【賃金】通勤の交通機関遅延は賃金カットしてよいか

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳  2019年2月5日号   VOL.3954
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「長く一緒にいるんだから、私がしてほしいことはわかって当たり前」
(続きは編集後記で)
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【賃金】通勤の交通機関遅延は賃金カットしてよいか
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1.ノ ーワーク・ノーペイの原則
労働契約の下、労働者は、使用者の指揮命令に従って一定の労務を提供
する義務を負担し、使用者はこれに対して一定の賃金を支払う義務を
負担するのが最も基本的な法律関係である。
したがって、労働者が実際に労務を提供しない限り、使用者は、賃金の
支払い義務を負わないことが原則である(ノーワーク・ノーペイの原則)。
2. 労使双方に責任がない労務提供不能の場合
労働者が、労働契約の本旨に従った労務提供の意思を有し、かつ、その
用意をしているにもかかわらず、通勤途上の交通機関の遅延や事故のため
に賃金を支払わないことは許されるだろうか。
このように、労務提供が不可能となったことについて、使用者・労働者の
どちらにも責任がない場合については、労基法には特に定めがない。
そのため、民法の一般原則に戻ることになるが、民法536条1項は「当事者
双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することが
できなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない」
と定めている。
すなわち、使用者・労働者のどちらの責めにも帰することができない事由
によって債務を履行(労務提供)できない場合、労働者は、反対給付で
ある賃金を受ける権利がないということになる。
したがって、交通機関の遅延や事故などで遅刻や欠勤をした場合に、
賃金カットをすることは可能であり、賃金を支払うよう配慮すべきとまで
はいえない。
ただし、就業規則や賃金規程において、そのような場合でも賃金を支払う
旨の定めがある場合には、その規定に基づいて支払う義務がある。
また、賃金を支払う旨の定めがなくても特に賃金カットしない運用として
いる会社もある。
(中川コメント)
交通機関遅延等は会社に責任がありませんから、遅刻した場合その分を
賃金カットすることはOKです。
ただし、会社で手配している通勤バスなどが渋滞等で遅延した場合は
会社の責任になりますので、遅刻をしても賃金カットはできません。
遅延証明書は無断遅刻でないことを確認する扱いとし、遅刻分は賃金
カットでもOkです。
多くの会社(中川の経験値)は賃金カットしていませんが、法的には
賃金カットはOKです。
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    編集後記      
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「長く一緒にいるんだから、私がしてほしいことはわかって当たり前」
怒りには、身近な対象に対して強くなるという性質もあります。
これは「長く一緒にいる相手のことはコントロールできるのではないか」と
いう思い
込みを抱きやすくなるからです。
身近な相手に対して次のようなことを思ったことはありませんか?
「長く一緒にいるんだから、私がしてほしいことはわかって当たり前」
身近な相手には、期待が高くなり、甘えも生じやすくなります。
そのため、相手に怒りが向きやすくなり、怒りの程度も強くなってしまう
のです。
・長く一緒にいても、自分とは違う人間
・違う「べき」をもっている
・身近な相手でも、言わなくてはわかってもらえない
大切な相手、だからこそ、このことを知っておきたいですね。
(アンガーマネジメント 戸田久実著 かんき出版刊より)
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