家庭の事情によるストレスで休職した社員
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中小企業の人事労務管理に役立つピカイチ情報
「労務管理に奇策なし」
大企業で20年、中小企業13年の経験を持つ人事労務のプロが
中小企業経営者・労務担当者のために語る!
発行者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2025年3月15日 Vol.5899
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なぜ、宮中晩餐会のメニューはフランス料理なのか?
(続きは編集後記へ)
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家庭の事情によるストレスで休職した社員
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A社(従業員20名の小売業)では、入社5年目の社員Bさん
(40代男性)が、家庭の事情によるストレスで仕事に集中
できなくなり、休職を申し出ました。
● Bさんの状況
・高齢の親の介護負担が増え、睡眠不足が続いていた
・仕事と家庭の両立が難しくなり、疲労が蓄積
・朝の出勤が遅れることが増え、「辞めたい」と口にする
ことがあった
上司が「けちな飲み屋」(後述)の兆候に気づき、本人と
面談を実施。その結果、Bさんは主治医の診断を受け、
「ストレスによる適応障害」と診断され、2か月間の
休職を取ることになりました。
このケースでは、業務の過重負担が原因ではなく、「私生活の
事情によるストレス」がメンタル不調の主な要因だったため、
労災には該当しません。
しかし、Bさんのようなケースでも、企業が適切な支援を
行うことで、スムーズな復職につなげることができます。
【けちな飲み屋】メンタル不調のサインを見逃さない!
メンタル不調の社員は、休職に至る前に何らかの兆候を
見せることが多いです。そのサインを見極めるための指標
として、「けちな飲み屋」という言葉があります。
(鈴木安名氏 2006年提唱)
「けちな飲み屋」のサインチェックリスト
け 欠勤(特に休日明け)
ち 遅刻・早退
な 泣き言を言う(「もう無理です」「しんどい」など)
の 能力の低下(ケアレスミスが増える、集中力の低下)
み ミスが目立ち始める
や 「辞めたい」と言い出す
Bさんのケースでは、「ち(遅刻・早退)」「な(泣き言)」
「や(辞めたい)」のサインが見られました。
この段階で適切なフォローを行うことで、休職を未然に
防ぐことも可能でした。
【企業が取るべき対応策】
休職者を支援しながら、円滑に復職させるために、以下の
対応が求められます。
1. 休職開始時の対応
主治医の診断書を参考にし、休職を正式に決定する。
休職中の対応窓口を一本化し、人事担当者が状況を把握できる
ようにする。
業務の引き継ぎを迅速に行い、他の社員への影響を最小限にする。
2. 休職中のフォロー
定期的に本人と連絡を取り、会社の状況を伝えながら、復職の
意思確認を行う。
「会社は戻ってきてほしいと考えている」と伝え、
安心してもらう。
会社の新しい取り組みや環境改善の情報を共有し、復帰への
ハードルを下げる。
3. 復職判断とプランの作成
主治医や産業医と相談し、業務に耐えられる状態かを
確認する。
短時間勤務・リモートワーク・軽作業など、段階的な復職
プランを立てる。
「試し出勤(リハビリ出勤)」制度を活用し、無理なく
職場復帰できるようにする。
4. 復職後のフォローアップ
定期的な面談を行い、業務負荷や体調の確認を続ける。
上司・同僚に対して、適切な接し方についての研修を
実施する。
再発防止のための職場環境の整備を進める(長時間労働の
見直し、ストレスチェックの実施など)。
【中川コメント】
メンタル不調は決して珍しいことではありません。
しかし、適切な対応を行うことで、社員の働く意欲を回復
させ、組織全体の活性化につなげることができます。
特に、「けちな飲み屋」の兆候を見逃さないことが、
休職を未然に防ぐポイントです。
中小企業では、人員が限られる中での対応が難しいことも
ありますが、外部の専門家と連携しながら、社内の体制を整えて
いくことが、企業にとっても大きなメリットになります。
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編集後記
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なぜ、宮中晩餐会のメニューはフランス料理なのか?
天皇陛下が国賓を招く宮中晩餐会では、原則として
フランス料理のフルコースが正式なメニューとされている。
では、なぜ宮中晩餐会のメニューはフランス料理なのか?
これには、以下のような理由があるといわれている。
明治の初め、日本の皇室が範としたイギリス王室の公式
メニューがフランス料理だったから。
明治天皇自身が西洋料理を好んでいたから。
日本人が牛肉を食べ始めたのも、明治五年に若き明治天皇が
初めて牛肉を口にし、大いに奨励したことがきっかけだった。
大正時代の初め、当時の宮内省がフランスに料理修業に
派遣した秋山徳蔵を、天皇の料理長として迎えたから。
彼は昭和天皇の時代まで58年間にわたり料理長を務め、
日本の皇室のフランス料理を確立させたといわれている。
ちなみに、日本料理があまり採用されないのは、外国人が
箸をうまく使えないからだろうか?
出典:『雑学全書』 光文社刊
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