【労務管理】11月は、過労死等防止啓発月間です

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る。
作者: 中川清徳  2015年11月14日号   VOL.2462
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人間は小さな造物主になれる

(続きは編集後記で)

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【労務管理】11月は、過労死等防止啓発月間です
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 過労死等防止対策推進法では、過労死等を防止することの重要性
について国民の自覚を促し、これに対する国民の関心と理解を
深めるため、毎年11月を「過労死等防止啓発月間」と定めています。
本年7月に閣議決定された「過労死等の防止のための対策に関する
大綱」に基づき、厚生労働省は全国でシンポジウム開催をはじめ
として、広く啓発活動を行なう予定です。

~過労死等防止啓発について~

1.過労死等の定義
 ・業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因
  とする死亡
 ・業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする
  自殺による死亡
 ・死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神
  障害

2.長時間労働と過労死等
 長時間にわたる過重な労働は、疲労の蓄積をもたらす最も重要
 な要因と考えられ、さらには脳・心臓疾患との関連性が強いと
 いう医学的知見が得られています。脳・心臓疾患に係る労災認定
 基準においては、週40時間を超える時間外・休日労働がおおむね
 月45時間を超えて長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々
 に強まり、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間
 ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える
 時間外・休日労働が認められる場合は、業務と発症との関連性
 が強いと評価できるとされています。

 また、業務における強い心理的負荷による精神障害で、正常の
 認識、行為選択能力や自殺行為を思いとどまる精神的抑制力が
 著しく阻害され、自殺に至る場合があるとされています。

3.過労死等防止は喫緊の課題
 過労死等の原因の一つである長時間労働を削減し、仕事と生活の
 調和(ワーク・ライフ・バランス)を図るとともに、労働者の健康
 管理に係る措置を徹底し、良好な職場環境(職場風土を含む)を
 形成の上、労働者の心理的負荷を軽減していくことは急務となっ
 ています。

4.過労死等防止に関連する国の目標
 将来的に過労死等をゼロとすることを目指し、
 ・週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下に(平成32年まで)
 ・年次有給休暇取得率を70%以上に(平成32年まで)
 ・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上に
  (平成29年まで)
 とする目標を早期に達成することを目指す。

 また、今後おおむね3年を目途に
 ・全ての都道府県でシンポジウムを開催するなど、全国で啓発
  活動が行われるようにする
 ・身体面、精神面の不調を生じた労働者誰もが必要に応じて
  相談することができる体制の整備を図ることを目指す
 こととされています。

5.事業主が講ずべき措置
 労働契約法第5条では、使用者は、労働契約に伴い、労働者が
 その生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、
 必要な配慮をするものとすると規定されており、労働安全衛生法
 第3条第1項では、事業者は、職場における労働者の安全と健康
 を確保するようにしなければならないと規定されています。
 職場における取組としては、労働基準や労働安全衛生に関する
 法令を、事業主が遵守することが重要です。

 また、過労死等の主な原因の一つである長時間労働の削減や、
 賃金不払残業の解消、年次有給休暇の取得促進のためには、
 単に法令を遵守するだけではなく、これまでの働き方を改め、
 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のとれた働き方
 ができる職場環境づくりを進める必要があります。

 さらに、働き過ぎによる健康障害を防止するため、メンタル
 ヘルス対策や生活習慣病の予防などの健康づくりなどへの取組
 も重要です。そうした取組は企業価値を高めることにつながり
 ます。

 一方、過労死等を発生させた場合には、その価値を下げ、企業
 経営に多大な影響を与えかねません。過労死等の防止のためには、
 事業主はもちろん、それぞれの職場を実際に管理する立場にある
 上司も理解を深めることが重要です。

(中川コメント)

 月80時間以上の残業は過労死と認定される可能性が高いです。
残業時間の確認をしましょう。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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人間は小さな造物主になれる

 人聞はただ単に生まれて死んでいくことだけをよしとしていてはいけ
ない。人間は他の一切の動物に超越し、前代の文明に超越し、そしてま
た、自己をも超越していくことを望むものだ。
 これは大いなる造物主が人間にだけその意志の中に参画してくること
を許しているということである。これは、言い換えれば、人間は小さな
造物主になり得るということなのだ。

(努力論 幸田露伴 三輪祐範訳 ディスカバー刊より)

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