【賃金】住宅手当を新規に支給したい

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労務管理に奇策なし！大企業20年、中小企業13年　人事労務畑一筋で
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発行者：　中川清徳 　2018年8月26日号 VOL.3713
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名誉職とは

（続きは編集後記で）

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　【賃金】住宅手当を新規に支給したい
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中川：こんにちは。

社長：こんにちは。
　　　おかげさまで経営が安定してきました。
　　　感謝の気持ちを込めて住宅手当を新規に支給したいと考えています。

中川：ご立派です。
　　　いくらの金額ですか？

社長：月額1万円です。

中川：対象者は？

社長：全員です。

中川：パートさんにも？

社長：いいえ、パートには支給しません。

中川：どうして住宅手当を支給するのですか？
　　　基本給を上げることは検討しましたか？

社長：もちろんしました。
　　　しかし、基本給を上げると退職金や賞与が上がるし、残業単価も
　　　上がります。
　　　だから、基本給を上げないで、住宅手当を新設するのです。

中川：住宅手当は残業単価に反映されますよ。
　　　残業単価を上げたくないから住宅手当を新設するのであれば
　　　意味がありません。

社長：どこかで住宅手当は残業単価に関係ないと聞きました。

中川：それは正しくあり、正しくありません。
　　　住宅環境に応じて住宅手当を支給するのであれば、残業単価の基礎に
　　　含めなくても良いです。
　　　しかし、全員一律に支給するのであれば、残業単価の基礎にしなければ
　　　いけません。

社長：そうですか。
　　　それはわかりました。
　　　しかし、基本給を上げると賞与や退職金もアップします。
　　　やはり住宅手当の新設で対応したいです。

中川：それは賞与や退職金が基本給に連動しているからです。
　　　基本給を上げたいが、賞与や退職金を上がるから住宅手当を増やす
　　　というのは本末転倒です。

社長：どうすればいいですか？

中川：賞与も退職金も基本給連動をしなければ良いです。

社長：では、賞与や退職金制度を見直す必要がありますね。

中川：経営は継続してなんぼのものです。
　　　将来ことを考えると賞与や退職金は基本給連動を止めたが良いと
　　　思います。

社長：わかりました。
　　　中川さん、見直しを手伝ってもらえますか？

中川：はい、よろこんで。

（中川コメント）

残業単価を増やしたくないために一律に支給する住宅手当を新設することは
賛同しかねます。
また、転勤がない会社であれば、住宅手当の支給を正社員だけでなく
パートや嘱託にも払わなければならないかもしれません。

ハマキョウレックス事件では正社員は転勤があるから正社員のみ住宅手当を
支給するのはOKとなりました。

長澤運輸事件では住宅手当は正社員は幅広い年代が存在し、生活補助の
意味だから正社員のみ住宅手当を支給するのはOKとなりました。

なにかと物議をかもす住宅手当です。

新設しないのがよいでしょう。
現在、住宅手当を支給している会社は、できれば廃止する方向で検討する
ことを推奨します。

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　　　　編集後記 　　　　　
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名誉職とは

「ねえ、お父さん。"名誉職"ってなあに？」

「"名誉職"っていうのはね、家にお客さんが来たときだけ、母さんが父さん
を"主人"と持ち上げるだろ？つまり、"主人"が父さんの"名誉職"ってわけさ」

（これが本当のジョーク世界一　より　天満龍行編著　アカデミー出版）

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