退職勧奨の注意点

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る

発行者: 中川清徳  2022年10月29日 VOL.5392

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◆こころ研修センター
ペンネーム:愛知県名古屋市のプチトマトさん
「ごみに捨てるのは悲しいから」

続きは編集後記で

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退職勧奨の注意点
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やむなく退職勧奨をしなければならないときの注意点

1.会社の発言が侮辱的な内容でないこと
2.会社の発言が退職を強要するような内容でないこと
3.本人が退職勧奨を拒否した場合は何回も退職勧奨をしないこと
4.ミスなど具体的に説明をすること
5.冷静に話すこと

(中川コメント)
将来のキャリアプランなどから退職も一つの選択肢であることを
説明するのも良いでしょう。
話し方は抑圧しないようにしましょう。

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編集後記
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◆こころ研修センター
ペンネーム:愛知県名古屋市のプチトマトさん
「ごみに捨てるのは悲しいから」

私の父の実家は京都にあるのですが、長く二人で暮らしていた
祖父母は二〇年ほど前に他界しており、それ以来、京都の家は
空き家になっていました。自分の生まれ育った実家に強い愛着を
持つ父は、空き家となったその家が荒れることなく、そのままの
状態で維持しておきたいと思っており、水道電気等のインフラを
維持することはもちろん、年に数回通っては庭の手入れや部屋の
掃除などのメンテナンスを続けていました。

私の母は、昔のものを捨てたがらない父に何度となく「もっと
京都の家のものを断捨離して、すっきりさせてはどうか」と言って
おり、京都の家に行くと「昔の足踏み式ミシン」「祖父が描いた
絵」「祖母の着物」等々、あれこれと処分したがる母と、捨てる
のを渋る父とのバトルが恒例になっていました。

あるとき、父がようやく折れて、泣く泣く祖母の昔の着物を
処分することになり、箪笥から捨てる着物や反物を出して燃える
ゴミ袋に入れ、翌朝、ごみ回収車が来るまで家の前に置いていま
した。そこに、思いがけない尋ね人がありました。

家のチャイムが鳴り、外に出ると、見知らぬご婦人が立って
おりこう言われました。
「こちらに置いてあるごみ袋の中身の着物は、捨てるものですか?」
「そうです」と伝えると、
「私は反物の生地から小物や雑貨を作る仕事をしているのですが、
とても良い生地ですので、もし捨てるのでしたら譲っていただけ
ないでしょうか」とのこと。

父の喜びようはありませんでした。「ごみに捨てるのは悲しい
からと、お祖母ちゃんの仏様がこういう巡り合わせにして下さった
んだ」等々言いながら、二つ返事でそのご婦人に中身を見せて、
好きなだけ持って行ってもらったそうです。ごみ回収車が来たのは、
そのわずか一〇分後でした。

しかも、このご婦人は偶然にも名古屋在住の方で、たまたま
用事で京都に来ていたとのこと。そこで、父はその方と連絡先を
交換し、後にその方に名古屋で会い、祖母の反物で作った小さな
雑貨を譲ってもらったそうです。

父の自分の実家への愛着と、母の気持ち、相容れなく難しい
ものだといつも感じていましたが、このご婦人が現れ、少しの
勇気でチャイムを押してくださったおかげで、わが家にとっても
最善の素晴らしいソリューションが実現したと感じました。

ご婦人にとっては、ご自身の行動がここまで父を喜ばせるとは、
きっと思っておられなかったのではないかと思います。
ただこの出来事から、私も自分から他者に何かアクションを起こす、
申し出ることによって、相手の気分を害するよりも、「意外と
想定外の喜びを感じていただけることの方が多いのかもしれない」
と感じ、もっと積極的に生活の中ですれ違う多くの見知らぬ人、
モノ、コトに関心を持って働きかけることをしていけたらいいな、
と思うこの頃です。

(編集長・志賀内)
「断捨離」「片付け」がブームのようになっています。
たしかに、身の回りのものを、思い切って処分すると、スッキリ
します。でも、捨てたくないもの、思い出深いものもあります。
かといって、あれも、これも… と言っていたら、一つも片付ける
ことができません。このお話のように、着なくなってしまった
着物などを再生して使っていただけるとしたら、こんなに嬉しい
ことはありませんよね。物には魂が宿っているのですから。

(プチ紳士からの手紙 より http://giveandgive.com/)

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