【社会保険】外国人労働者の場合

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【社会保険】外国人労働者の場合
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   Aさんのことで相談です。
中川:はい、なんでしょうか?
社長:Aさんは外国人です。
   社会保険に加入しています。
中川:そうですか。
社長:Aさんは単身で来日しています。
   母国には奥さんや子供がいます。
   それで、家族は被扶養者にしてもらえないのかと相談がありました。
   健康保険は国内で使うものだと思います。
   家族が来日すれば使えると思うのですが、どうなんでしょう?
中川:母国の家族でも条件を満たせば被扶養者になれます。
   健康保険は当然、国内で使えます。
   しかし、母国で治療を受けた場合でも保険給付はあります。
社長:しかし、母国の病院に日本の健康保険証を見せても受け付けて
   もらえないでしょう?
中川:そうですね。
   母国の病院に治療費を払って、その後、国内の健康保険組合に
   請求することになります。
社長:そうですか。
   手続きは簡単ですか?
中川:面倒です。
   次の書類が必要です。
   1.療養費支給請求書
   2.医師の診療明細書(翻訳者の氏名・住所が記載されている
              日本語の翻訳が必要)
   3.領収書
   4.振込先銀行の口座番号
   5.印鑑
社長:へえ、診療明細書には翻訳が必要なのですか。
中川:面倒ですが、しょうがないですね。
   ところでAさんはどの国からですか?
社長:アメリカです。
中川:厚生年金保険はどうしていますか?
社長:健康保険とセットなので、加入させます。
中川:アメリカは日本と「社会保障協定」を締結しています。
   もし、Aさんが5年以内に帰国するのであれば、厚生年金保険には
   加入しなくても良いのです。
社長:どうしてですか?
中川:年金制度は母国にもありますので、二重加入になり、保険料が
   掛け捨てになります。
   その問題を解消するために国同士で協定を結んでいます。
社長:それはうっかいりしていました。
   Aさんは3年の約束で来日してもらっています。
   修正します。
(中川コメント)
外国人労働者の厚生年金保険は、5年以内に帰国する場合は、
厚生年金保険料が免除されます。
その理由は、両国で厚生年金保険料を徴収される問題を解消するためです。
そのため、両国間で「社会保険協定」を締結しています。
協定を締結している国は下記のとおりです(平成29年1月1日現在)
 ドイツ
 イギリス
 韓国
 アメリカ
 ベルギー
 フランス
 カナダ
 オーストラリア
 オランダ
 チェコ
 スペイン
 アイルランド
 ブラジル
 スイス
 ハンガリー
 インド