【賃金】本採用前に賃金を減額したい

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年4月24日号   VOL.1112
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「先生は忍者ですか 武士ですか?」

(続きは編集後記で)

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 【賃金】本採用前に賃金を減額したい
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   A君のことで相談です。

中川:はい、なんでしょうか?

社長:A君は現在試用期間中です。
   正社員にしたいと考えています。
   しかし、期待したほど仕事ができません。
   それで、賃金を下げることを条件に正社員にしたいのですが
   問題がありますか?

中川:就業規則や賃金規程に「試用期間中における本人の能力を評
   価したうえで賃金額を採取決定する」というようなことが
   書かれていればOKです。

社長:当社の就業規則や賃金規程にはそのようなことが書かれてい
   ません。
   それでも下げることができますか?

中川:A君の同意があればOKです。

社長:採用の時に賃金を決めたので、A君が約束違反だと言いかね
   ませんね。
   その場合はどうしたらいいですか?

中川:A君が同意しなければ賃金を下げることはできません。
   約束違反となりますから。

社長:A君が同意しないのに下げたらどうなりますか?

中川:A君が労働基準監督署や外部の労働組合に相談する可能性が
   あります。
   外部の労働組合から団体交渉を申しこまれたら会社は応じる
   義務があります。

社長:会社にとってはリスクですね。

中川:そうです。
   1.就業規則や賃金規程に使用期間から正社員にするときに
     賃金を最終決定するという条文を追記すること
   2.採用時に雇用契約書で賃金はみなすことがあると確認して
     おく
   
   このような対策をとるべきです。

社長:わかりました。

(中川コメント)

 採用時に決めた賃金を正社員時に下げることは不利益変更となります。
あらかじめ、本人がそのことを承知していて、就業規則等にも明記されて
いれば問題ありません。

 御社の諸規定の確認をしましょう。

今日はここまで。では、またあした。

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 監督署に聞くに聞けない問題の相談に乗ります
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 解雇とか賃金の切り下げとか微妙な問題は、労働基準監督署に聞くわけに
もいかない。だいたい、俺は忙しいのだ。本を読んでいる暇はないし、
第一、資金繰りや営業のことで頭がいっぱいでそれどころではない。
誰か、いないのか?

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    編集後記      
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「先生は忍者ですか 武士ですか?」

時代劇マニアの外国人は現在でも日本に忍者がいると信じています。
来日したての外国人女性が日本語教育の先生に本気で聞いた話。

先生「現在は忍者はいません」
生徒「わかりました」

部屋をでる時に小声で、
生徒「でも本当はいるのですよね。いないことにしていないと
   いけないんですよね」

(日本人の知らない日本語2 蛇蔵&海野凪子著より)

では、また明日お会いしましょう!!

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