【労務管理】パワハラについて

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年9月27日号   VOL.1267
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右上が繋張のピーク! 視覚優位性を攻略すれば印象の操作は自由自在

(続きは編集後記で)

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【労務管理】パワハラについて
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   学校のいじめ問題が絶えませんね。

中川:外国でも問題になっていますね。

社長:いじめは人類の本能ですかね?

中川:本能かどうかは分かりませんが...。
   御社の現場は大丈夫ですか?

社長:問題ないと思います。

中川:思うだけですか?

社長:だって、いじめがあったという話を聞きませんから。

中川:話があるとは限りませんよ。

社長:...。

中川:パワハラも一種のいじめですね。
   パワハラはどうですか?

社長:上司が部下を叱責するのは当然です。
   度が過ぎるとパワハラと言われるのでしょうが、
   時によっては厳しい叱責も必要です。

中川:たしかに、指導とパワハラは紙一重です。
   かりにパワハラとなったらどうなるかご存じですか?

社長:知りません。

中川:パワハラが原因で自殺した事例が少なくありません。
   パワハラが原因であれば労災となります。

社長:労災になるのですか。

中川:労災になると遺族補償の他に慰謝料や損害賠償を
   求められますよ。

社長:労災になるとたいへんですね。

中川:慰謝料や損害賠償を会社と社長が払う事例が
   多いですね。

社長:あのう、慰謝料や損害賠償を会社が払うのは分かりますが
   社長が払うとことがあるのですか?

中川:そうです。
   社長が自腹で払うことになります。
   共同責任となるようです。

社長:いくらくらいになりますか?

中川:数千万円になることがあります。

社長:どうしてそんなに高額なのですか?

中川:逸失利益と言ってその人が自殺をしなかったら将来得たで
   あろう収入を損害賠償として請求してくるのです。

社長:それはたまらんですね

中川:パワハラやいじめがないようにしなければならないのです。

社長:それは分かりますが具体的にはどのような方法がありますか?

中川:学校のいじめは周囲が気づいていましたね。
   しかし、これを放置していたことが自殺になりました。
   会社も同じです。
   いじめやパワハラを早めに把握し対策をとることです。

社長:どのようにしたらいじめやパワハラを把握できますか?

中川:たとえば、苦情処理委員会を設置します。
   事務局にはいじめやパワハラの情報が集まるようにします。

社長:情報が集まりますかね?

中川:事務局は信頼のある人を指名します。
   口の堅い人が絶対条件です。

社長:それで集まりますか?

中川:従業員には苦情処理委員会を設置したこと、なにかあったら
   事務局の○○氏に相談するようにと周知します。

社長:みんなの目があるので相談しにくいのでは?

中川:メールや手紙、外部での相談もOKにすることです。

社長:メールや手紙は匿名の可能性がありますが。

中川:匿名や原則としてダメだと周知します。
   氏名や公表しないから実名を原則とするということで。

社長:で、もし、いじめやパワハラがあったら?

中川:まずは事実関係を把握することです。

社長:それから?

中川:それから先は事実関係をもとに関係者と話し合うことに
   なります。

社長:アンケートを全員からとるのはどうでしょう?

中川:それもいいでしょう。
   匿名にするか記名式にするかは難しいところです。

社長:何が難しいのですか?

中川:匿名にすると単なる誹謗中傷になり社内が混乱する可能性が
   ありますが、情報が得やすいです。
   記名式にすると自己防衛から情報を得にくくなる可能性が
   ありますが情報に真実みが増します。

社長:なるほど。
   アンケートをとることで幹部会にて審議します。

(中川コメント)

 いじめやパワハラを放置すると経営者の責任になる可能性が高いです。
いじめやパワハラの情報はアンケートなどで定期的に収集する、あるいは
苦情処理委員会を設置するなどの対策を推奨します。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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右上が繋張のピーク! 視覚優位性を攻略すれば印象の操作は自由自在

 人聞がものを見る場合には、ある程度一定した法則があるという。
 法則の内容は、左側に見えるものよりも右側のほうが、同様に下に
見えるものよりも上に見えるもののほうが「優位」に感じられるとい
うもので、『視的文法」と呼ばれている。

 社会の中には、この「視的文法』をベースとした「配置」がよく見ら
れる。例えば、舞台の花道。歌舞伎座や国立劇場など花道がある劇場は
すべて、この花道が左から右へと引いてある。ストーリーの進行、山場
に合わせて、左から右へと流れていくことが、観客の興奮を大きくする
と考えられているからだ。

 また、ニュース番組での男女キャスターの並びにもこの「視的文法』
が生かされている。男性が右、女性が左に配置されているのがほとんど
で、女性としてのソフトさと男性としての弱さ・安定感を違和感なく配
した結果であるといえるだろう。お笑い芸人のボケが左、ツツコミが右
の並びにも、同様の意味合いがあるはずだ。

 プレゼンテーションの資料作りから、食事の場での席順まで。この
「視的文法』を生かせば、一般社会でも十分にアドバンテージをとるこ
とができる。

(本当は怖い心理学 齋藤勇監修 イーストプレスト刊より)

では、また明日お会いしましょう!!

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