【退職金】前払い退職金制度とは?

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2011年12月2日号   VOL.973
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ドレスコートなる言葉があったのですね。

(続きは編集後記で)

 

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 【退職金】前払い退職金制度とは?
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   退職金は払うとき大きな金額になってつらいときがあります。
   それで、退職金前払い制度があると聞いたのですが
   どんなものですか?

中川:退職金は退職するときに払うものです。
   ところが、退職金を払うための外部積み立てが株の下落などで
   積み立て不足が起きます。
   それなら、退職時ではなく前払いしようというのです。

社長:しかし、前払いだといくら払っていいのか分かりませんよね。
   退職金は退職時の基本給に勤続係数を乗じていますので。

中川:方法はいろいろあります。
   前払いの金額は会社で決めれば良いのです。

社長:で、前払いのメリットは何ですか?

中川:積み立て不足のリスクが減ります。
   また、退職時に退職金の計算をしなくてもすみます。

社長:デメリットはなんですか?

中川:退職金の意味を考えると意味がありません。

社長:はあ?...。

中川:退職金制度は永年勤続に報いるものです。
   つまり辞めるなという意味があります。
   それを前払いするのであれば社員はいつもで辞めることが
   できるので意味がありません。

社長:そもそも前払いはどのようにして払うのですか?

中川:賞与に上乗せする方法と毎月の給料に上乗せする方法があります。

社長:金額はどのくらいですか?

中川:それは会社の考えなのでいくらとは言えません。
   推測すると月額で5千円から3万円程度と思われます。

社長:意外に低い金額ですね。

中川:そうです。
   それも前払いのデメリットです。
   たとえば毎月5千円を給料に上乗せされたとしても
   たぶん生活費に消えるでしょう。
   退職金だからといって貯金する人はマレだと思います。

社長:そうですね。
   退職の時に「社長、退職金をください」と言われかねませんね。

中川:そうです。

社長:退職金の前払い制度は止めた方がいいですね。

(中川コメント)

退職金制度は長期勤続をさせることが目的という側面があります。
その退職金を前払いするのであれば意味がありません。
また、退職金の前払いは非課税扱いになりませんので従業員は
所得税が増えます。
また社会保険料や残業単価も上がります。
大企業では導入されていますが、中小企業はマネをすべきではありません。

今日はここまで。では、またあした。

 

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    編集後記      
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ドレスコートなる言葉があったのですね。

一生の思い出にと妻・志津江と飛鳥でクルージングです。
ドレスコードなるものがあって、時間帯によってはフォーマルな
衣装にしなければなりません。
2人であわてて服を買いに行きました。
クルージングは乗船料だけではないのですね。
これが最初で最後になるかも...。

では、また明日お会いしましょう!!

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