
今後、制度内容が変更される場合があります。
◆法人契約の保険料経理処理に関するルールが大幅に見直されました。
新ルールの内容と今後の生命保険の活用方法を目的別にお伝えします。
◆役員、従業員を被保険者とする法人契約の様々なトラブルを予防するため
の社内規程等の作成ポイントをできる限りわかりやすくお伝えします。
このセミナーでは、一般に複雑で分かりづらいと言われている生命保険のキ
ホンやその取扱税務をはじめ、その活用に伴う社内規程の整備の仕方につい
てお伝え致します。
[講師] プルデンシャル生命保険(株)多摩支社
ライフプランナー濱田勝則
【国家資格等】
社会保険労務士(神奈川県社会保険労務士会登録)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1級DCプランナー(企業年金総合プランナー)
M&Aシニアエキスパート
[HP] 講師ホームページ
[申込] https://nakagawa-consul.com/seminar/080.html
詳しくは(セミナー申し込みもできます)
または、下記にご記入のうえ、そのまま返信しても申込みが可能です。
********************************************************************
新ルール適用後の生命保険の活用と社内規程整備のポイントセミナー
申込み書
希望日 月 日 設定以外の日程のお申し込みが可能です
社 名
役職名
氏 名
郵便番号
所在地
電 話
********************************************************************
(中川コメント)
お申し込みをお待ちしております。
◆─────────────────────────────────◆
[題名] 新ルール適用後の生命保険の活用方法と社内規程整備のポイント
[講師] 濱田勝則(社会保険労務士・プルデンシャル生命)
[日時] 令和 2年 7月13 日(水)13時30分~16時30分
http://mylp.prudential.co.jp/lp/page/katsunori.hamada
[料金] 20,000円(税別)
[申込] https://nakagawa-consul.com/seminar/080.html
上記は東京のセミナー会場の表示になっていますが
そのままお申し込みをされれば、Webセミナーのご案内をします。
◆─────────────────────────────────◆
◆─────────────────────────────────◆
編集後記
◆─────────────────────────────────◆
◆日本講演新聞・魂の編集長の「ちょっといい話」
水谷もりひと
コロナ禍の「禍」という字は「災い」という意味です。確かに「災い」には
違いないのですが、みんながみんな、そのネガティブなムードの中で
暮らしているのかというとそうでもなく、あちこちで「コロナのおかげで」
という逆転の発想をしている人の話をよく聞きます。
僕の友人に杉浦貴之というシンガーソングライターがいます。
がんサバイバー(元がん患者)の彼は、全国各地でいのちのライブ活動を
開催しているのですが、今年はオンラインライブで頑張っています。
そんな彼に愛知県岡崎市の森本広子さんがポロっと「我が家でホーム
ライブをしてくれませんか?」と呟きました。
杉浦さん、「もちろんです」。即答でした。
広子さんが企画したのは夫である伸幸さん(六十四)の「生還二十周年
祝賀会」でした。
伸幸さんは二十年前の交通事故で頚椎損傷して首から下の機能を失いました。
それでもこの二十年、明るく、懸命に生きてきた。
だから家族でお祝いしてあげたいというのです。
だけど、コロナ禍で旅行も行く気がしないし、ご馳走を食べても太るだけ。
それより伸幸さんが大好きな杉浦さんの魂の歌をプレゼントしようと
思ったのです。
そこで杉浦さんはオンライン・ホームライブを提案しました。
そのことで今までお世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えられるし、
伸幸さんの元気な姿も見せられます。
一九九六年、森本さんは会社の人事でアメリカ支社に移動になり、
家族でロサンゼルスに赴任しました。アメリカの生活にも溶け込み、
仕事もプライベートも充実していた翌年の春、首の下に妙なしこりを
見つけました。
病院に行くと、「悪性リンパ腫」と告げられ、すぐ闘病生活となりました。
