満員電車で腰の激痛 通勤災害になるか

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る

発行者: 中川清徳  2024年4月10日 VOL.5561
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わたしは世間の人から誤解されがちなところがあって、「渋沢
は、清濁あわせ飲む主義である」とか「よい悪いという区別を
つけない男である」とかいわれてしまう。

(続きは編集後記で)

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満員電車で腰の激痛 通勤災害になるか
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[事例]
満員電車で身体をひねった状態で立っている時、強く揺れた
際に腰に激痛が走りました。この状況を通勤災害であるとして
申請しました。

[申請結果]
通勤災害とは認められませんでした。
理由は、医師の診断結果が「腰椎椎間板症」とされ、この症状
と満員電車での事故との因果関係は認められなかったからです。

(中川コメント)
通勤災害に該当するか否かは労働基準監督署が判断します。
状況により通勤災害であると会社が判断すれば、通災申請を
することになります。もし、会社がその状況を通勤災害と
認めないが、本人が納得しない場合は、本人が自ら通勤
災害申請を行うことになります。
労災、通勤災害の申請は原則として本人が行うものです。

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編集後記
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わたしは世間の人から誤解されがちなところがあって、「渋沢
は、清濁あわせ飲む主義である」とか「よい悪いという区別を
つけない男である」とかいわれてしまう。

この前も、ある人が来て、正面からわたしを厳しく問いただ
した。「あなたは、日頃から『論語』を、社会で生きるうえ
での根本にすえ、また『論語』の教えそのまに行動しようと
している。それなのに、あなたが世話をする人のなかには、
まったくあなたの主義と反して、むしろ『論語』に逆らう考えを
抱いていたり、社会から非難を受けているような人物もいる。
そういう人を、あなたは平気な顔をして近づけ、世間の評判に
はまるで無頓着だ。こんなことをしていれば、あなたの高潔な
人格を傷つけてしまうと思うが、ぜひ真意をうかがいたい」

なるほど、そう指摘されてみると、いわれていることはもっ
ともだ。自分でも思い当たる節はあるのだが、しかしわたしは、
まったく違った観点で、自分の信じる主義に従っている。
つまり、社会で生きていくにあたって、自分の栄達はもち
ろん、社会全体のためにも働き、できるかぎりの善行を植え
つけ、世の中の進歩をはかりたいという気持ちを持ち続けて
きたのだ。

だからこそ、単に自分の財産とか、地位とか、子孫の繁栄と
いったものは二の次にし、もっばら国家社会のために尽く
すことを考えている。なので、人のために考え、善行を心が
け、人の能力を援助し、それを適所において使いたいという
思いを、はちきれんばかりに持っている。この心がけが、
世間の人から誤解を招くことになったそもそもの原因かも
しれない。

(論語と算盤 渋沢栄一 守屋淳訳 ちくま新書より)

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