【賃金】危険手当について

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2012年11月15日号   VOL.1317
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ご挨拶に代えさせていただきます
→ もともと挨拶していたんしゃないの?

(続きは編集後記で)

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【賃金】危険手当について
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   読者から質問があるそうですね。

中川:はい、匿名希望さんからです。

(引用開始)

日頃はメルマガで大変お世話になります。
お忙しいところ恐縮ですが、一つご質問させて頂きます。
さて、先日の弊社労使協議会において、危険手当を検討して欲しいと
の要求が組合からありました。
 
理由を聞くと、弊社の業務において化学工場などの現場に設置された
製品の修理・定期点検などがあります。
 
昨今、化学工場の爆発などもあり、身の危険を感じる現場なので、危
険手当が欲しいとの要求です。ただ、頻繁に化学工場だけに出向くわ
けではなく、食品、電気、自動車、薬などの広範囲な業種の工場へも
出向きます。
 
社内におきましても、薬品を扱いますので、その危険や、機械工は旋
盤、フライスの危険、社員の自動車の運転、飛行機での出張なども危
険では、と拡大解釈されます。
 
会社に余裕でもあればそれも可能ですが、今時、この様な危険手当を
付ける中小企業があるでしょうか?
会社として手当ては付けない、従来のままと回答したいのですが、何
か問題はあるでしょうか?
何卒宜しくお願い申し上げます。

(引用終わり)

社長:労働組合があるのですね。
   要求はもっともな気もしますが経営者の疑問も分かります。
   どうしたらいいですか?

中川:結論は匿名希望の社長のお考え取りで良いです。

社長:でも、危険な場所で働くのですから手当が欲しいという
   気持ちもわかります。
   どうして危険手当を支給しないでも良いということですか?

中川:化学会社へ出向く頻度が低いことと、化学会社の事故発生の
   頻度が低いことの両方があるからです。
   日常生活の中でも身の危険を感じることは多々あります。
   それと同じかそれより頻度は低いでしょう。

社長:つまり、組合の要求は過大要求だということですか?

中川:そうです。
   この会社では薬品や旋盤などを操作しているのですが、危険という
   確率ではその作業の方が高いかもしれません。

社長:旋盤とはなんですか?

中川:金属の材料をくるくる回る刃先で削る機械です。

社長:木をくるくる回してこけしを作るようなイメージですか?

中川:そうですね。

社長:よその会社はどうしていますか?

中川:危険手当を支給している会社はなかったと思います。

社長:そうですか。

中川:作業環境に関する手当は相当劣悪な場合に支給すべきだと
   思います。
   ご質問の経営者がご指摘しているように、危険の確率が低い作業に
   危険手当を支給すれば拡大解釈されて、ドンドン適用範囲が広がる
   おそれがあります。
   危険手当を支給すべきではないと考えます。
   危険手当の要求は拒否しても問題ありません。

(中川コメント)

 屋外作業の労働者に雨が降ったら「雨手当」を支給していたことが
あります。
ところが雨と言っても小雨、豪雨、午前中だけあるいはパラパラと
いろいろあるのです。
豪雨での作業であれば気の毒に思いますが、パラパラ雨でも雨が降ったと
「雨手当」を要求してもめました。
屋外労働は雨天でも作業するのが前提であるということで、廃止した
経験があります。

 作業環境に関する手当は定義が難しく、拡大解釈される可能性があるので
相当劣悪な作業環境の場合に限定したほうがいいでしょう。

 

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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ご挨拶に代えさせていただきます
→ もともと挨拶していたんしゃないの?

 結婚披露宴などで、挨拶の最後に、よく「......ご挨拶に代えさせてい
ただきます」と言う人がいる。
 さすがに、若い人には、こういって締めくくる人は少ないだろうが、
年配の人には、この決まり文句を言わないことには、挨拶をした気がし
ないという人もけつこういるだろう。
 挨拶に立った人が、この決まり文句を言う裏には、「本来なら、もっと
きちんとしたご挨拶をすべきところですが、私には、うまくできませんの
で......」という謙遜の気持ちが隠されている。

 つまり、挨拶の冒頭でよく使われる借越ながら......」と、対になった言
葉なのである。
 もともと、日本は、人間関係を円滑にすすめるため、謙虚さを重視する
社会である。挨拶のしかた一つで、出世を棒に振った人も山ほどいる。
そのため、とくに公の場での挨拶は、謙譲の気持ちを示しながら挨拶する
のが無難だとされている。
 それでも、若いころは、「ご挨拶に代えさせていただきます」という言
葉をワンパターンだと笑っているが、何度も披露宴に出席しているうちに、
このフレーズがないと物足りなくなってくる人も多いようだ。

(語源の謎 日本語倶楽部編より)

では、また明日お会いしましょう!!

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