手術、抗がん剤治療が始まりました。副作用でムーンフェイスと
スキンヘッドになりました。その時の黒のサングラスはとても迫力が
あったそうです。
伸幸さんは言います。「アメリカの病院ってとても陽気なんです。
誰も私を『かわいそう』とか『お気の毒に』なんて思いません。
『今生きているんだから今を楽しもう』という雰囲気があるんです」
その陽気さも手伝って病状は回復し、気が付いたらアメリカ在住も四年。
そして本社から帰国の辞令が出ました。
帰国一週間前、「送別会がわりに」と友だちから誘われ大好きな
ツーリングに出掛けました。そこで事故に遭いました。
先に帰国していた広子さんは再びアメリカへ。伸幸さんも今回ばかりは
陽気な気分ではいられません。一生車いす生活です。「情けない
人間になった」と落ち込みました。
そんな伸幸さんを救ったのが日本から駆け付けた広子さんでした。
伸幸さんが「こんな体になってしまった。ごめん」と謝ると、
広子さんは一言、「楽しむために遊びに行ったんでしょ。だったら
いいじゃない。何とかなるわよ」
伸幸さんは当時を振り返ります。「あれから二十年、本当に何とか
なった。何とかなり過ぎて、息子たちにもいい嫁さんが来てくれ、
孫も六人になった」と。
入院中、やっぱりアメリカの病棟は明るかったそうです。
リハビリ中も森本さんが少しでもできなかったことができるように
なるとナースたちは大喜びではしゃぐ。
その楽天的な病棟の雰囲気に笑顔を取り戻した伸幸さんでした。
その後、帰国し、日本の病院に入院しました。そこでは「お気の毒に」と
か「何て声を掛けていいか分からない」とか「病室で笑うなんて不謹慎」
なんて雰囲気があったそうです。
さて、退院する時がきました。車いすで外に出ることに抵抗が
あった伸幸さん。「昔の自分を知っている人とは会いたくない」、
そんな気持ちがありました。しかし広子さんがあちこち外に引っ張り
出します。
ある時、生まれつき障がいのある男性にこう言われました。
「森本さんはいいですね。羨ましです」と。「何がですか?」と
尋ねると、「僕は生まれつきの障がい者です。それでも人生を楽しんで
います。森本さんは今まで健常者でした。これからは障がい者です。
二つの人生を楽しめるんですからね」。その言葉で伸幸さんは
吹っ切れました。これからこの体で人生を楽しもうと決めました。
そしたら、今まで出会ったことのない人たちと、しかも楽しんで
生きている人たちと出会うようになり、仕事もプライべートも
充実した二十年だったそうです。
今回、オンライン・ホームライブのおかげでアメリカでお世話に
なった人たちにも感謝を伝えることができました。
「これもコロナのおかげです」と伸幸さんは言います。
杉浦貴之さんの『大丈夫だよ』という曲の中にこんな歌詞があります。
大丈夫だよ~ 大丈夫だよ~
二十年後の君は とてもとても幸せだから
ほら、僕の顔を見てごらん♪
(プチ紳士からの手紙 より http://giveandgive.com/)
◆─────────────────────────────────◆
ご注意
◆─────────────────────────────────◆
このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合があります。
むつかし法律条文をわかりやすく説明するために正確な表現を
犠牲にしています。正確な情報を記載しょうとすれば、お役所の文書と
同じになります。結局わかりにくい記事になり、役に立ちません。
正確な情報を期待される方には、その期待にお応えできません。
このメルマガを解除してください。
このメルマガ記事による損害賠償には一切応じられないことを申し添えます。
◆─────────────────────────────────◆
メールマガジン社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
☆発行責任者 有限会社中川式賃金研究所 所長 中川清徳
☆公式サイト http://nakagawa-consul.com
☆問い合わせ qwk01012@nifty.com
☆バックナンバー http://archive.mag2.com/0000283000/index.html
☆登録・解除 http://www.mag2.com/m/0000283000.html
☆Facebook http://www.facebook.com/profile.php?id=100003506067345
◆─────────────────────────────────◆