【人材育成】ヤル気

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労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る

作者: 中川清徳  2015年5月8日号   VOL.2252
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東北で「なげて!」は「投げて」ではない!

(続きは編集後記で)

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 【人材育成】ヤル気
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中川 こんにちは。

社長 こんにちは。
   今日は社員の活性化についてお聞きしたいのですが。

中川 また大きなテーマですね。
   どのようなことですか?

社長 中川さんはいろいろな会社を訪問していますよね。

中川 はい、それが仕事ですから。

社長 で、社員がヤル気をなくしている会社はどのような傾向がありますか?

中川 傾向と対策ですか。
   大学受験を思い出しますね。

社長 なつかしいですね。

   で、どんな傾向がありますか?

中川 それは一概に言えません。
   中川が大企業にいたときの経験をお話ししましょう。

社長 はい。

中川 中川が課長だったころのことです。

   上司は次長でした。
   そして、副部長、部長がおり、支店長がいました。

社長 支店での話ですね。

中川 支店といってもその会社では最大規模の支店でした。
   従業員だけでも1000人を超えていました。

   協力会社などを含めると人数を把握することが困難なほどの
   大組織です。

社長 へえ、そんな大きな組織で仕事をしていたのですか。
   すごいですね。

中川 外から見たらそう思えるかもしれませんが、結局は
   人間一人ひとりがやっている仕事は大企業も中小企業も
   大差ありません。

社長 そうですか。

中川 で、ある案件を支店長に決済を求める場合は
   まず直接の上司である次長に説明をします。
   次長はたいした権限がありませんから、ではその件は
   部長に説明をするようにとなります。

   そう言われることは承知しているのですが、上司を飛ばすわけには
   いきません。

社長 ふーん。

中川 で、いきなり部長のところに行けばいいのですが、
   部長の隣に副部長の席があります。

   副部長をパスするとむくれるので、副部長に説明をします。

   副部長は権限がありませんから、うん、わかった。部長に
   報告をしてと言うのです。

社長 へえ、大変ですね。

中川 で、副部長の説明が終わったら、隣の机に行って
   同じ説明をします。

   副部長への説明が隣で聞こえたいたはずですが、
   初めて聴くような態度。

社長 まとめて話ができないのですか?

中川 それが微妙でして、会議を招集するわけにもいかず、
   かといって、直接支店長に説明するわけにもいきません。

社長 そんなもんですか。

中川 で、説明を聞いた部長は経理課長と企画課長にも説明を
   しておくようにとの指示。

社長 ありゃ、支店長まで行くのは大変ですね。

中川 このあたりでそろそろイヤになります。

   でも、くじけずに経理課長に説明に行きます。

社長 まだるっこいですね。

中川 そうです。
   経理課長に説明をすると、ああでもない、こうでもないと
   難癖をつけて自分の存在感をアピールするのです。

社長 へえ。抵抗勢力ですね。

中川 そうです。抵抗勢力は政治の世界だけではありません。

社長 疲れますね。

中川 ということです。

社長 え?どういうこと。

中川 ヤル気をなくする事例です。

   社内営業で疲れ果てるのです。

社長 社内営業ですか。うまいことを言いますね。

中川 大企業では普通に使われている言葉です。

社長 へえ。大企業も大変ですね。

中川 大変でしょう。

   結局、そんな大変な目に遭うのならできるだけ
   じっとしておこう。どうしてもやらなければならないことを
   最小限だけしておこうという気持ちになります。

社長 そりゃあそうですね。
   私ならすぐに辞表をだします。

中川 中川にはそんな勇気もありませんでした。
   平凡はサラリーマン生活を送っていました。
   今思えば、組織に流されていましたね。

社長 そうですか。

中川 ヤル気は根回しをしないで即断即決で生まれるような
   気がします。

   だめならダメでもいいのです。
   
社長 中川さんが言いたいことは、組織を複雑にしないと
   いうことですか。

中川 とも言えますが、組織を複雑にすると中川の経験のような
   弊害が生まれると言うことです。

   これは大企業病の一つでしょうね。

社長 なるほど。

(中川コメント)

組織が大きくなると官僚的は組織になります。
誰も責任を回避する風土が生まれます。
決済を受けるのに多数の決済判が必要です。

そんなことに明け暮れて
既存の技術、既存の商品で安住して競争に負ける可能性があります。

失敗を恐れないで思い切って任せることで社員はヤル気が
起きます。

別の支店では中川にほとんど任せきってももらえました。
充実していました。一年間365日のうち364日働きました。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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東北で「なげて!」は「投げて」ではない!

 東北地方で、ゴミ箱のゴミを指す人に、「それ、なげて」と言われたとす
る。「投げて」と言われたと思い、ゴミを相手にほうり投げるのはやめたほ
うがかいい。

 この場合、相手は「捨てて」という意味で、「なげて」と言っている可能
性が高いからだ。
「なげる」は、おもに東北地方や北海道で使われる方一言。方言のなかには、
使っている人もそれが方言であると認識していて、よその地方の人には、誤
解を防ぐため、標準語で話す言葉もあるが、「なげる」は広い地域で使われ
ていることもあって、標準語と思っている人が多いのだ。そのため東北地方
などでは「捨てて」という意味で、「それ、なげて」と言う言葉を耳にする
ことが多い。

(タブーの常識大事典 青春出版社刊より)

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