【気をつけよう経験者採用の落とし穴】
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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
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作者: 中川清徳 2014年8月10日号 VOL.1970
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自分の「なぜ」を知れば道が見える
(続きは編集後記で)
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【気をつけよう経験者採用の落とし穴】
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恒例の川越さんのメルマガを全文転載します。
(引用開始)
2014年08月06日(水曜日)07時56分44秒
いつもお読みいただきありがとうございます。
さて、今朝の宮崎は1週間ぶりの青空です。
このところ、台風などの影響で雨模様の天気が
続いていましたから久しぶりです。
考えてみると、夏の天気は気圧配置のちょっとし
た変化により大きく変わります。
晴天かと思えば、いきなり大雨になったりと
まさに"紙一重"ですね。
"紙一重"といえば、経験者の採用も同じような
ことです。
経験者だから即戦力となればいいのですが、
経験者であるがために変なプライドがあったり...。
今回は、そんな経験者採用をめぐるお話です。
【気をつけよう経験者採用の落とし穴】
世の中に"紙一重"というのは多い。
紙を境にギリギリこっち側が何とも魅力的なのだ。
経験者採用についても、即戦力の裏側に大きな落とし穴
をはらんでいる。つまり"紙一重"なのだ。
そこで今回は、経験者採用の失敗事例から問題点を捉えて、
落とし穴にはまらない方策を提案したい。
1.即戦力のつもりだったのに...
「うちではこうやってました」
最近、この言葉に違和感を覚えるA社長である。
建設業を営むA社長は半年ほど前に、60歳のB子さん
を採用した。
ある事務員さんが出産を機に辞めるので、その代わりを
募集するがなかなか採用できず、たまたま地元の企業を
定年退職したB子さんを知人の紹介で採用したのである。
たしかに、60歳という年齢は気になった。
しかし、「事務のことは大体できます」「子供のことで休
むことはありません」「給料はいくらでもいいですよ」と
の言葉に「未経験者に一から教えるよりはましか」と採
用してしまった。
A社は従業員30人で、うち事務は女性ばかり3人体制
でやっており、年齢が近いこともあって和気あいあいと
した雰囲気の職場だった。
しかし、A子さんが入ってから徐々に雰囲気が変わって
きた。
たしかに、入社当初は「はい、わかりました」と年下の
先輩従業員の教えに従っていたものの、徐々に「うちで
はこうやってました」と長年勤めていた会社のやり方を
貫こうとするのである。
もちろん、そのやり方がまっとうなら問題ないが、
いわゆる我流でたまたますり抜けてきたような方法だった。
そして、とうとう「A子さんの本籍地はまだ前の会社に
あるんじゃないですか」などと他の従業員から不満も出
てきたのである。
そうなると、A子さんも居たたまれなくなり、社内を掻き
まわすだけかき回して辞めてしまった。
2.経験者採用の問題点
たしかに、経験者という言葉の響きには、一から教え
る必要がなく即戦力のイメージがある。
しかし、実際にはA子さんのような人も多い。
1)本籍地が変更されていない...40年も勤めていれば
その会社が自分の会社のような錯覚を起こすのも無
理はない。本籍地の変更ができていないのだ。
だから、退職後も辞めた会社の一員のつもりで振る
舞ったりする。また、定年後の再就職先は一般的に
従来より規模が小さかったりするので、今いる従業
員へ指導してやっているという上から目線の態度と
して表れやすい。
2)何でもできる何もできない人...パソコンできれいに
作られた職務経歴書なるものを見ると、「すごい!」
と鵜(う)呑みにしやすい。しかし、経験則ながら、
何でもできると自慢する人に限って何もかもが中途
半端で、何一つできないというのが通り相場だ。
それに職務経歴書というのはあくまで自己申告であり、
仕事ぶりがどの程度会社の役に立っていたかの裏付
けは何もない。
3)再教育にコストがかかる...土地に中途半端な構造物
があると、それを取っ払って更地にするのに多額の
費用がかかったりする。中途半端な経験も同じことで、
まずはそれをリセットさせるのに手間暇がかかるも
のだ。もちろん、誤りを素直に認めてくれればいいが、
往々にして歳を重ねてくると「うちではこうやって
ました」などと気持ちの切り替えが難しい。
3.だからこのようにしておこう
経験者採用には即戦力としての魅力もあるが、一つ間
違
えば多くの落とし穴をはらんでいるわけで、採用に当
たっては最低限次の3つは押さえておきたい。
1)気になる人は前職の退職証明書をもらう...いわゆる
履歴書・職務経歴書が立派過ぎる人だ。前述したよ
うに職務経歴書などは自己申告であるので、少々気
になる場合は、前職での業務内容、退職理由などが
書かれた退職証明書をもらってもらう。この証明書
により履歴書・職務経歴書の裏を取る。
2)会社の方針をしっかり伝える...「会社は今までの経
験を期待して採用するわけで、出向として受け入れ
るのではなく従業員として採用します。」としっか
り伝える。こういう条件でいいのなら入社してくだ
さいと、お互いの立場を明確にしておく。このよう
にして、前の会社にある本籍地を自社に変更しても
らう。
3)最初は短期の契約で様子を見る...いくら用心したと
ころで、人は使ってみないとわからない。だから、
最初は3か月とかの短期の契約で様子を見る。
もちろん、そのような契約形態だと、60歳以上の
場合、助成金受給対象から外れるが、それはそれで
割りきる。経験者を会社ペースで雇うことが本流で
あり、助成金はしょせん亜流だ。
たしかに、今回のような定年退職者の中には、立派な
見識と経験をお持ちの方も多い。
しかし、いくら立派な方でも、本籍地が前の会社のまま
ではしっくりと自社になじんでもらえない。
だから、採用時に気持ちをリセットしていただき、本籍
地も自社に移していただくことが肝要なのである。
※次回は【経営者は家庭円満にしておこう】の予定です。
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(引用終わり)
【中川のコメント】
いつもながら名文ですね。
本籍地を変えるは面白い視点ですね。
あなたの会社は採用時に本籍地に変更を確認していますか?
追伸
退職証明書は効果があります。
お勧めです。
今日はここまで。では、またあした。
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編集後記
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自分の「なぜ」を知れば道が見える
多くの方法論の本を読んでも、有名な経営者や金持ちのやり方を学ん
できても、自分のやり方や方法がわからない。これは当然のことで、薬
ひとつにしても、その人の体質に合わない場合がある。他人のやり方が
自分に合わないのは不思議なことではない。
問題はまず、自分の「なぜ」がちっともわかっていないということに
ある。自分がなぜそれをやりたいのか、なぜそれを望むのか、なぜそう
なりたいのか、なぜその道を行きたいのか、ということについて深く考
えてないし、しっかりつかんでいないからだ。
その自分の「なぜ」さえはっきりつかめていれば、あとはもう簡単だ。
どのようにやるのかなんてすぐにわかってくる。わざわざ他人の真似を
して時聞をつぶすこともない。もう自分の目で自分の道がはっきりと見
えているのだから、あとは歩いていけばいいだけになる。
『偶像の黄昏」
(ニーチェの言葉 ディスカバー・ツゥエンティワン刊より)
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このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合があります。
むつかし法律条文をわかりやすく説明するために正確な表現を
犠牲にしています。正確な情報を記載しょうとすれば、お役所の文書と
同じになります。結局わかりにくい記事になり、役に立ちません。
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