あんた、宝くじの番号って、ど うやって当たりが分かると思う?
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[内容] ガラッと賃金一新セミナー2022版
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[講師] 中川清徳 中川式賃金研究所所長
[価格] 26,400円(税込)
[日程] 9月 6日(火) 13時30分~16時30分(3時間)
10月4日(火) 13時30分~16時30分(3時間)
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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳 2022年8月17日 VOL.5319
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”再倒産”招く本業の収益力低下
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あんた、宝くじの番号って、ど うやって当たりが分かると思う?
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ある民家の補修工事中、屋根から墜落した労働者が重症を負った
労災事故がありました。足場等の墜落防止措置が講じられておら
ず、施工した工務店の事業主を労働安全衛生法違反で送検しま
した。
その事業主から事情聴取を行っていた時の話です。
事業主は田舎の気のいい老大工といった人物でした。
監督署の取調室で供述調書を作成中、事業主の携帯電話が鳴り始め
ました。知り合いの業者とのことだったので、手短になら、と通話
を許可しました。事業主は金額や日時の話をしていました。
通話が終わると彼は、「あんた、宝くじの番号って、ど うやって
当たりが分かると思う?」と私に尋ねました。何のことか逆に
尋ねると、今通話していた業者の話を始めました。
業者は東京の情報会社で、「情報料を払ってくれたらロト6の当選
番号を教えます」、「当選番号を教えるので明日の朝刊で確認して
下さい」と言われたので新聞を見たら確かに当選していたので、
信用して数万円の情報料を銀行振込した、とのことでした。
また、今かかって来た内容は「明日までに数十万円の追加料金を
振込すれば、より高額くじの番号を教える」という内容でした。
「それって詐欺じゃないですか?」と私が言うと「やっぱり、そう
思うかね」と彼は答えました。
私は聴取を早々に切り上げ、今すぐ警察署に相談に行くよう促しま
した。
数日後、再来署した事業主によれば「これは詐欺の手口である」、
「何回も振込した人もいるが、早く気付いたのでまだ良かった」
等と、警察の担当者に言われたそうです。
宝くじの当選番号はインターネットで公表後、翌日の朝刊に掲載さ
れるのですが、ネット公表後すぐに「当選番号を知っている」と
高齢者に電話をかけるという詐欺が当時横行しており、彼はその
被害に遭ったのでした。
その日の聴取を終えてから「うまい話は気をつけんといかんな」
「あいつ(被災労働者)のことも、詐欺のことも、普段から気を
つけてなかったから、こんなことになるんだな」
と静かに語る事業主の表情は今も忘れられません。
釣井拓哉矢氏
平成5年労働基準監督官任官。大阪局、徳島局を経て、平成13年
から新潟局勤務。令和4年4月から現職(新潟県三条市労働基準監
督署長)。
2022.8.21 労働基準広報「わたしの監督雑感」より抜粋
(中川コメント)
本人が宝くじを買えば大金持ちになるはずなのになぜ?と
気づくことがポイントですね。
うまい話は言葉巧みに近寄ってきますから、気をつけましょう。
オレオレ詐欺は自分はだまされないと思っているのにだまされる
事件が多いです。
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編集後記
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”再倒産”招く本業の収益力低下
2009年末、時限立法の中小企業金融円滑化法が施行されました。
企業からの要望があれぱ、返済猶予(リスケジュール)などの
条件緩和に努めることを金融機関に課すもので、これにより倒産
件数は劇的に減っていきます。
延長を繰り返した末に、13年3月末で同法は期限を迎えますが、
その後も倒産件数は減少を続けました。政府が[金融円滑法の終了
後も、その精神は残るJ とリスケに応じることを金融機関に求めた
からです。「同法の登場以降、企業倒産は不況期に増える、とい
う常識は完全に変わった」(東京商エリサーチ)。
さかのぼること00年には民事再生法が制定され、一方で法的整理に
至る前の私的整理も広まるなど、業績不振の中小企業を支援する
体制は整ってきています。
そんな中で私たちが注目したのは、”再倒産“です。
民事再生法による再建に失敗し、自己破産したり、再び民事再生法
の適用を申請したりする企業が近年目立つようになりました。
一度会社を倒産させた経営者が別の会社を興して再起したものの、
再び倒産を繰り返すケースもあります。
再倒産が増えたのは、民事再生法が施行された頃と状況が変わった
からです。施行当初に民事再生法の適用申請をした企業は、バプル
期に手を出した不採算事業や不良債権を清算し、堅実に推移して
いる本業に集中することで再生を図るケースが大半でした。
しかし、そうした「選択と集中」も、次第に効果が薄れるようになり
ます。「大幅な債務カットと人員のリストラ効果で目先の収益性は
どうにか改善しても、売り上げの回復が予想以上に遅れる企業が
目立ち、2次破綻リスクが高まっている」(帝国デーバンク)。
アベノミクスをきっかけに景気回復基調が続き、その流れにうまく
乗った中小企業は業績を回復させました。一方で、本業の収益力低下
に悩み、業績回復の目途が立たない中小企業も増えています。
製造業では、大手企業が海外で稼ぐようになり、国内にとどまる
中小企業に仕事が十分に回らなくなったことも影響しました。
過去を清算して業績を順調に伸ぱせる中小企業と、それでも低迷
から抜け出せない企業。この二極化が静かに進行していったのが、
2010年代です。
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