【無期転換】告知しなければならないのか?

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 【無期転換】告知しなければならないのか?
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中川:こんにちは。
社長:こんにちは。
   来年から無期転換の権利が発生するパートが数人います。
中川:はい、そうなっていますね。
社長:正直、有期契約のパートは有期のままでいてほしいのですが。
中川:そうですか。
社長:で、有期契約のパートは無期転換の権利が発生することを知らない
   可能性があります。
中川:可能性はありますね。
社長:それで、質問ですが、権利が発生する有期契約のパートに、
   無期転換の権利が発生しますよと告知しなければならないのですか?
中川:無期転換は労働契約法で定められています。
(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)
第十八条  同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約
 (契約期間の始期の到来前のものを除く。以下この条において同じ。)の
 契約期間を通算した期間(次項において「通算契約期間」という。)が
 五年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働
 契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から
 労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをした
 ときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなす。
 この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容
 である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働
 条件(契約期間を除く。)と同一の労働条件(当該労働条件
 (契約期間を除く。)について別段の定めがある部分を除く。)とする。
   結論は、告知する義務について法律には書いてありませんから、
  事業主に告知義務はありません。
社長:では、黙っています。
   無期転換の申込みがあったら対応します。
中川:それで、OKです。
   しかし、いつ、無期転換を申し込まれるか分かりませんよ。
社長:それが不安です。
中川:ハラハラしていると体に悪いですよ。
社長:どうしたらいいですか?
中川:権利が発生するパートに確認したらどうですか?
社長:つまり、告知をするのですね。
中川:パートが知らないからということで、黙っているのは信義上も
   避けた方がいいです。
   
社長:そうですか。
   でも寝た子を起こすような気がしますが。
中川:でも、いつ無期転換への申し出があるかと、ハラハラするより
   精神衛生上よいでしょう。
社長:もし、無期転換の権利を使うと言われたら、無期転換にしなければ
   なりませんよね?
中川:それは当然です。
社長:もし、有期契約を続けると言われたら?
中川:そのまま有期契約を続ければいいです。
社長:本人が有期契約を続けるといったら、その効力はずーと続くのですか?
中川:直後の有期契約期間は有効ですが、さらに有期契約契約を更新したら
   新たに無期転換の権利が発生します。
社長:では、毎回確認をすることになりますね。
中川:そうですね。
   めんどうでしょうが。
   面倒ついでに、権利を行使しないと言ったパートには、「権利放棄書」 
   を提出してもらうとさらによいでしょう。
社長:わかりました。
(中川コメント)
無期転換の権利行使が生じることは告知する義務はありません。
しかし、信義上の理由から告知することを推奨します。