【賃金】今年は昇給原資がない

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る

作者: 中川清徳  2013年1月9日号   VOL.1373
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13、13,13・・・アニーシュ・プラダーンより

(続きは編集後記で)

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【賃金】今年は昇給原資がない
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中川:こんにちは。

社長:こんにちは。
   いやな時期ですね。

中川:何かありありましたか?

社長:4月の昇給のことです。

中川:それがどうかしましたか?

社長:今年の昇給はできそうにありません。

中川:そうですか。
   それはいやな時期ですね。

社長:昇給しなくても違法ではありませんか?

中川:昇給をして倒産しては元も子もないありません。
   昇給する原資がないのであればなんと言われようと昇給すべきでは
   ありません。

社長:そう言われてほっとしました。

中川:ただし、御社は賃金規定で毎年4月には昇給すると明記しています。
   だから、本来は昇給すべきなのです。
   それをしないのですから従業員の同意が必要です。

社長:同意を得ればいいのですね。

中川:そうですね。

社長:でも、全員が同意するとは限りませんが。

中川:そうかもしれませんね。

社長:その場合は一人でも同意が得られていない場合は昇給をストップ
   することはできないのでしょうか?

中川:大多数が同意をしていれば昇給ストップはできます。

社長:不満に思う社員が訴訟を起こすかもしれませんね。

中川:それは覚悟の上です。
   
社長:訴訟はいやですね。

中川:会社を経営すること事態がリスクです。
   昇給のことで訴訟になるリスクも当然覚悟しなければなりません。

社長:では、それ覚悟で従業員の同意を得ます。

中川:がんばってください。

社長:従業員の同意をえることで気をつけることはありますか?

中川:あります。
   社長の外車は売って国産の中古車にしましょう。

社長:どうしてですか?

中川:経営が苦しいから昇給をしないのでしょう?
   であれば、それが従業員に分かるようにしなければなりません。
   外車を手放さなければまだ会社は余裕があると思われますよ。

社長:そういうことですか。

中川:それから社長の奥さんが10時頃出社していますね。

社長:家事をしてからなので遅くなるのです。

中川:従業員も家事をして出社しているのです。
   従業員が10時に出社したら遅刻扱いで懲戒処分をするのでしょう?
   社長の奥さんは家事をするから10時出勤といっても
   納得していないと思いますよ。
   取締役であることを割り引いても。

社長:たしかに。

中川:それから、言いにくいのですが奥さんが会社に来るときはブランドの
   服、ブランドのバックはよしましょう。

社長:言っている趣旨は分かります。

中川:それから、言いにくいのですが奥さんの指輪、大きすぎます。

社長:言いたいことは分かりました。

中川:社長の交際費は削減すべきですね。

社長:あれは営業で必要です。

中川:でも、平日にゴルフでは...。
   
社長:うーん。そうですね。

中川:というように従業員が納得するような状況をつくることが
   大切だと思います。

社長:そうですね。
   従業員に厳しいことを言うのですから率先垂範ですね。

中川:そうですね。
   率先垂範ですね。
   その率先垂範で効果的なのは社長の役員報酬を下げることです。
   そしてそれを従業員に伝えるのです。
   そうすれば会社の経営の苦しさが伝わります。
   
社長:分かりました。
   役員の全員の報酬を下げることにします。

中川:で、昇給ができないことを従業員に説明する場合
   社長が頭を下げてわびをいうのがいいです。
   「私の力不足でもうしわけない」と。

社長:当社の重要顧客が倒産したのが原因で昇給できなくなったので
   すから「力不足」とは言いたくありませんね。

中川:社長がいつも従業員に叱っているではありませんか。
   「言い訳はするな!結果がすべてだ!」と。

社長:いやあ、一本とられました。
   そうですね。
   すべて私の力不足ですね。

中川:従業員への説明をがんばってください。

(中川コメント)

 経営が苦しくて昇給できない状態であればそれが従業員が分かるような
状況を意識的に作り上げることが大切でしょう。

 あなたの会社は今年の昇給はできますか?
 できないのであれば身辺からただしましょう。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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13、13,13・・・アニーシュ・プラダーンより

 男が、精神病院の高い木造の塀のところを歩いていると、中から住人が
「13、13,13」となにやら唱えているのが聞こえた。いったいどういうこ
となのかと思った彼は、塀の節穴があったので中を覗いてみた。すると中
の一人が彼の目を突っついた。そして、中にいる全員が今度はこう唱え始めた。
「14、14、14」

(HIROSのジョーク集より)

では、また明日お会いしましょう!!

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