【労基署】過労死の判定はしない

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遅れになる。交通事故を繰り返す。タイムカードを不正打刻する。定期健
康診断を受診しない。上司が部下に適切に業務指示をしない。会社の備品
を窃盗する。社内不倫をする。インターネットで会社の中傷をする。会社
の機密情報を漏洩する。個人情報を漏洩する。刑事事件を起こす。セクハ
ラをする。パワハラをする。権利ばかり主張し、まともに義務を果たさな
い。配置転換を拒否する。勤務成績不良。

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者：　中川清徳 　2012年5月4日号   VOL.1122
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「完璧」を深追いしない（森鴎外）

（続きは編集後記で）

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　【労基署】過労死の判定はしない
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中川：こんにちは。

社長：こんにちは。
　　　先日、労基署が立ち入り調査に来ました。

中川：どんな指摘がありましたか？

社長：是正勧告書をもらいました。
　　　長時間労働をさせるなという指摘です。

中川：どのくらいの残業があったのですか？

社長：80時間を超える社員が2名いました。
　　　36協定（残業協定のこと）違反だという指摘です。

中川：で、どうするのですか？

社長：対策が難しいので困っています。
　　　必要だから残業をしているのです。
　　　本人が自主的に残業をしてくれるので、それをやめさせるのは
　　　ヤル気がなくなるようで言いにくいですね。

中川：でも、長時間労働が原因で死亡すれば過労死と認定される
　　　可能性がありますよ。
　　　そうなると、会社の責任が問われます。

社長：過労死はいくらくらいの慰謝料が必要ですか？

中川：一概に言えませんが、最近は高額化しています。
　　　1億円前後が当たり前になりつつあります。

社長：へえ、その金額は労基署が決めるのですか？

中川：いいえ、裁判になったとき裁判所が決めるものです。

社長：労基署はどんな仕事をしているのですか？

中川：警察署と同じです。
　　　警察は犯罪者を逮捕します。
　　　犯罪の刑などは裁判所が決めます。

社長：労基署は違法について調査するが、重大な犯罪の場合は
　　　裁判所が処罰を決定するということですか？

中川：ピンポーン！
　　　
社長：では、もらった是正勧告を無視しても処罰されないの
　　　ですか？

中川：無視したら怒りますよ。

社長：怒られるだけですか？

中川：あのう、声を荒げて叱るという意味ではありません。
　　　労基署の指導に従わなければ裁判にかけられる
　　　ということです。
　　　裁判にかけられると犯罪者扱いになります。

社長：うーん。
　　　労基署の指導には従うべきですね。

（中川コメント）

　長時間労働について労基署は
１．36協定書の提出していない場合は提出を求める
２．協定の上限を超えて残業をさせた場合は是正指導をする
３．残業の割り増し賃金を払っていない場合は支払を求める
ことが仕事です。

過労死の認定や損害賠償は労基署では行いません。

今日はここまで。では、またあした。

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　　　　編集後記 　　　　　
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「完璧」を深追いしない（森鴎外）

　自分の長所を自慢しすぎると、人に嫌われアラ探しをされるようにもな
る。完壁な人聞になりたいというのは、まことに立派な心がけである。

　しかしそれは、あくまでも理想の目標であって、現実には到達不可能な
夢である。

　ところが、うぬぼれの強い人間は、自分の欠陥に気がつかないから、自
分では完壁人間だと錯覚するようになる。この錯覚に陥ると、自分がその
気になるだけでなく、周りの人たちもその勘違いにつきあうようになって
しまう。こうなったら大変だ。

「完壁人間」には、どんな小さなミスでも絶対に許されない。世間は、常
日頃から偉そうにして周囲を威圧していたこの人間を容赦しない。拡大鏡
でアラ探しをして、完膚（かんぷ）なきまでたたきのめしてしまう。

　普通の人間ならミスにもならない些細なことも、「完壁人間」には致命
的な過失として咎（とが）められ、絶対に許してもらえないのだ。恐ろし
いことである。

（1日「ひと粒」の黄金の知恵　森鴎外著　齋藤孝訳　イープレスト刊より）

では、また明日お会いしましょう！！

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