【有期契約】契約期間はどのくらいの長さがよいか?

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年3月20日号   VOL.1086
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赤外線は、ホントに赤いのか?

(続きは編集後記で)

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 【有期契約】契約期間はどのくらいの長さがよいか?
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   契約社員を採用しようと思います。
   
中川:そうですか。
   正社員ではないのですね?

社長:プロジェクトが終了するまでとしたいのです。
   それで期間を定めたいのですが、法的に何か規制がありますか?

中川:期間を定めないのが原則です。
   期間を定める場合は最長3年、特例の場合は5年となっています。

社長:へえ、どうして3年なのですか?

中川:平成15年までは1年(特例3年)となっていました。
   しかし、失業者が増えたので、法律を改正して雇用の維持を
   図ろうとした背景があるのです。

社長:へえ、1年とはまた短いですね。
   どうしてそんなに短かったのですか?

中川:労働者はいつでも自由に退職できるのが原則です。
   したがって、期間を定めるとそれに拘束され、自由に退職できな
   いので短い年数としたのです。
   労働者保護だからです。

社長:どこの会社も定年があると思います。
   当社の定年は60歳です。
   これは労働者を拘束するので違法なのですか?

中川:定年が60歳であることは違法ではありません。
   60歳まで拘束しているわけではありません。
   イヤであれば60歳前でも退職できるからです。

社長:特例は5年だそうですが、特例とはどんな場合ですか?

中川:次のようになっています。

(引用開始)

《特例1》専門的な知識、技術又は経験(以下「専門的知識等」とい
     う。)であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基
     準(※)に該当する専門的知識等を有する労働者(当該高
     度の専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。)と
     の間に締結される労働契約→ 上限5年
 
《特例2》満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約 → 上限5年
 
《特例3》一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約
       (有期の建設工事等)                  → その期間

(引用終わり)

社長:厚生労働大臣が定める基準とは何ですか?

中川:つぎのようなものです。

(引用開始)

 ①  博士の学位を有する者
  ②  公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、
   税理士、薬剤師、社会保険労務士、不動産鑑定士、技術士又は弁理
   士のいずれかの資格を有する者
  ③  システムアナリスト試験又はアクチュアリー試験に合格している者
  ④  特許法に規定する特許発明の発明者、意匠法に規定する登録意匠を
   創作した者又は種苗法に規定する登録品種を育成した者
  ⑤  大学卒で実務経験5年以上、短大・高専卒で実務経験6年以上又は
   高卒で実務経験7年以上の農林水産業の技術者、鉱工業の技術者、
   機械・電気技術者、システムエンジニア又はデザイナーで、年収が
   1075万円以上の者
  ⑥  システムエンジニアとしての実務経験5年以上を有するシステムコ
   ンサルタントで、年収が1075万円以上の者
  ⑦  国等によりその有する知識等が優れたものであると認定され、上記
   ①から⑥までに掲げる者に準ずるものとして厚生労働省労働基準局
   長が認める者
 
(引用終わり)

社長:へえ、社会保険労務士も対象なのですね。

中川:高く評価されているような気がしてうれしいですね。

社長:雇用契約に期間の上限があることが分かりました。
   では、3年契約をします。

中川:それは慎重にしたほうがいいですよ。

社長:え?
   違法ではないでしょう?

中川:違法ではありません。
   ただ、契約社員と3年契約をしたが実際に仕事をさせてみると
   さっぱりだったらどうしますか?
   それでも3年契約は有効です。

社長:つまり、有期契約をしたら途中の解雇が難しいということですね?

中川:そういうことです。
   最初は6ヶ月契約をして、本人の実力を確認してから改めて
   期間を定めた雇用契約にすることをお勧めします。

(中川コメント)

 期間の定めのある雇用契約は原則として3年(特例5年)ですが、
長期間の契約はお勧めしません。
その理由は、解雇が難しくなるからです。
短期間の契約(たとえば6ヶ月)であれば、契約期間満了で契約が
終了しますので解雇問題が起こりません。

 

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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赤外線は、ホントに赤いのか?

 たとえば、赤外線こたつ。「赤外線というくらいだから、赤い光線だ」
というのは間違い。そもそも、赤外線は紫外線と同じく、目に見えない
不可視光線である。
 赤外線こたつの中が赤いのは、赤いガラスが使われているからで、こ
れは"赤"という色が暖かい雰囲気をかもし出してくれるからにほかな
らない。
 ちなみに、赤外線は微量ながら人間の体からも出ている。赤外線は熱
線ともいわれ、熱を出すものすべてから発散されている。

(雑学全書 光文社刊より)

では、また明日お会いしましょう!!

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