◆今月の経営格言 重松理

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年
人事労務畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が
中小企業経営者のために語る

発行者: 中川清徳  2024年3月17日 VOL.5537
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農林水産省は、ブロッコリーを「指定野菜」に加えると
発表しました。

(続きは編集後記で)

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◆今月の経営格言 重松理
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◆今月の経営格言

「『進化する老舗』を目指す」

重松理(株式会社ユナイテッドアローズ創業者)

出所:「日経金融新聞(1999年8月6日付)」
(日本経済新聞社)
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冒頭の言葉は、

「長く愛されながらも、新しいスタイルを生む努力が欠かせない」

ということを表しています。

ユナイテッドアローズのようなセレクトショップの顧客は、
比較的ファッションに関心が高い層で、トレンドを取り入れ
ながらも、「人とかぶる(同じ)洋服は嫌だ」「ファストフ
ァッションよりも、上質な洋服を身に着けたい」などのこだ
わりを持っています。こうした顧客のニーズに応えていくた
めには、多様な商品構成を実現する必要があります。このよ
うな事情からセレクトショップは「商品数を絞って大量仕入
れによって、仕入れコストを抑える」といったような、効率
重視の経営が難しい面があります。また、仕入れについても、
バイヤーのセンスや勘に頼る部分が大きいため、“当たり外
れ”が大きく、多店舗展開が比較的難しいといわれています。

にもかかわらず、ユナイテッドアローズは東証1部に上場し、
全国的な多店舗展開を実現しています。その最大の理由は、
自社企画商品だといわれています。一般的なセレクトショッ
プのビジネスモデルは、バイヤーが国内外のメーカーやデザ
イナーなどから商品を仕入れ、それを自店で販売するという
ものですが、ユナイテッドアローズでは、積極的に自社企画
商品を投入しています。また、重松氏は自社企画商品の中で
も、多くの顧客に受け入れられやすい定番商品を充実させて
います。ただし、定番商品だけでは面白みがないため、時代
に合わせてわずかなデザインの変更や、季節商品を通年で着
用できるように素材を変えたりする工夫を行っています。こ
うした商品は、長く愛される一方で、流行遅れになりにくい
のです。重松氏は、これを「進化する定番商品」と表現して
います。

「進化する定番商品」や冒頭に挙げた「進化する老舗」とは、
「進化するもの」「ずっと継続してきたもの(定番、老舗)」
という矛盾する要素を両立しなければなりません。

矛盾する要素を融和させることは容易ではありませんが、重
松氏の次の言葉から、その秘訣を探ることができるでしょう。

「よく、一番好きなものは残しておけ、とか一番好きなこと
は仕事にすべきではないとか言うけれど、全然そうは思い
ませんね。自分は一番好きなことを最初にするタイプなの
です」

一般論として、「自分の好きなことを重視するだけではビジ
ネスは成立しない」という考え方があります。確かに、顧客
を無視し、好き勝手をして成功するほどビジネスは甘くはあ
りません。しかし、その一方で「自分の好きなことを仕事に
できたら幸せ」という考え方もあります。その理由は、好き
なものに対して、人は継続的に強い情熱を傾け続けることが
できるからです。

多くのセレクトショップは、経営者の好みによって雰囲気や
ラインが決まります。経営者の好き嫌いがはっきり出やすい
業態といえ、それが顧客に受け入れられるか否かが成功か失
敗かの分かれ道になります。重松氏もセレクトショップとい
う業態やそこで販売する洋服に強いこだわりを持っており、
そうした意味では、他のセレクトショップと類似した面があ
ります。

ただし、自分の好きなものを“全力”で打ち出したからとい
って、全てが成功するわけではなく、顧客と対話しながら、
受け入れられるラインを探る必要があります。具体的には、
自分の好みが「ここまでなら顧客に受け入れてもらえるが、
ここから先は受け入れてもらえない」といったラインをイメ
ージすることです。こうした試行錯誤の中からトレンドを追
いかけて、短期間で商品が入れ替わるセレクトショップにあ
っては異質と感じられる「進化する定番商品」といったよう
な、斬新な取り組みが生まれてくるのでしょう。

経営者は、自社の事業にこだわりを持ち、とことん好きにな
っているはずです。その思いは、経営に対する“情熱の源泉”
であり大切にしなければなりません。しかし、自分の思いだ
けを大切にしていては次のステージには進めないかもしれま
せん。

顧客はもちろん、従業員や友人の考え方を知り、それをその
まま受け入れるのではなく、自分の思いとバランスを取ろう
と試行錯誤していく過程の中で、新しいビジネスのアイデア
が生まれるのだといえるでしょう。

【本文脚注】
本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。
本稿で記載している内容は作成および更新時点で明らかにな
っている情報を基にしており、将来にわたって内容の不変性
や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では
内容に即した肩書を使用しています。加えて、経歴について
も、代表的と思われるもののみを記載し、全てを網羅したも
のではありません。

【経歴】
しげまつおさむ(1949~)。神奈川県生まれ。
明治学院大学卒。
1989年、株式会社ユナイテッドアローズ
(本稿では「ユナイテッドアローズ」)設立。

【参考文献】
「日経金融新聞(1999年8月6日付)」
(日本経済新聞社、1999年8月)
「『好き嫌い』と経営」
(楠木建編著、東洋経済新報社、2014年7月)
「日経ビジネスオンライン(2009年8月7日付)」
(日経BP社、2009年8月)

[中川コメント]
本日の記事は弊社が有料会員となっている「中小企業福祉
事業団」が提供する情報を転載しました。

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編集後記
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農林水産省は、ブロッコリーを「指定野菜」に加えると
発表しました。

国は、消費量が多く国民にとって重要な野菜を「指定野菜」
として位置づけ、安定的に供給できるよう支援しています。

他の指定野菜は14種類あり、キャベツ、きゅうり、里芋、
大根、トマト、なす、人参、葱、白菜、ピーマン、レタス、
玉ねぎ、ほうれん草、じゃがいもです。じゃがいもが
追加されて以来、半世紀ぶりの新規追加となりました。

ブロッコリーは30年ほど前に普及したばかりの野菜ですが、
栄養価が高く調理が簡単なため急激に消費が拡大し、
日本の食卓の定番野菜となりました。産地によって収穫期が
異なるため、年間を通して流通しています。出荷量は、
約10年前より3割増、約20年前の2倍以上となっています。

ブロッコリーは「野菜の王様」と呼ばれるほど栄養素密度の
高い野菜。がんのほか、高血圧、肥満、糖尿病、脳の働きの
活性化など嬉しい効果が期待できそうです。

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ご注意
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このメルマガは、わかりやすさを重視しています。
そのため、用語の使い方、表現の仕方等が不正確な場合が
あります。
むつかし法律条文や判例をわかりやすく説明するために正確な
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このメルマガ記事による損害賠償には一切応じられないことを
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