無許可残業と未払リスクへの対応

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中小企業の人事労務管理に役立つピカイチ情報

「労務管理に奇策なし」
大企業で20年、中小企業13年の経験を持つ人事労務のプロが
中小企業経営者・労務担当者のために語る!

発行者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2025年3月2日 Vol.5886
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ビジネスの世界では、正解が一つとは限らず

(編集後記へ)

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無許可残業と未払リスクへの対応
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Q
ある部署の部下が、翌日の顧客対応に備えて残業申請をしま
したが、上司が承認しませんでした。しかし、業務の都合上、
やむを得ず残業をしたものの、上司はその残業を認めようと
しませんでした。結果として、未払い残業代の請求リスクが
生じました。
上司は「あいつが勝手に残業したので認めない」と言い、
部下は「必要だから残業をしたので、残業を当然認めるべき」
と言い、板挟みになっており、対応に苦慮しています。
どうしたらいいですか?

A
この状況では、以下の3つの視点から対処するのが適切です。

1. 法的観点からの確認
労働基準法では、実際に労働を提供した場合、事前承認が
なくても使用者は賃金を支払う義務があります。
つまり、「勝手に残業したから払わない」という理屈は
法的には通用しません。
ただし、会社として適切な残業管理を行っていたかが
問われるため、以下を確認してください。

・労働時間の記録:タイムカードや勤怠システムに記録が
残っているか?
・業務の必要性:部下が残業せざるを得なかった業務の内容を
明確にする。
・過去の対応:これまでも同様のケースがあったか?
一貫性を持った対応が取れているか?

2. 会社のルールとしての見直し
板挟みにならないためには、曖昧なルールのまま放置せず、
再発防止策を整備する必要があります。

具体的には:

・緊急性のある業務の事後承認ルールを明確にする
→ 例えば、「緊急性が高い業務は事後承認可」など、
状況に応じたフローを設ける。

・上司の対応基準を見直す
→ 部下の残業を認めなかった理由が「単なる拒否」なら
改善が必要。判断基準を明確にし、合理的な対応を求める。

・コミュニケーションの改善
→ 上司と部下で、「なぜ残業が必要だったのか」話し合う
場を設ける。今後の対策について共通認識を持つことが大切。

3. 具体的なアクションプラン
今回の件については、上司の独断で「認めない」とするのは
問題があるため、記録を基に客観的な判断を行い、未払い
残業のリスクを回避することが重要です。
同時に、組織全体の残業ルールを見直し、再発防止に
努めましょう。

[中川コメント] 形骸化しがちな事前申請制度を維持されているのは
評価できます。
上司が残業申請を承認しない理由をその場で説明すれば
トラブルは防げた可能性があります。

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編集後記
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ビジネスの世界では、正解が一つとは限らず

ビジネスの世界では、正解が一つとは限らず、最適な答えを
導くには推論が重要です。推論とは、知識や経験を総動員し、
状況に応じた最適な解決策を見つけること。知識の蓄積、
観察、選択、シミュレーションのプロセスを繰り返し、
論理的思考を鍛えることが求められます。
また、ロジカル・シンキングにより問題を構造化し、
多面的に分析することで、より適切な判断が可能になります。

出典:(職場の心理学 齊藤 勇著 西東社刊より)

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