【賃金】有無を言わせない人件費アップにご注意

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年5月25日号   VOL.1143
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外国人のための日本語教室で生徒が座ったまま質問をしようとしたので
日本人先生が「立(た)って言ってください」と言ったら...。

(続きは編集後記で)

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 【賃金】有無を言わせない人件費アップにご注意
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   人件費が増えて困っています。

中川:そうですか。
   どうして増えるのですか?

社長:だって、昇給をしなければならないし、社会保険料(健保+厚年)
   も毎年のように上がっています。

中川:昇給はしなくてもいいですよ。
   経営が苦しいなら。
   それより、社会保険料でしょうね。

社長:あれ、何とかならないのでしょうか?

中川:法律で定められていますからどうにもなりません。
   謀反(むほん)を起こせば別ですが。

社長:謀反を起こすほどのことはありませんが、なにかこの...。
   真綿で絞められているような。

中川:そのとおりです。
   厚生年金は一気に保険料が上がらないので、あまり騒がれて
   いませんが、平成16年10月より毎年0.354%ずつ引き上げられ、
   平成29年9月以降は18.3%となります。

   結局、4.3%上がります。

社長:当社の給料は年間おおよそ2億円です。
   その4.3%というと7百円以上となりますね。
   そんなに上がるのですか。

中川:ずいぶん乱暴な計算ですね。
   でも、その計算は当たらずとの遠からずですね。

社長:うーん。

中川:厚生年金保険率が上がることは確定しています。
   健康保険は医療費の増加で保険料率が上がるのは目に見えて
   います。

社長:困りましたね。

中川:余り認識していないと思いますが、労働基準法の改正で
   人件費がアップしています。

社長:え?
   「労働基準法、お前もか!」と言いたくなりますね。

中川:そうなんです。

社長:具体的などんなものですか?

中川:以前は週48時間労働でしたが10年前に週40時間となりました。
   多くの会社が週休二日制にせざるを得ませんでした。
   給料は下げないで休日が増えた会社が多いです。
   つまり、コストアップになりました。

社長:そういえばそうでしたね。
   週休二日制なんて大企業の話だと思っていましたが。

中川:その他、年休の付与日数が増えました。

社長:そうそう、昔は勤続1年に一日増えるだけでしたが
   最近は二日もふえますね。

中川:そうです。
   最高20日の年休付与日数まで昔は10年6ヶ月かからましたが
   今では6年6ヶ月しかかかりません。

社長:昔は10年も経たずに転職していましたので年休の日数の影響は
   少なかったです。
   しかし、最近は5~6年勤務はザラにいます。
   その分人件費が上がったのですね。

中川:追い打ちをかけるように平成22年から1ヶ月60時間を超える残業は
   割増率が25%→50%になりました。

社長:でも、それは大企業だけでしょう?

中川:いずれ中小企業にも適用されますよ。

社長:国は会社がつぶれてもいいと思っているのでしょうかね。

中川:時代の流れでしょうがますます経営が苦しくなりますね。
   しかし、今後も人件費は上がることはあっても下がることはない
   と腹をくくって経営をすることになりますね。

社長:がんばるしかありませんね。

中川:いくら人件費が上がるかを計算しておきましょう。

   
(中川コメント)

 人件費はこれからも上がることを前提に対策を講じなければなりません。

人件費のアップは
1.社会保険料(厚年、健保)のアップ
2.労基法改正による負担増
3.パートの厚年加入
など、法的なものは有無を言わせません。

その他に
4.賃金制度が毎年昇給する仕組みになっている
5.賞与が基本給連動になって硬直化している
6.退職金が基本給連動になって硬直化している
7.定着が悪くて募集、教育訓練でコスト増になっている
などあります。

 一つ一つ取り組む必要があります。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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外国人のための日本語教室で生徒が座ったまま質問をしようとしたので
日本人先生が「立(た)って言ってください」と言ったら...。

日本人先生「立(た)って言ってください」
外国人生徒「た」

日本人先生 ...  (^_^;)

(日本人の知らない日本語 蛇蔵&海野凪子著より)

では、また明日お会いしましょう!!

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