【人事】報復目的の人事異動は許されない
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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳 2013年8月9日号 VOL.1591
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初めの一歩は自分への尊敬から
(続きは編集後記で)
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【人事】報復目的の人事異動は許されない
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
報復目的の人事異動とはなんですか?
中川:たとえば、退職勧奨をしたが応じないため、報復のため
配置転換をすることです。
配置転換先は、業績不振の部署であったり、閑職であったり
します。
それに伴い給料を減額するようなことも。
社長:本人はいたたまれないでしょうね。
中川:そうですね。
中川はそのような扱いを受けたら、やる気が失せて退職する
でしょうね。
社長:それだと経営者の思うつぼでしょう。
中川:そうかもしれませんが、よほど精神的に強くないと、在籍を
続けるのは難しいでしょう。
社長:報復目的の人事異動は頻繁にあるのですか?
中川:統計があるかどうか知りません。
頻度は多くないかもしれませんが、あるでしょうね。
社長:何か事例がありますか?
中川:Aさんは営業業務をしていますが、会議等で率直に意見を
述べるので、社長の息子と折り合いが悪かったのです。
社長:そうですか。
中川:Aさんにとって不幸だったのは、社長の息子が社長になった
ことです。
就任後まもなくAさんに退職勧奨をしてきました。
社長:露骨ですね。
中川:しかし、Aさんは退職勧奨を拒否しました。
それにもかかわらず、退職勧奨を続けました。
社長:Aさんはがんばりますね。
中川:そうですね。
中川ならとっくに退職していますが...。
退職勧奨に応じないので、倉庫業務に配転を命じ、
課長から平社員に降職させ、給料を
約35万円→約16万円に下げました。
社長:それは極端ですね。
中川:そうです。
倉庫業務は1人で十分な作業量なのです。
配転で2人になりましたがそれだけの作業量はないのです。
給料の下げ方が大幅なのです。
あきらかに報復人事です。
社長:で、どうなりましたか?
中川:裁判沙汰になりました。
高裁では、降職、配置転換、給料の減額は人事権の
乱用であり無効と判決しました。
社長:なるほど。
極端すぎますからねぇ。
中川:Aさんと社長はよほどそりが合わなかったのですね。
社長:Aさんは営業成績が悪かったということはないのですか?
中川:課長職までやっているのです。
適正は十分にあったのです。
社長:なるほど。
(中川コメント)
本日の記事は下記の判例を参考にしました。従業員は39名です。
「営業部から倉庫業務への配転命令および課長職から運搬職への賃金減額を
伴う降格命令は、人事権の乱用であり、いずれも無効」
(新和産業事件 大阪高裁 平25.4.25判決)
本件は、大阪営業部から大阪倉庫への配転命令を受けるとともに、課長の職
を解く降格命令を受け、これに伴い賃金が減額されたH(1審原告)が、会
社(1審被告。以下、S社)に対し、配転命令および降格命令は無効であると
主張し、
1.大阪倉庫において就労する義務がないことの確認
2.賃金の減額分の支払い等を求めた
事案である。
1審の大阪地裁(平24.11.29判決)は、配転命令および降格命令をいずれも
無効とし、上記請求を認容したが、2については一部を認容し、不法行為に
基づく損害賠償額40万円の支払いをS社に命じた。その後、双方の控訴に対し
て、大阪高裁は、退職勧奨に応じないことへの報復だとして配転命令、降格
命令を無効とし、未払い賃金請求については、新たに一時金未払い分約73万円
の支払を加え、損害賠償額を60万円に変更し、S社の控訴を棄却した。
今日はここまで。では、またあした。
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監督署に聞くに聞けない問題の相談に乗ります
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解雇とか賃金の切り下げとか微妙な問題は、労働基準監督署に聞くわけに
もいかない。だいたい、俺は忙しいのだ。本を読んでいる暇はないし、
第一、資金繰りや営業のことで頭がいっぱいでそれどころではない。
誰か、いないのか?
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編集後記
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初めの一歩は自分への尊敬から
自分はたいしたことがない人間だなんて思つてはならない。それは、
自分の行動や考え方をがんじがらめに縛ってしまうようなことだからだ。
そうではなく、最初に自分を尊敬することから始めよう。まだ何もし
ていない自分を、まだ実績のない自分を、人間として尊敬するんだ。
自分を尊敬すれば、悪いことなんでできなくなる。人間として軽蔑さ
れるような行為をしなくなるものだ。
そういうふうに生き方が変わって、理想に近い自分、他の人も見習い
たくなるような人間になっていくことができる。
それは自分の可能性を大きく開拓し、それをなしとげるにふさわしい
力を与えることになる。自分の人生をまっとうさせるために、まずは自
分を尊敬しよう。
「力への意志」
(ニーチェの言葉 ディスカバー・ツゥエンティワン刊より)
では、また明日お会いしましょう!!
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