【無期転換】申込みを拒否できるか

◆────────────────────────────────◆
 【無期転換】申込みを拒否できるか
◆────────────────────────────────◆
中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   無期転換の実施が迫りました。
中川:そうですね。
   平成30年4月以降から有期契約の従業員は無期転換にしてもらえる
   権利が発生しますね。
社長:弊社は、パートさんが全員、有期契約です。
   弊社は業務の波があります。
   有期契約でないと困ります。
中川:有期契約のパートの該当者を全員、自動的に無期契約に転換する
   必要はありません。
   該当するパートさんが希望すれば無期転換にします。
   パートさんが何も言わなければ有期契約のままで良いです。
社長:たとえば、パートのAさんは平成30年3月31日に5年が経過します。
   では、Aさんが翌日の4月1日に無期転換への希望がなければ
   そのままでいいのですね。
中川:そうです。
社長:ワンチャンスであれば、無期転換を申し込む可能性は低いですね。
中川:あのう、ワンチャンスとかなんですか?
社長:Aさんは平成30年4月1日に無期転換の権利が発生するのでしょう?
   その日に申込みがなければ、権利を放棄したことになります。
中川:ああ、そういう意味のワンチャンスですか。
   それは誤解しています。
   Aさんは平成30年4月1日以降はいつでも無期転換を申し込む
   権利が発生します。
社長:え!
   それは困ります。
中川:でも、法律がそうなっています。
社長:では、パート就業規則には無期転換権は発生しないと
   書いたらどうですかね。
中川:そのような就業規則は無効です。
社長:じゃあ、雇用契約書に書いたらどうですか?
中川:それもダメです。
   何をしようと自動的に権利が発生します。
社長:次回の幹部会議で、無期転換への対応を議題にします。
(中川コメント)
無期転換権は絶対的なもので、事業主が拒否することはできません。
労働契約法では次の条文があります。
(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条  同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約
 (契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の
 契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が
 五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働
 契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から
 労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、
 使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。この場合において、当該
 申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、
 現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除く。)
 と同一の労働条件(当該労働条件(契約期間を除く。)について別段の
 定めがある部分を除く。)とする。
 2  当該使用者との間で締結された一の有期労働契約の契約期間が
 満了した日と当該使用者との間で締結されたその次の有期労働契約の
 契約期間の初日との間にこれらの契約期間のいずれにも含まれない
 期間(これらの契約期間が連続すると認められるものとして厚生労働
 省令で定める基準に該当する場合の当該いずれにも含まれない期間を
 除く。以下この項において「空白期間」という。)があり、当該空白
 期間が六月(当該空白期間の直前に満了した一の有期労働契約の契約
 期間(当該一の有期労働契約を含む二以上の有期労働契約の契約期間の
 間に空白期間がないときは、当該二以上の有期労働契約の契約期間を
 通算した期間。以下この項において同じ。)が一年に満たない場合に
 あっては、当該一の有期労働契約の契約期間に二分の一を乗じて得た
 期間を基礎として厚生労働省令で定める期間)以上であるときは、
 当該空白期間前に満了した有期労働契約の契約期間は、通算契約期間に
 算入しない。
あなたの会社は、無期転換への対応ができていますか?
◆─────────────────────────────────◆
突然の申込を受けても慌てないために、「無期転換制度への備え方」セミナー
平成30年4月1日になってからでは遅い
    【東京】 平成29年7月28日(金)13時30分~16時
    【東京】 平成29年11月16日(木)13時30分~16時
        http://nakagawa-consul.com/seminar/086.html
◆─────────────────────────────────◆