【出向】出向権の根拠
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社長、上司が「あの人はすごい!」といわれるピカイチ情報
労務管理に奇策なし!大企業20年、中小企業13年 人事労務畑一筋で
現場をはいずりまわった人事労務担当者が中小企業経営者のために語る
発行者: 中川清徳 2016年6月30日号 VOL.2728
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月曜定休の理容院が多くなった「合理的な理由」
(続きは編集後記で)
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【出向】出向権の根拠
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入社した従業員を他の会社になぜ出向できるのか、その根拠を記載します。
1.一身専属性の原則
民法第625条第1項で「使用者は、労働者の承諾あるに非ざればその権利を
第三者に譲渡することを得ず」と定めています。これは一身専属権といわ
れます。このような雇用契約に基づく労働者のほかに個人間の信用を基礎
とする代理権などがあります。
したがって、出向にみられるように、使用者は労働者の承諾なしに労務請
求権を他の第三者に譲渡することはできません。
2.出向命令権の根拠
出向は、法的には、労働者から労務の提供を受ける権利の一部を譲渡するも
のとみることができます。使用者が労働者に対して出向を命じることができ
るか、つまり使用者の出向命令権の根拠があるかどうかがその第一義的な問
題になります。
この場合、使用者が労働者に対し出向を命じることができるためには、労働
者の同意としてどの程度のものが必要かという問題になります。
3.学説の傾向
こうした点につき、学説ではいろいろな見解がありますが、大別すると、
(1)就業規則や労働協約に規定があることをもって包括的な同意があったとみ
るか、あるいは労働契約時に労働者が包括的に同意していればよいとする
包括的同意説
(2)労働者がその都度同意することを必要とする個別的同意説
(3)包括的同意に加え、出向規定等で出向先との関連性、労働条件、出向期間
等が定められていることを必要とする出向規定説
などに分かれています。
4.判例の傾向
また判例では、労働契約が就業規則に出向を命じる規定があるだけで当然に
出向を命じ得るものではないとする一方で、出向の際に労働者の個別の同意
までは求めていないとする判例もあります。このように、出向に関し個別同
意が判例法理として確立しているとはいえない状況にあります。このため、
個別事案ごとの具体的な事情に応じて個別的に判断される実情にあるといえ
ましょう。
なお、労働契約法第14条では、「使用者が労働者に出向を命ずることができ
る場合において、当該出向の命令が、その必要性、対象労働者の選定に係る
事情その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合に
は、当該命令は、無効とする」と定めています。
ちなみに、新日本製織(日鉄運輸第2)事件で最高裁第2小法廷は、「本件各
出向命令によってXらの労務提供先は変わるものの、その従事する業務内容や
勤務場所には何らの変更はなく、上記社外勤務協定による出向中の社員の地
位、賃金、退職金、各種の出向手当、昇格、昇進等の査定その処遇等に関す
る規定等を勘案すれば、Xらがその生活関係、労働条件等において著しい不利
益を受けるものとはいえない。そして、本件各出向命令の発令に至る手続に
不相当な点があるともいえない。これらの事情にかんがみれば、本件各出向
命令が権利の濫用に当たるということはできない](平15・4・18)
と判示しています。
(中川コメント)
出向をさせるためには下記のことをしましょう。
1.就業規則に「出向させることがある」と明記する
2.採用時の雇用契約書に「出向させることがある」と明記する
3.出向を命じる前に、本人の同意をえる
たとえば、介護などで遠隔地へ赴任は困難な場合は出向を見合わせる
などの配慮の余地を残すためです。
特別の事情がないのに、出向を拒否する場合は業務命令違反として
懲戒処分をすることになります。
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編集後記
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月曜定休の理容院が多くなった「合理的な理由」
出かけた先のお店や施設が定休日で、残念な思いをしたという経験は誰に
でもあるだろう。
その点、理容院はたいてい「月曜定休」と決まっているから、うっかり定
休日に無駄足を踏むこともない。
しかし、何の疑問も持たずに"そういうもの" だと思っていたのだが、
なぜ月曜定休に固定されているのだろう。他の曜日ではいけないのか。
全国理容生活衛生同業組合によれば、実は理容院に月曜日定休が多いのは、
戦後の復興期からの古い習慣が残っているからなのだという。
1960年頃までの日本は、渇水や石炭不足によって電力供給が追いついていな
かった。その上、戦争の影響で電力施設が被害を受けていたため、電力不足
が深刻だったのである。
そこで、電力を多く使用する業種ごとに週一回、電力の供給を制限する「休
電日」が設けられた。理容院も対象業種だったため、その休電日に合わせて
月曜日を定休日に設定したというわけだ。
休電日がなくなった後も定休日が月曜日のままなのは、定休日が同じだと講
習会などの理容組合の行事が行ないやすいため。また、週末に結婚式などの
行事がある土日は自然と客が多く、統計的に見ても週の頭は客が少ないから
だ。
当初は電力不足というやむにやまれない事情があったにせよ、同じ組合に所
属するもの同士、同じ日に休んだほうが何かと運営しやすい。月曜定休は営
業的にも採算が合うわけで、合理的な理由が重なって、今も月曜定休の店が
多く残っているというわけである。
(雑学裏事情おもしろ事典 より 王様文庫発行)
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1.「パワハラで自殺」会社に賠償請求 訴訟実例 会社にとって怖い
2.厚生労働省のパワハラのガイドライン
3.会社は適正な教育・指導のつもりでも、本人はパワハラだと訴える
事例急増
4.訴えられないためには指導記録を ひな形あり
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