【通災】新春囲碁大会の後帰宅する途中の事故

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 【通災】新春囲碁大会の後帰宅する途中の事故
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   新春囲碁大会について相談です。
中川:へえ、いまどき囲碁大会とは珍しいですね。
   何人くらいいるのですか?
社長:10人前後です。
   ほとんどの社員は囲碁をしませんが。
中川:新年の囲碁大会が恒例なのですね?
社長:そうそう、私はこれが楽しみでね。
中川:そうですか。
   大いに楽しんでください。
   ところで相談とはなんですか?
社長:囲碁大会は社内で行っています。
   それでもし、囲碁大会の後、帰宅するときに交通事故に遭ったら
   通勤災害になるのか念のために質問します。
中川:囲碁大会は何時間くらいですか?
  
社長:4時間くらいです。
中川:へえ、4時間も。
   熱心ですね。
社長:優勝がかかっていますから。
   碁をやると親の死に目に会えないとまでいわれる
   ゲームです。
   4時間でも物足りないくらいです。
中川:そんなに長時間囲碁をしていた場合は通災になりません。
社長:でも、一応社内の恒例行事ですが。
中川:恒例行事かもしれませんが、それは仕事ではありませんよね?
社長:囲碁が仕事だったら幸せなのですが...。
   囲碁は仕事ではありません。
   当たり前のことです。
中川:社内行事をしても短時間であれば通災と認められます。
   しかし、4時間も囲碁をしていたらそれは認められません。
社長:へえ、時間の長さで通災かどうかが判断されるのですか。
   どのくらいであれば通災と認められるのですか?
中川:1時間25分の場合は通災となり2時間50分はダメだと
   された事例があります。
社長:1時間25分から2時間50分の間の行事はどうなるのですか?
中川:わかりません。
   労基署が判断します。
社長:囲碁大会の場合は半日くらいは優にかかります。
   結論は通災にならないということですね。
中川:そうです。
(中川コメント)
労働基準監督署の上位組織として各県に労働局があります。
その労働局が法令の解釈に疑義が生じた場合は本省の局長に問い合わせを
します。
それによる回答が「基収」として公開されています。
それによると、
1.事業場内で労働組合の用務を約1時間25分行った後の災害は通災
  (昭和49年3月4日 基収317)
2.事業場内でサークル活動に2時間50分従事した後の災害は通災否認
  (昭和49年9月26日 基収2023)
となっています。
通災は監督署で判断しますので、とりあえず相談するといいでしょう。