【賃金】年俸制なので年1回の支払としたい

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者：　中川清徳 　2012年5月16日号   VOL.1134
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「がたがくる」

（続きは編集後記で）

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　【賃金】年俸制なので年1回の支払としたい
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中川：こんにちは。

社長：こんにちは。
　　　年俸制について質問です。

中川：はい、何でしょう？

社長：当社は年俸制を導入しています。

中川：どういう人が対象ですか？

社長：部長、課長です。

中川：で、ご質問は？

社長：年俸制なので年1回ドンと払いたいのです。

中川：どうしてですか？

社長：だって、年俸制ですから。
　　　その方がもらったという実感が沸くでしょう。
　　　ヤル気と責任感が向上するのではと思います。

中川：うーん。

社長：うーんでは分かりません。

中川：違法です！

社長：え？
　　　どうしてですか？
　　　年俸制だから年1回払うのが本筋でしょう。

中川：あのう、年俸は何ですか？

社長：なんですかとはなんですか？
　　　質問の趣旨が分かりません。

中川：年俸は労働の対価でしょう？

社長：そうです。
　　　働かないで払うのは小遣いですね。
　　　小遣いにしては高すぎます。

中川：だんだん、話がよれてきますね。
　　　年俸が労働の対価ということは？

社長：給料ですよね？

中川：ピンポーン！
　　　給料ということは賃金ですよね。

社長：まあ、そうです。

中川：賃金は毎月1回以上払う原則があります。

社長：だれが決めたのですか？

中川：あのう、法律でそうなっています。

社長：へえ、そんなことまで法律に書いてあるのですか。
　　　じゃあ、アルバイトは日払いです。
　　　毎月1回まとめて払わなければ違法ですか？

中川：いいえ、適法です。
　　　法律は毎月1回以上払うことと書いてあります。
　　　だから、2回でも4回でも毎日でもOKです。

社長：そうですか。
　　　考えてみると私の役員報酬も毎月分割でもらっています。
　　　
中川：ドドド！
　　　だったら年俸制の払い方について質問をしないでください。

社長：ちょっと、思いついたもので...。

中川：...。

 

　　　
（中川コメント）

　労基法では次のような条文があります。

（賃金の支払）
第24条　（１は省略してます）

　　２　賃金は、毎月１回以上、一定の期日を定めて支払わなければなら
　　　　ない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずる
　　　　もので厚生労働省令で定める賃金（第89条において「臨時の賃金
　　　　等」という。）については、この限りでない。

 

今日はここまで。では、またあした。

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　　　　編集後記 　　　　　
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「がたがくる」

　人間であろうと機械であろうと、使い古せばどこか調子が悪くなる。
そんなときに「がたがきた」と表現する。

　じつは、仏教の言葉に由来している。
がたぴしとは、「我他彼此」、つまり「我」と「他」、「彼」と「此」
が調和することなく存在している状況である。
　この「我」と「他」をとって「我他＝がた」。ここから、ばらばらに
なって壊れかかっている状態を「がたがきた」と言うようになったのだ。

（日本語のマル得雑学　知的生き方文庫より）

では、また明日お会いしましょう！！

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