【退職金】懲戒解雇の場合は全額不支給とできるか

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年7月24日号   VOL.1203
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コンピュータは男性形か女性形か

(続きは編集後記で)

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【退職金】懲戒解雇の場合は全額不支給とできるか
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   Aさんが金銭横領をしたので懲戒解雇しました。

中川:いくらの横領ですか?

社長:1000万円くらいです。

中川:それは高額ですね。
   気づかなかったのですか?

社長:書類の改ざんが巧妙で、税理士も見抜けなかったのです。

中川:へえ、頭のいい人ですね。

社長:その才能を仕事に活かせばよかったのに。
   それで、Aさんの退職金は全額不支給としたいのですが
   問題ありませんか?

中川:退職金はいくらですか?

社長:20年くらい勤務していましたので300万円くらいです。

中川:御社の退職金規程を拝見します。
   
   懲戒解雇の場合は退職金を払わないと書いてありますね。
   では、問題ありません。

   就業規則を拝見します。

   社内外を問わず、他人の金銭物品を窃盗した場合は懲戒解雇
   すると書いてありますね。

   問題ありません。

   万全を期した規定です。
   ご立派!

社長:あのう、中川さんのセミナーに参加して教えてもらったひな
   形を使っています...。

中川:ああ、そうでしたね。
   それでみたことがある規定だと思いました。

   ところで横領した1000万円はどうするのですか?

社長:もちろん、全額返済してもらいます。
   横領した金銭は遊興費に使ったようで手元はいくらも
   残っていません。
   だから、分割払いをしてもらいます。

中川:そうですか。
   本人は返済で苦労しそうですね。

社長:そうですね。
   新たな就職先もこれから探さなければならないし、
   懲戒解雇された不利な条件があるので二重苦ですね。

中川:退職金の300万円は懲戒解雇ですから払わなくても良いですが
   払う方法もあります。

社長:はあ?
   どういうことですか?

中川:1000万円のうち300万円はいったん退職金として払って
   即その場で返済してもらうことです。

社長:うーん、そういう手もあるのですね。
   だけど、今回の金銭横領は許せません。
   そんな気持ちはさらさらありません。

中川:そうですか。
   では、全額不支給で良いです。

(中川コメント)

 懲戒解雇した場合の退職金は、長年勤務したことに対する賃金としての
性格を有するので、全額不支給は許されないという判例があります。

 今回の事例は、1000万円の金銭横領という刑事事件を起こしていること、
高額であること、就業規則や退職金規定に懲戒回顧の場合は退職金を
払わないと記載してあることから退職金を全額払わないことでOKです。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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コンピュータは男性形か女性形か

 船は一般に女性形で呼ばれるが、ではコンピュータはどちらなのか、
といった問題に頭を悩ませる女性システムマネージャーがいた。その
答えを得るために、彼女はコンピュータエキスパートのグループを2つ
に分けた。女性と男性のグループである。それぞのグループが、男性
形にすべきか女性形にすべきかを、4つの理由を述べて申告するように
要求された。

 女性のグループは、コンピュータは男性形にすべきだとして、次の
理由をあげた。

 1.彼らの注意を惹くためには、スイッチを入れる必要があること。
 2.データをたくさんもっているが、愚かである。
 3.問題解決の助けにはなるが、彼ら自身も問題である。
 4.もうちょっと待てばもっといいマシンが持てたのに、と持ってし
  まってから気がつく。

 一方、男性のグループは、次の4つの理由でコンピュータは女性形が
ふさわしいと結論した。

 1.神様以外、誰も内部の論理構造か分からない。
 2.他のコンピュータとのコミュニケーション言語は、誰にでも分か
  るものではない。
 3.どんな小さなミスでも、後々の修復のためのメモリにため込まれる。
 4.本体以外に様々なアクセサリーを買わなければならないことに、
  買ってしまってから気がつく。

(HIROSのジョーク集より)

では、また明日お会いしましょう!!

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