その転籍命令、大丈夫ですか? ~知らなかったでは済まされない!労務リスク回避のポイント~

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中小企業の人事・労務管理に役立つピカイチ情報

「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業13年の経験を持つ人事労務のプロが
中小企業の経営者・労務担当者のために語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2025年4月29日 Vol.5944
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お色直しは室町時代からある習慣(続きは編集後記へ)

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その転籍命令、大丈夫ですか?
~知らなかったでは済まされない!労務リスク回避のポイント~
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◆ ありがちなトラブル事例
ある製造業の中小企業A社では、グループ会社との間で人員
調整のために社員の転籍を進めようとしました。

「グループ会社なんだから当然だろう」と、
本人への個別の同意手続きなしに転籍を命じたところ、
社員から「聞いていない!」と強く反発され、労使トラブルに発展。
最終的には、慰謝料を求める労働審判にまで
持ち込まれてしまいました。

◆ なぜ転籍命令はトラブルになるのか?
転籍とは、

転籍元の会社との労働契約を終了させ、

転籍先の会社と新たに労働契約を結ぶ
という、労働者にとって大きな身分変更を伴う行為です。

法律上は、
▶ 転籍元・転籍先・本人の三者の合意が必要
▶ たとえ就業規則に「転籍あり」と書いてあっても、実施時には
個別具体的な同意が必要とされています。

これを無視して一方的に命じると、違法扱いになり、損害賠償
リスクすら生じます。

◆ 実務対応のポイント
1.転籍時には必ず個別同意を取る

事前に包括的な同意(たとえば「場合によっては転籍あり」と
雇用契約書に書く)を取っていても、転籍時には改めて
「この会社に転籍しますか?」という個別確認をすることが必要です。

2.転籍先の情報と労働条件をしっかり開示

・転籍先の会社名
・新しい就業場所
・労働条件(賃金、休日など)

これらをきちんと伝えたうえで、納得してもらうことが不可欠です。

3.実質的不利益がない場合でも慎重に

実質的に不利益がなければ例外的に包括的同意で足りる場合も
ありますが、あくまでレアケースです。

どんな場合でも「説明と個別同意」を基本と考えたほうが、安全です。

◆ 中川コメント
中小企業では「経営者同士が話をつけたから、あとは人事が
動かしておいて!」というケースがよく見られます。
しかし、労務リスクは現場が一身に背負うことになります。

「人が動くときこそ、慎重に」が転籍対応の鉄則です。
ちょっとした確認作業が、あとから大きなトラブルを防いでくれます。
面倒でも、社員との信頼関係を守るために、一つ一つ丁寧な
手続きを心がけましょう!

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編集後記
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お色直しは室町時代からある習慣

結婚式でよく見られる花嫁のお色直し。最近は一度、二度、
三度と着替えたり、花婿も着替えたりするケースが増えて
きましたが、実はこのお色直しという習慣は室町時代から
始まったものです。

当時の婚礼では、初日までは白無垢を着用し、三日目の朝に
「色直しの儀」が行われ、色小袖に着替えたといいます。
この習慣が、「和洋両方の花嫁衣裳を着たい」という
現代女性の願望と結びつき、今に蘇ったわけです。

したがって、お色直しは、白無垢の和装から色のある洋装へ
着替えるか、白のウェディングドレスから色のある和装
(振り袖など)へ着替えるのが通常です。
もちろん、好みにより和装から和装へ、または洋装から
洋装へ着替えることもかまいません。

花婿がお色直しをすることについては、まだ賛否両論がある
ようですが、花嫁との服装のバランスを考えれば、着替えを
するほうが自然でしょう。
ただし、あまり長時間中座してお客様をシラケさせないように
注意が必要です。

お色直しは、配色や登場方法を工夫して一回で済ませるほうが、
より効果的でしょう。

出典:『おもしろ雑学552』(刑部澄徹編著)

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