『「ペットボトル入りビール」買うのは誰?』

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中小企業の人事労務管理に役立つピカイチ情報

「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業13年の経験を持つ人事労務のプロが
中小企業の経営者・労務担当者のために語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2025年4月11日 Vol.5927
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大西卓哉宇宙飛行士が3月16日、
ISS(国際宇宙ステーション)に到着しました。
(続きは編集後記へ)

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◆ 今月の経営者向け読み物
『「ペットボトル入りビール」買うのは誰?』
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1970年の大阪万国博覧会。炎天下の中、列に並ぶ人たちが手に
した何かを飲んでいる。

「なにあれ? 美味しそう」

その飲み物は、缶コーヒーです。万博をきっかけに缶コーヒー
は一気に広まりました。当時、屋外で飲むコーヒーといえば、
駅の売店などの「瓶コーヒー(コーヒー牛乳)」が主流でした。
店頭で飲み終え、瓶を返さなければならない「瓶コーヒー」と
違い、移動しながら飲める「缶コーヒー」は画期的だったのです。

一方、今じわじわと広がっているのが、「ペットボトルに入っ
たビール」です。

「なにそれ? 飲んだことない。美味しいの?」

いやいや、すでに飲んでいるかもしれませんよ。

ペットボトル入りのビールは、私たち消費者ではなく、主に
「飲食店」向けに販売されています。

通常、「居酒屋」などお酒を提供する店は、金属製の「樽」に
入った生ビールを仕入れています。この樽はビールサーバーに
セットされ、ビールはサーバー内のホースを通るときに瞬間冷
却されます。樽自体を冷やす必要がないため、ビールの注文が
多い居酒屋に適しています。ですが、「飲食店」には不向きな
のです。

飲食店は、居酒屋ほどビールの注文が多くありません。回転率
が低いのです。しかし、樽は7リットルという大容量。消費期限
(開栓後使い切り推奨期間)は3日間。つまり、1日あたり「中
ジョッキ8杯」売らなければ廃棄損が出てしまう。加えて、重さ
10キロの樽は取り回しが大変。交換手順も複雑。毎日のホース
洗浄にも一苦労。飲食店にとって生ビールは「厄介者」でした。

ところが、キリンのビールサーバー「TAPPY」の登場により状況
が変わります。TAPPYにセットするビールは、7リットルの金属
の樽ではなく、3リットルの「ペットボトル」なのです。

消費期限は7日間。1日あたり「中ジョッキ1.5杯」売れればいい
ので廃棄損の心配が無い。軽いので取り回しがしやすい。ペッ
トボトルなので交換も簡単。サーバー内のホースが短いので洗
浄も楽。では、味は? 変わりません。むしろ、外に置きっぱ
なしにされる樽よりも、冷蔵庫で保管されるペットボトルの方
が、新鮮さが保たれ「美味しい」という意見もあるくらい。

TAPPY導入店は、じわじわと増加し、サービス開始から2年半で
2万店を突破。当初のターゲットだった小規模飲食店はもちろん、
なか卯やペッパーランチ・富士そばなどのチェーン店、そして、
ゴルフ場や社員食堂という想定外の顧客層にまで広がっています。

TAPPYの成功から学ぶべきことは何でしょうか。「誰に売るか」
をとことん考える、ということではないでしょうか。

居酒屋と飲食店を同一に扱うのではなく、別の顧客層としてと
らえる。「誰に」を細分化する。すると違いが見えてくる。狭
い店舗。回転率の低いビール。少ないスタッフ。ならば「扱い
やすいペットボトルで提供してはどうか」というアイデアが生
まれてくる。

「誰に、何を、どのように売るか」。
マーケティングで頻繁に使われる切り口です。

樽もペットボトルも中身はビール。「何を」はそのまま。
変えたのは「誰に」でした。

「誰に」を細分化すると、「どのように売るか」が見えてくる
かもしれません。瓶ではなく缶を採用したUCC、樽ではなくペ
ットボトルを思いついたキリンのように。

(執筆 関谷中小企業診断士事務所 関谷 信之)

【中川コメント】
本日の記事は弊社が有料会員となっている「中小企業福祉
事業団」が提供する情報を転載しました。
ビールの中身はそのままに、ペットボトルという「形」と
「届け先」を変えただけで、新しい価値が生まれた。
これは、「既存のサービスを再定義する」ヒントでもあります。
自社の商品も、届け方次第で化けるかもしれません。

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編集後記
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大西卓哉宇宙飛行士が3月16日、
ISS(国際宇宙ステーション)に到着しました。

今回のミッションではISSの船長を務め、
約半年間にわたる長期宇宙滞在が始まっています。

長期滞在となると、日々の楽しみの一つが食事です。
人類の宇宙進出とともに、宇宙食も大きく進化してきました。
現在では、レトルト食品や缶詰を加温機で
適温に温めて食べることができるようになったほか、
果物や野菜も新鮮な状態でISSに届けられるようになっています。

さらに近年では、レタスや白菜、水菜といった植物の宇宙栽培も
可能になり、不足しがちなビタミンCを補えるようになってきました。
また、野菜・肉・魚貝類などの割合を増やした
最新の宇宙食を提供する実験も進められています。

将来的には、地上と宇宙でまったく同じ食事を楽しめる日も、
そう遠くないのかもしれません。

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