■手待ち時間と休憩の勘違いが招くトラブルとは■

☆★☆――――――――――――――――――――――
中小企業の人事・労務管理に役立つピカイチ情報
「労務管理は王道こそ最善」
大企業で20年・中小企業で13年の現場経験を持つ
人事労務のプロが、中小企業経営者の立場で語る!

発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 中川清徳
2025年12月7日 Vol.6174
――――――――――――――――――――――

■拍子抜けするほど簡単な賃金制度の作り方セミナー■

――――――――――――――――――――――――――――

■怒っているときは頭が悪くなる■
(続きは最後のコーナー【本からの気づきメモ】でどうぞ)

――――――――――――――――――――――――――――
■手待ち時間と休憩の勘違いが招くトラブルとは■

ChatGPT Image 2025年12月5日 11_33_10

――――――――――――――――――――――――――――

現場でよく聞く悩みに、「休憩は与えているつもりなのに、
後から『休憩が取れていない』と言われてしまった」という
ものがあります。特に介護、運送、飲食など「待ち時間」が
発生する仕事では、休憩と手待ち時間の線引きがあいまいに
なりやすいですよね。

実際、ある介護事業所では、利用者の準備が整うまでの待機
時間を「休憩」として扱っていました。しかし、職員は呼ばれ
たらすぐ対応できるよう常に気を張り、離席もできない状況。
このような時間は、会社としては休憩のつもりでも、法律上は
「労働時間」と判断される可能性が高くなります。結果として、
休憩を与えたと認められず、法令違反の疑いで書類送検される
事態になりました。

労働基準法では、労働時間が6時間を超えると45分、8時間を
超えると1時間の休憩を与える必要があります。そして休憩は
「完全に仕事から離れて自由に過ごせる時間」であることが
条件です。待機しながら指示を待つ状態は、見た目は休んで
いるようでも、法律上は休憩とはいえません。

中小企業の現場では「繁忙で休憩をずらした」「必要な時には
声をかけるから、それまでは自由でいいよ」といった運用も
よくあります。しかし、この「自由でいいよ」が本当に自由
なのかどうかがポイントです。電話番が必要、利用者対応が
いつ入るかわからない、持ち場を離れられない──こうした
状況があると、休憩とは認められにくくなります。

逆に、責任者を配置して交代制でしっかり休憩を取るように
したところ、職員の疲労が減り、ミスも減ったという会社も
あります。休憩の質が上がると、生産性にも良い影響を与え
ますので、決して負担になるばかりとは限りません。

もし「うちの休憩は大丈夫だろうか」と感じられたなら、
次のような点をチェックしてみてください。

・休憩時間中、完全に持ち場を離れられているか
・電話番や来客対応を任せていないか
・緊急時は呼び戻す前提になっていないか
・休憩時間が明確に決められ、記録されているか

休憩の取り方は、会社が意図したものと従業員の受け止め方が
ずれることが多いポイントです。だからこそ、現場の実態に
合わせて丁寧に確認することが大切です。

トラブルを未然に防ぐためにも、今日から休憩の運用を一度
見直してみませんか。

――――――――――――――――――――――――――――
■メール顧問契約のご案内■
――――――――――――――――――――――――――――

「労基署には聞きづらい…」
そんな悩みこそ、専門家にお任せください。

月額7,700円(税込)で、相談は何度でもOK。
人事労務の現場を熟知した中川清徳が、
メール1通で丁寧にお答えします。

解雇、残業代、有給、トラブル対応など、
ネットでは見つからない“現場解決型”の助言をお届け。
小さな疑問も、放置せずスッキリ解決しましょう。

詳細・お申し込みはこちら
https://nakagawa-consul.com/service/mail_adviser/

――――――――――――――――――――――
【本からの気づきメモ】
――――――――――――――――――――――

■怒っているときは頭が悪くなる■

怒りや恐怖といった強い感情にとらわれると、人は愚かな
行動に走りやすくなるといわれます。怒っているときには、
だれでも頭の働きが鈍くなり、正しい判断が難しくなるの
だそうです。間違っていると考えたほうがよい場面でも、
感情に押されて誤った行動を選んでしまうことがあります。
たとえば上司から叱責されたときや、多くの人の前で恥を
かかされたときなど、感情が高ぶった状態では冷静さを
保つことが難しくなります。実際に、勢いで会社を辞めて
しまい後悔した人も少なくありません。頭のよい人でも感
情的になることはありますが、感情にすぐ反応するのでは
なく意識的にコントロールし、冷静さを取り戻す方法を知
っています。つまり考える前に反応するのではなく、まず
落ち着くことが大切だといえるようです。

出典:『頭のいい人が話す前に考えていること』 安達裕哉著

――――――――――――――――――――――
免責事項
――――――――――――――――――――――

このメルマガでは、わかりやすさを重視し、
法律や判例も簡潔にご紹介しています。
内容に基づくトラブル等については、責任を負いかねます。
ご了承ください。

――――――――――――――――――――――

メールマガジン
社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

☆発行責任者:有限会社中川式賃金研究所 所長 中川清徳
☆公式サイト:https://nakagawa-consul.com
☆問い合わせ:info@nakagawa-consul.com
☆バックナンバー:https://nakagawa-consul.com/blog
☆登録・解除:https://www.mag2.com/m/0000283000.html