【賃金】定年後の基本給を下げてるとダメなのか?

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳  2018年8月29日号 VOL.3718
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牛乳の飲み方も、国によって違うの?
(続きは編集後記で)
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 【賃金】定年後の基本給を下げてるとダメなのか?
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   長澤運輸事件を最近聞くことが多くなりました。
   どのような事件なのですか?
中川:運送会社で定年退職した従業委員が定年前と同じ仕事をしている
   のに賃金が下がるのは違法だと訴えたものです。
   6月に最高裁判決がありました。
   そのことを指しています。
社長:弊社も定年後は基本給を下げています。
   どうなりましたか?
中川:いろいろな要素を勘案して判決がでていますので、簡単には
   言えませんが、分かりやすくするために単純化します。
社長:そうしてください。
   法律の条文を読んでもよく分かりません。
   判決文はさらにわかりません。
中川:そうですね。
   定年後に基本給を下げることはOK。
   定年後、家族手当、住宅手当を支給しないことはOK
   定年後、精勤手当をしないことは違法。
   ということです。
社長:どうして精勤手当を支給しないのは違法なのですか?
中川:出勤を奨励する目的だからです。
   その目的は定年前の従業員でも定年後の従業員でも同じだからです。
社長:ふーん。
   なんとかく分かります。
   であれば、家族手当、住宅手当を支給しないようにするのも
   違法ではないですか?
   家族手当、住宅手当は生活補助が目的ですから、定年前も定年後も
   目的は同じです。
中川:そこがややこしいところです。
   家族手当、住宅手当は定年までの雇用を前提としたいろいろな
   従業員がいるが、定年後の人は再雇用する人だから支給しなくても
   同一労働同一賃金に違反しないというのです。
社長:...??????
   さっぱりわかりません。
中川:うーん。
   簡単に言うと、正社員は長期雇用(定年まで働く)を前提として
   いるが、再雇用者は長期雇用を前提としていないからです。
社長:それを言うなら、精勤手当も一緒でしょう?
中川:精勤手当は長期雇用でなくても意義が同じだからです。
社長:基本給を下げることはOKですね?
   同じ仕事しているのに基本給が下がるのはおかしいといえば
   おかしいですよね。
中川:そのとおりです。
   同一労働同一賃金ということであれば、定年前の仕事と定年後の
   仕事が同じなのに基本給が下げるのは違法です。
   しかし、正社員は長期雇用を前提にしているが、嘱託は長期雇用を
   前提としていないので、違法ではないとなりました。
社長:うーん。
   弊社の賃金制度は見直す必要がありますか?
中川:手当の見直しをしたほうがよいですね。
社長:手伝っていただけますか?
中川:はい、よろこんで。
(中川コメント)
定年後も同じ仕事をしている(トラックのドライバー)のに給料が下がるのは
同一労働同一賃金に違反するという長澤運輸の訴訟は大変注目されました。
一審では会社が敗訴、二審では会社が勝訴、最高裁では手当を個別に判断し
労使のどちらが勝ったかはなんとも言えませんが、会社の勝訴に近いでしょう。
多くの経営者が最高裁の判決にホッとしたことでしょう。
定年後も同じ仕事をしていれば給料を下げるのは違法だと
判決されたら日本中の会社が大パニックになっていたと思われます。
場合によっては正社員の給料を下げる動きがでたかもしれなかったです。
働き方改革の法案成立、ハマキョウレックス事件、長澤運輸事件の最高裁の
判決と材料が出そろいました。
あなたの会社の賃金制度も見直しが必要かもしれません。
下記のセミナーが参考になります。
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    ご質問、ご感想、ご意見をお待ちしています      
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    編集後記      
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牛乳の飲み方も、国によって違うの?
日本人一人あたり一日平均100ミリリットルの牛乳を飲むといわれます。
いっぽう、欧米人の消費量は日本人の2~3倍。
この差は一体どこにあるのでしょうか?
育ち盛りの子どもならいざ知らず、大人が水がわりに牛乳を飲むとは想像
しにくいですし...。
ということで、日、米、英、伊の午乳の飲み方をみてみました。
「直接飲用」つまり、そのままゴクゴク飲むのが多いのは日、米。
それぞれの牛乳消費量の七割、六割を占めています。
これに対して英、伊はコーヒー・紅茶などに入れて飲む方法がトップ。
英は四割強、伊はなんと八割近くを飲み物に入れることで消費しています。
また、米、英では、シリアルに牛乳をかけるため、二割強をそれで消費。
日本がたった三パーセントであることと比べると食の「お国がら」の違いが
はっきり表れています。
また、牛乳を料理に用いて消費する割合も日は四か国中最低で一割以下。
ちなみに英では二割近くを料理で消費しています。
カルシウム以外にも良質のタンパク質や脂肪、乳糖、ビタミンなどを含む牛乳。
ぜひ、もっと料理などにとり入れたいものです。
なお、牛乳には鎮静作用や安眠効果もあるので寝つけないときはお試しを。
冷たい牛乳を飲むとお腹の調子を崩す人は、温めて飲むといいでしょう。
(絶対にすべらない無敵の雑学より 角川学芸出版)
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 解雇とか賃金の切り下げとか微妙な問題は、労働基準監督署に聞くわけに
もいかない。だいたい、俺は忙しいのだ。本を読んでいる暇はないし、
第一、資金繰りや営業のことで頭がいっぱいでそれどころではない。
誰か、いないのか?

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