[労務管理]　業務中に私用利用する社員に厳罰で臨みたい

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る

発行者：　中川清徳 　2020年6月5日号          VOL.4515
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愛嬌で乗り切ろう

（続きは編集後記で）

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[労務管理]　業務中に私用利用する社員に厳罰で臨みたい
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業務時間中のパソコンの私的利用について、どの種類の懲戒処分で
あれば認められるかは、私的利用の内容で大きく異なる。

利用がごく軽微な頻度・回数にとどまり、セキュリティー上の問題
もないものであれば、喫煙や私用電話のための離席と同様に、職務
専念義務違反とまではいえない場合もある。

これに対し、私的利用の頻度・回数が常識的に許容される限度を
超える場合には、職務専念義務違反に該当するため、謎責や減給と
いった懲戒処分であれば認められることが多い。

懲戒処分の有効性の判断には、私的利用の頻度・回数だけでなく、
その内容も影響する。
場合によっては信用失墜行為という別の非違行為にも該当すること
になる。例えば、業務時間中にSNSへの私的投稿を行ったり、私的な
株取引を行ったりすることは、職務専念義務違反の程度としても重く、
仮に取引先や顧客等の関係者の知るところとなれば、会社の信用を
大きく失墜させる可能性もある。

この点、専門学校の教員が、5年間にわたり業務用パソコンで出会い系
サイトを利用し、出会い系サイトで知り合った女性らとの間で出会い
サイト関連の送受信が各800件余り、うち約半数程度が勤務時間内の
送受信であることが、外部からの情報提供で発覚し、懲戒解雇された
という事案では、懲戒解雇が有効と判断されている（K工業技術専門学
校事件福岡高裁平17.9.14判決) 。

（中川コメント）
単に業務中に1回だけ私用メールをしたことをもって懲戒解雇はムリです。
まずは、注意をすることからスタートします。
それでも無視し私用メールを頻繁にする場合は、重い懲戒処分を
することになります。

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編集後記 　　　　　
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愛嬌で乗り切ろう
［吉田茂］ 政治家　1878-1967

第二次世界大戦で日本が敗戦した年の冬、日本政府は「450万トン
の食糧がなければ餓死者が出る」と、GHQ総司令官マッカーサー
に伝えました。これを受けて緊急にアメリカから食糧が輸入されま
したが、その量はわずか70万トンでした。しかし、不思議なことに
日本には餓死者が出なかったのです。

政府の偽りの発表に対してマッカーサーは当時の首相・吉田茂を問い
詰めましたが、吉田は軽やかにこう答えました。
｢これは当然の結果だ。日本人に統計ができていたらあんなバカげた
戦争はしないし、統計どおりであれば日本は勝っていたよ」。
その言葉にマッカーサーは豪快に笑い、それ以降はお互い何でも
話し合える関係になったといわれています。
ユーモアや愛嬌が、時として困難な状況を打破することもあります。

（「人生はワンチャンス」水野敬也、長沼直樹著　文きょう社刊より）

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