【賞与】退職予定者の減額

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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報

労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る

作者: 中川清徳  2015年5月25日号   VOL.2269
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上司の言うことが理解不能で、腹さえ立つ

(続きは編集後記で)

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 【賞与】退職予定者の減額
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中川 こんにちは。

社長 こんにちは。
   今日は賞与のことについて質問をします。

中川 そろそろ賞与の準備に取りかからなければなりませんね。

社長 夏の賞与を毎年7月に支給しています。

中川 今年の夏はどうしますか?

社長 業績がまあまあです。
   従業員は生活を抱えていますので、なんとかがんばって
   出します。

中川 がんばってくださいね。
   それで、ご質問は?

社長 賞与を支給したら辞める社員が何人かでます。

   腹立たしいのです。
   何か良い方法はありませんか?

中川 そのまえに、賃金規程を拝見します。

   (拝見)

   賞与は7月と12月に支払う。
   ただし、会社業績等により支払わないこともある。

   と書いてありますね。

社長 へえ、賃金規程を見なければいけないのですか。

中川 そうです。

   この賃金規程であれば賞与は会社が任意に決定できます。

社長 はあ。

中川 つまり、退職予定者の賞与をどうするかは好きに決めれば
   いいのです。

社長 ということは、賞与を減額してもいいのですか?

中川 そうです。好きに決めればいいのです。

社長 わかりました。
   で、減額の幅は法律で何か決まっていますか?

中川 法律はありませんが、判例(ベネットコーポレーション事件)
   として20%減額までしか認められなかったことがあります。

社長 では、20%以内であればOKですか?

中川 そのほうが無難です。
   しかし、その判例の会社のは賞与は賃金と同じ性格を持ってい
   たことによりますので、あまり参考にはなりません。
   しかし、あまり極端な減額はしない方がいいでしょう。

社長 賞与をもらって辞める場合は減額すると周知した方がいいですか?

中川 周知すれば、誰も賞与をもらう前に辞めるとは言わないでしょう?
   中川の以前の会社での経験では賞与をもらった後で、
   もっともらしい理由で辞めていきました。

社長 そりゃあそうですね。
   賞与をもらう前に辞めると言ったら賞与査定に影響がでると
   思いますよね。

中川 そうです。
   社長の腹立たしい気持ちは分かりますが、減額は現実的ではありま
   せん。

社長 では、賞与を支給した後退職する場合は賞与を1部返金してもらう
   方法はどうですか?

   これであればOKでしょう?

中川 いったん払った賞与を返金させることはできません。

社長 つまり、賞与の減額は法的にはできるが
   現実的ではないということですね?

中川 残念ですが。

(中川コメント)

賞与は賃金規程に決まった額を明記すれば賃金と見なされます。
その場合は支払義務があります。
しかし、今回の会社のような賃金規程であれば
賞与は、会社が自由に支給基準を決めることができます。

退職予定者の賞与の減額はOKです。

今日はここまで。では、またあした。

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    編集後記      
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上司の言うことが理解不能で、腹さえ立つ

 私がビジネスを始めたのは大学生の頃だったので、プレゼンする相手の
多くが年上でした。そこで、そういう世代の方々の考えを理解するために、
私は銀座のパーに行きました。私は「仮想上司」という言い方をしていま
すが、上司と同世代の人達(仮想上司)に知り合いを作ることにより、彼
らが何を思い、伺を考えて今を生きているのか、少しすつでも知ることが
できます。それが分かってくると、別に腹も立たなくなりますし、うまく
コミュニケーションするための打開策が見えてくると思います

 ひるがえって「自分を理解しろ」と上司に要求する権利があなたにある
でしょうか。もちろん、ありません。

 つまり、あなたが上司を理解する努力をして、自分の考えを理解してもら
う方法でしか、状況は打開できないのです。

 相手に腹が立つということは、摺手を理解できていない証拠で、棺手のこ
とが理解できれば、腹は立たなくなります。

(心を思いどおりにするテクニック サプライズBOOK)

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