【解雇】事業の撤退で余剰社員を解雇したい
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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳 2012年6月27日号 VOL.1176
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日本人はなぜお辞儀をするのか
(続きは編集後記で)
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【解雇】事業の撤退で余剰社員を解雇したい
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
実は新規事業がうまくいきません。
それで撤退したいのです。
中川:それは残念ですね。
社長:それで、その事業に所属していた4人の社員を解雇したいのです。
法的に問題ありますか?
中川:できるだけ解雇は避けるべきです。
他の部署に異動できませんか?
社長:異動を検討しました。
4人はIT関係の営業が得意です。
この事業を撤退すると彼らに向く仕事がありません。
また、他の事業も業績が悪く、配転する余裕がありません。
申し訳ないと思っていますが、4人を解雇したいのです。
中川:うーん。
就業規則を拝見します。
「事業の縮小その他やむを得ない業務の都合による場合」は解雇
すると明記されていますね。
社長:まさに事業の縮小ですから解雇できますね。
中川:本人たちに今後も会社で働きたいかを確認しましたか?
社長:確認しました。
そしたら、3人は退職するとのことです。
1人だけ、このまま働きたいとのことです。
中川:その人を他の部署に異動できませんか?
社長:1人だけなのでなんとかなります。
しかし、異動させると給料を下げざるを得ません。
異動先の同僚との賃金のバランスが必要だからです。
中川:どのくらい低くなるのですか?
社長:35万円くらいだった給料が25万円くらいになります。
中川:10万円下がるのですか。
それで本人は納得しますかね?
社長:納得しません。
下がるのはおかしいというのです。
仕事の内容が違うのだから納得して欲しいのですが
納得しません。
中川:では、退職のための条件を提示したらどうでしょう?
社長:退職のための条件といいますと?
中川:たとえば、退職金を上乗せ支給するのです。
社長:そうしないと解雇できないのですか?
中川:円満に解雇したいためです。
仮に、就業規則に書いてあるとおり事業を縮小だから
ということで解雇した場合、本人が不満で訴訟を起こ
す可能性があります。
社長:だって、就業規則に書いてあることをそのまま実行するの
ですから訴訟を起こすのはおかしいでしょう。
中川:それも一理ありますが、整理解雇の訴訟における
判決が積み重ねられ整理解雇の4要件なるものができて
います。
社長:整理解雇の4要件とはなんですか?
中川:1.人員整理の必要性
2.解雇回避努力
3.選定基準の合理性
4.労働者との協議、説明
この4要件です。
社長:どこにも退職金の上乗せは書いてありませんが。
中川:4の労働者との協議、説明の一つの手段です。
解雇される人に説明をして解雇を納得してもらうために
退職金の上乗せについて話し合うのです。
今回は配転は本人が承知しないのですから、退職金の
上乗せが現実的な手段だと思い提案したのです。
社長:うーん。
検討します。
(中川コメント)
本日の記事はナショナル・ウエストミンスター銀行事件(東京地裁
平成12年1月21日判決)を参考にしました。
本日の記事が絶対的な対策ではありません。参考程度にしてください。
ナショナル・ウエストミンスター銀行事件は、事業の撤退で解雇する
のですが、解雇する従業員の退職金の上乗せや再就職の斡旋まで会社が
行おうとしました。しかし、本人が納得しないので普通解雇しました。
この事件は解雇有効となりました。
今日はここまで。では、またあした。
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編集後記
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日本人はなぜお辞儀をするのか
世界中には、いろんな挨拶の仕方がある。キスしたり、握手したり、
抱き合ったり、子を合わせたり、お辞儀をしたり、さまざまである。
世界的にみれば、握手や抱擁(キス)が一般的なようだが、日本では
握手やキスをしないで、お辞儀をする。
『魏志倭人伝』には「下戸(下層階級)が道で大人(身分の高い支配階級)
に会うと、草むらに入って道をゆずる。そして、うずくまるかひざまず
いて、両手を地につけ、恭敬の態度を示す」とある。
その昔、日本人は身分の上の者に対して、ひざまずいたり、腹ばいに
なって敬意を表していた。そうした挨拶はやがて廃止され、立礼(立った
ままでのお辞儀)に統一されることになる。
ところで、日本人はなぜお辞儀をするのだろうか。
それについては、一説に日本は湿度が高く、身体が汗でベトついてい
るので、握手やキスのように身体を触れ合わせるのは、不快感を覚える
からだろうといわれている。
(話題のネタ・雑学の本 幻冬舎文庫より)
では、また明日お会いしましょう!!
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