【継続雇用】定年後はパート勤務としたい

◆────────────────────────────────◆
 【継続雇用】定年後はパート勤務としたい
◆────────────────────────────────◆
中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   Aさんについて相談です。
中川:Aさんは今年定年になりますね。
社長:そうです。
   Aさんは定年後も働きたいそうです。
   本当は辞めてもらいたいのですが...。
中川:どうしてですか?
社長:一言で言えば戦力外です。
   Aさんの名誉のため具体的なことは控えますが...。
中川:そうですか。
社長:定年後も働く意思がありますので、雇用を継続します。
   それで、パートとして雇用する予定です。
中川:仕事は同じなのですか?
社長:定年前とは違います。
   今、外注している清掃作業の一部をAさんにしてもらいます。
   その分、外注契約を解除します。
中川:仕事内容が全く違いますね。
   それについてAさんは納得しているのですか?
社長:これからAさんと話し合います。
中川:なんだかいやがらせのように感じますね。
社長:私もそんなことはやりたくありません。
   しかし、同僚もAさんとは仕事をしたくないと言っています。
中川:もし、Aさんが拒否したらどうしますか?
社長:それならAさんの判断で退職するしかないでしょう。
   雇ってもらえるだけありがたいと思ってほしいです。
中川:そうですか。
   できるだけAさんの同意をとりましょう。
   もし、同意が得られない場合は、定年前と同じような仕事を
   させましょう。
社長:どうしてですか?
中川:定年前と全く違った職種を提示する場合は、継続雇用の実質を
   欠いているということで、解雇に相当する事情がない限り
   許されないという判決があります。
   (トヨタ自動車事件 平成28年9月29日 名古屋高裁判決)
社長:そうですか。
   できるだけAさんの同意を得るようにします。
(中川コメント)
本日の記事は ヨタ自動車事件 平成28年9月29日名古屋高裁判決を
参考にしました。
定年前に事務職であった従業員にたいし、定年後は清掃作業の
パート雇用の条件を拒否したことで、継続雇用しませんでした。
これが訴訟になり、一審は会社が勝ちましたが、二審では会社は一部敗訴
しました。
事務職であった人を清掃業務という全く異なった職種にすることは
継続雇用の実質を欠いているということがその理由です。
定年後の再雇用は、勤務時間や賃金、職種が異なる労働条件でもOKです。
従来そのように弊社は申し上げています。
しかし、この判決がでましたので、職種変更などはできるだけ本人の同意を
えることが必要だと思います。