【労災】死亡事故の責任は社長にもある
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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
作者: 中川清徳 2012年10月6日号 VOL.1276
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たとえ「真っ暗闇」になったとしても...(森鴎外)
(続きは編集後記で)
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【労災】死亡事故の責任は社長にもある
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
労災は起こさないようにしていますが、ふと心配になることが
あります。
中川:そうですね。
万が一の場合は死亡災害となりますからね。
社長:どのようなことを気をつけたらいいか何か事例はありませんか?
中川:スラリーポンプのVベルトに巻き込まれ死亡した事例があります。
社長:スラリーポンプとは何ですか?
中川:動力により圧力をかけて汚泥を上に引き上げる機械です。
社長:Vベルトに巻き込まれた原因は何ですか?
中川:床をゴムホースにより水を流して清掃してときに作業着の右
すそが巻き込まれさらに腕を巻き込まれたのです。
社長:それはお気の毒に...。
中川:Vベルトには災害防止のためにカバーを掛けます。
この災害はカバーが掛けられていなかったのです。
社長:それは法律で決まっているのですか?
中川:労働安全衛生法に明記されています。
社長:それでは違法だったのですね。
カバーを外した状態で作業をした本人に責任がありますね。
中川:このような場合は責任者が責任を問われます。
社長:といいますと?
中川:カバーが外されたままになっていたのです。
外した理由は作業性が悪いからです。
社長:安全より作業性を優先させたのですね。
ありえますね。
中川:この現場の責任者は課長です。
社長:実際に作業をした人ではないのですか?
中川:責任者は安全管理について権限を持っている人の
ことです。
課長は1ヶ月も前からカバーが外されたままであること
を知っていました。
にもかかわらず、カバーを取り付けるように指示をしなかった
のです。
社長:なるほど。
で、社長はどうなりますか?
中川:社長はカバーを外されていることの報告を受けていませんでした。
社長:報告がなくてもカバーを外されていることは見れば分かるでしょう?
中川:社長は最近現場に出向いなかったので、知りませんでした。
現場に出向かなかったことを社長は大いに悔やんでいます。
社長:で、結果はどうなりましたか?
中川:労災事故ですから労災保険受給の手続きを行いました。
労基署は書類送検をしました。
社長:社長の責任はないのですか?
中川:課長が違法行為で送検です。
社長は事業者として送検です。
社長:社長は知らなかったとしても送検されるのですね。
中川:そうです。
両罰規定といいます。
違法行為をした課長と課長を使用している会社の
両方に責任を問われます。
社長:会社ということは社長のことですか?
中川:そうです。
会社は法人です。
法人の代表が社長ですから。
社長:労災が起きたら社長の責任は免れないということですね。
中川:そうです。
送検をされたということは刑事事件として扱われた
ことになります。
その他に損害賠償という民事があります。
遺族との交渉が大変です。
社長:やはり安全第一ですね。
中川:そうです。
安全第一です。
(中川コメント)
労災事故は現場の直接責任者と責任者を使用している法人の両方に
罰が下されます。
これを両罰規定といいます。
つまり、労災事故を起こせば経営者の使用責任が問われます。
安全第一でいきましょう!
本日の記事は「労働災害事件ファイル 森井博子、森井利和著」を
参考にしました。
今日はここまで。では、またあした。
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編集後記
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たとえ「真っ暗闇」になったとしても...(森鴎外)
書類などの大切な資料や身の回りの日用品は、必ず所定の場所に保管す
る習慣をつけておこう。そうすれば、いざという時には、暗閣の中でも手
探りで取り出すことができる。
世間には、しょっちゅう鍵をなくして捜し回っている人がいるが、これ
は物笑いのタネになるだけではなく、信用を失うもとになる。なくした物
が自分の持ち物ならまだしも、人からの大事な預かりいったいどうするつ
もりだろう。
常日頃、身の周りの物の整理整頓ができており、その所在がしっかり頭
に入っていれば、自分の持ち物はもちろん、大事な借り物を物や借りた物
だったら、忘れるわけがない。
(1日「ひと粒」の黄金の知恵 森鴎外著 齋藤孝訳 イープレスト刊より)
では、また明日お会いしましょう!!
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