【就業規則】退職金は規程がなくてもOK?
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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳 2012年4月5日号 VOL.1093
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お金を扱うのになぜ銀行?
(続きは編集後記で)
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【就業規則】退職金は規程がなくてもOK?
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
就業規則は法的に何か規制があるのですか?
中川:就業規則の作り方については労働基準法で事細かなに定められて
います。
社長:たとえばどんな具合にですか?
中川:就業規則には絶対に書かなければならない項目があります。
(引用開始)
1.始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以
上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項
2.賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、
計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関す
る事項
3.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(引用終わり)
社長:へえ、こんなに細かく指示しているのですか。
1と2は分かりますが、3の退職に関することというのが
気になりますね。
それは退職金のことですか?
中川:いいえ、たとえば定年とか本人が辞めたいと意思表示をした場合
とかの退職基準を定めることです。
社長:では、能力不足の場合は解雇すると書いても良いのですか?
中川:もちろんです。
就業規則に明記してあれば、それを根拠に解雇できます。
社長:では、退職金は払わなくても良いのですか?
中川:退職金を払う義務はありません。
退職金制度を導入していなければ退職金を払う必要は
ありません。
社長:では、当社は経営が苦しいので退職金制度を廃止することを
考えたいですね。
労働基準法では退職金を払う義務はないのですから、
廃止しても問題ないですね?
中川:払わなければなりません。
社長:どうしてですか?
労働基準法では払う義務がないのですから、恩恵的に払ってい
ることになります。
であれば、会社が廃止するのはOKでしょう!
中川:あのう、労働基準法には次のように書かれています。
(引用開始)
3の2.退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、
退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時
期に関する事項
(引用終わり)
社長:へえ、ココまで書いてあるのですか。
退職手当とは退職金のことですね?
中川:そうです。
退職金を払う義務はありませんが、いったん、退職金制度を導入
したら払う義務が生じるのです。
一般的には退職金規程を作成します。
もし、退職金制度を廃止するのであれば不利益変更となります。
廃止するには従業員の同意が必要です。
社長:当社に退職金規程はありますが労働基準監督署に届け出て
いません。
中川:退職金規程は就業規則の一部となります。
退職金規程を定めたら就業規則と同じように扱わなければ
なりません。
社長:就業規則と同じようにといいますと?
中川:従業員の意見聴取をし、労基署に提出して、従業員に周知すること
が必要です。
社長:そうなんですか。
総務に指示します。
(中川コメント)
退職金制度を導入すると、その支払い方法等について明文化することが
義務づけられています。
具体的には退職金規程を作成することになります。
退職金規程は就業規則と同様の扱いをすることが義務づけられています。
今日はここまで。では、またあした。
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編集後記
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お金を扱うのになぜ銀行?
銀行という名前の由来は、明治5(1872)年制定の「国立銀行条例」の元
となったアメリカの国立銀行法(National Bank Act)のBank(パンク)を
「銀行」と翻訳したことにはじまります。
Bankをどう訳すかについては、高名な学者たちがかなり長い協議を重ね
たそうです。
その結果、お金を扱う店という意味から、金もしくは銀と、店という意
味の中国語「行」を組み合わせ、「金行」または「銀行」がよいだろうと
いうことになりました。
最終的に金行ではなく銀行になった理由は、ただ、単に語呂(ごろ)がよ
かったからたそう。
(つい他人に自慢したくなる無敵の雑学 角川ソフィア文庫より)
では、また明日お会いしましょう!!
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