【年休】定年後の再雇用の年休取り扱い
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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務
畑一筋で現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業
経営者のために語る。
作者: 中川清徳 2015年11月24日号 VOL.2472
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京都にある重要文化財の便所
(続きは編集後記で)
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【年休】定年後の再雇用の年休取り扱い
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中川 こんにちは。
社長 こんにちは。
今日はAさんの年休について質問します。
中川 はい、なんですか?
社長 Aさんは、12月末で定年になります。
中川 とてもまじめな方ですね。
社長 そうです。
腕もいいので、定年後も来たもらうことにしています。
中川 それはよかったですね。
社長 それでAさんの年休のことです。
年休をとらないので40日分残っています。
たぶん、定年まで使わないでしょうね。
中川 定年前に奥さん孝行のために旅行をと勧めたらどうです?
社長 そうですね。
年休をちゃっかり使う人がいると思うと
Aさんのようにまるで使わない人もいます。
Aさんには強く年休を取るように薦めます。
中川 それで質問について答えになっていますか?
社長 あ、質問は定年後の年休の扱いです。
Aさんは、年休を使わないで定年を迎えると40日分が消えますよね?
それが気の毒で、何にかいい方法はないものかと。
中川 もし、Aさんが40日分残したまま定年後再雇用された場合は、その
まま権利として持つことができます。
社長 へえ、いったん定年になったのです。
再雇用をするということは、新入社員として採用するのと同じだと説
明をしましたよ。
年休はリセットになるのではありませんか?
中川 そうですね。
正社員から嘱託と雇用区分は変わります。
しかし、実態は定年後も引き続き働いているのですから、年休はその
まま持ち越します。
社長 そうなんですか。
それは法律で定められているのですか?
中川 そうです。
社長 Aさんは、定年後は半日勤務となります。
中川 何時間ですか?
社長 うちは8時間勤務なのですが、Aさんは5時間勤務となります。
その場合の年休はどうなるのですか?
中川 8時間が5時間に勤務時間が減っても、年休の日数は同じです。
つまり、40日の権利となります。
社長 Aさんは損をしますね。
中川 損をしているといえばそうですが、法律的にはそれでいいのです。
社長 そうなんですか。
まじめな人は損をする法律はおかしいですね。
中川 おかしいといえばおかしいです。
しかし、年休の本来の意味を考えるとおかしくありません。
社長 年休の本来の意味は何ですか?
中川 疲労回復のため、よりよい生活の向上のためです。
社長 ほう。
中川 したがって、1日休むことが目的であり、勤務時間は関係ありません。
だから損をしたとか損をしないとかいう話ではありません。
社長 へえ、年休は疲労回復のためですか。
じゃあ、社長の私も疲労回復のために年休を使いたいですね。
社長業は社員より疲労回復が必要です。
中川 社長には労基法は適用されませんよ。
勝手に休めばいいではないですか。
「今日は疲れたから休む」と言って。
社長 そう簡単には休めませんよ。
中川 では、がんばってください。
社長 でも、たまには休みたい...。
中川 私にどうしろとおっしゃりたいのですか?
社長 ちょっと甘えてみたかったのです。
中川 気持ち悪!
奥さんに甘えてください。
社長 うちの奥さんは怖い。
中川 ...
(中川コメント)
定年後そのまま再雇用する場合は未消化の年休はそのまま持ち越しとなり
ます。
勤務時間が8時間だったものがたとえば5時間に短縮されても日数は変わり
ません。
逆に5時間勤務のパートタイマーが正社員となり8時間の勤務時間となった
場合でも同じく年休の日数は変わりありません。パートのときにあった年休の
日数がそのまま持ち越されることになります。
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ご質問、ご感想、ご意見をお待ちしています
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ご質問をお待ちしています。下記の様式でご質問ください。
なお、必ずしも回答するとは限らないことをご承知ください。
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回答しかねる場合があります。
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編集後記
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京都にある重要文化財の便所
京都
の東山区に東福寺というお寺がある。臨済宗東福寺派の大本山で、京
都五山の一つに数えられる大寺である。関白九条道家が一代の財力を傾けて
開基した寺であり、嘉禎2年(1236) に着工され、すべてが完成したのは文水
8年(1271) であった。この寺の山門や禅堂など多くのものが国宝や重要文化
財に指定されているが、「束司(とうす)」もまた重要文化財の一つになっ
ている。
「東司」は切妻造り本瓦ぶきの細長い建物(13m×7m)だが、内部には左右内
側に36個の壺が並べられていて、通称「百雪隠(ひゃくせっちん)」と呼ば
れていた。すなわち「東司」はお寺で修業するお坊さんたちの便所だった。
この「束司」は室町時代の建築であり、禅宗寺院の便所の古い様式を伝え
る貴重な建物であることから、重要文化財に指定されている。この寺の「浴
室」(蒸し風呂形式)も同じく室町時代の建築で、「束司」と同様に重要文化
財に指定されている。
(話のネタ・雑学の本 幻冬舎文庫より)
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